被子植物の配偶子形成と受精
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (4) ア (イ) ㋐「植物の環境応答」。
内容の取扱いは「被子植物を扱うこと。『植物の成長』については、配偶子形成、受精、胚発生及び
器官分化について触れること」を求めている。
0. どういう論点か
被子植物の受精は、動物と違って 2 か所で同時に起こります(重複受精)。
何と何が合体して、何ができるかを取り違えないことがすべてです。
| 精細胞 | 相手 | できるもの | 核相 |
|---|---|---|---|
| 1 個目 | 卵細胞 | 胚 | 2n |
| 2 個目 | 中央細胞(極核 2 個) | 胚乳 | 3n |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 胚乳は 3n(極核 2 個 + 精細胞 1 個)
- 重複受精は被子植物だけ(裸子植物では起こらない)
- 種皮は母親の組織(受精していないので、母親と同じ遺伝情報)
1. 配偶子形成
根拠: 学習指導要領 生物-(4)-ア-(イ)-㋐
被子植物で、花粉が作られるまでの流れは?
花粉母細胞 → (減数分裂)→ 花粉四分子 → 花粉
花粉の中には花粉管細胞と雄原細胞がある。
被子植物の胚のうは、どうやってできる?
胚のう母細胞が減数分裂して胚のう細胞になり、核分裂を繰り返して 8 個の核をもつ胚のうになる
このうち 3 回の核分裂で 8 核になる。
成熟した胚のうにある細胞は?
卵細胞 1 個・助細胞 2 個・中央細胞(極核 2 個)・反足細胞 3 個
受精に関わるのは卵細胞と中央細胞。
花粉が柱頭についてから、精細胞が運ばれるまでの流れは?
花粉管細胞が花粉管を伸ばし、雄原細胞が分裂してできた精細胞 2 個が運ばれる
花粉管は助細胞の出す物質に誘引される。
配偶子形成が減数分裂を伴うのはなぜ?
受精で核相がもとに戻るようにするため
動物と同じ理屈で、n どうしが合わさって 2n になる。
2. 重複受精
根拠: 学習指導要領 生物-(4)-ア-(イ)-㋐
被子植物で、2 個の精細胞がそれぞれ別の相手と受精することを何という?
重複受精
被子植物に特有のしくみ。
重複受精で、卵細胞と受精した精細胞からは何ができる?
胚(2n)
のちに幼芽・胚軸・幼根・子葉になる。
中央細胞と受精した精細胞からは何ができる? 核相は?
胚乳。核相は 3n
極核 2 個(n + n)と精細胞(n)が合わさるため。
種皮は、どの部分からできる? 核相は?
珠皮から。核相は 2n(母親の組織)
受精していないので、母親と同じ遺伝情報をもつ。
果実は、どの部分が発達したもの?
子房
中の胚珠が種子になる。
イネやトウモロコシと、マメ類で種子のつくりが違うのはなぜ?
有胚乳種子は胚乳に、無胚乳種子は子葉に栄養を蓄えるから
マメ類では胚乳の養分が子葉に移される。
3. 胚発生と器官分化
根拠: 学習指導要領 生物-(4)-ア-(イ)-㋐
受精卵が分裂を繰り返して胚になっていく過程を何という?
胚発生
動物と同じ言葉を使うが、植物では細胞が移動しない点が違う。
植物の胚発生で、動物と大きく違う点は?
細胞が移動しないこと
細胞壁があるため、分裂の向きと成長の方向で形が決まる。
被子植物の胚に含まれる部分を挙げると?
幼芽・胚軸・幼根・子葉
それぞれが芽・茎・根・最初の葉になる。
植物で、器官分化が生涯にわたって続くのはなぜ?
分裂組織(分裂能をもつ細胞の集まり)が残り続けるから
茎頂分裂組織と根端分裂組織が、新しい器官を作り続ける。
植物の体細胞 1 個から個体を作れることがある。この性質を何という?
分化全能性
動物より高い分化全能性を保っている。