動物の行動
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (4) ア (ア) ㋑「動物の行動」。
告示は「動物の行動に関する資料に基づいて、行動を神経系の働きと関連付けて理解すること」と
している。
0. どういう論点か
行動は、生まれつき決まっているもの(生得的行動)と、
経験によって変わるもの(学習による行動)に分けて整理します。
| 生得的行動 | 学習による行動 | |
|---|---|---|
| 何で決まるか | 遺伝的なプログラム | 経験 |
| 個体差 | 小さい | 大きい |
| 例 | 走性・かぎ刺激による反応 | 慣れ・刷込み・条件づけ |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 刷込みは学習だが、時期が限られる(生得的な枠の中での学習)
- 走性は「向かう/離れる」で正負が決まる(正の走性は向かう側)
- 慣れは疲れではない(別の刺激には反応するので、感覚や筋肉が疲れたのではない)
1. 生得的行動
根拠: 学習指導要領 生物-(4)-ア-(ア)-㋑
刺激の方向に対して一定の向きに移動する行動を何という?
走性
刺激に向かうものを正の走性、離れるものを負の走性という。
ゴキブリが明るいところから逃げるのは、何の走性?
負の光走性
走性は刺激の種類ごとに、光走性・化学走性・重力走性などと呼ばれる。
特定の行動を引き起こす、決まった刺激を何という?
かぎ刺激(信号刺激)
イトヨの雄が赤い腹部に攻撃行動を示すのが例。
かぎ刺激による行動は、経験によって変わる?
ほとんど変わらない
生まれつき組み込まれており、模型でも同じ反応を引き起こせる。
ミツバチが蜜のありかを仲間に伝える行動は?
ダンス(8 の字ダンス・円形ダンス)
近いときは円形ダンス、遠いときは 8 の字ダンスを踊る。
ミツバチの 8 の字ダンスは、何を伝えている?
餌場の方向と距離
太陽の方向を基準にした角度で方向を、ダンスの速さで距離を伝える。
アリが列を作って餌場へ向かうのは、何によるもの?
フェロモン(道しるべフェロモン)
同種の他個体に働きかける化学物質。
夜行性のガの雄が、遠くの雌を見つけられるのはなぜ?
雌が出す性フェロモンを触角で受け取るから
ごく微量でも受け取れる。
2. 学習による行動
根拠: 学習指導要領 生物-(4)-ア-(ア)-㋑
同じ刺激を繰り返し受けると反応しなくなることを何という?
慣れ
危険でない刺激に反応し続けるのは無駄なので、反応を弱める。
慣れは、感覚器や筋肉が疲れたために起こる?
違う
別の刺激を与えると反応するので、疲労ではない。シナプスでの伝達効率が下がったために起こる。
アメフラシの水管に触れ続けるとえら引っ込め反射が弱まる。この原因は?
シナプスでの神経伝達物質の放出量が減るから
慣れのしくみを、神経のレベルで説明できる例。
生後まもない限られた時期に、見たものを親として追従するようになることを何という?
刷込み(インプリンティング)
カモやガンのひなで知られ、一度成立すると変わりにくい。
刷込みが「学習」に分類されるのはなぜ?
経験によって行動が決まるから
ただし成立する時期が限られており、生得的な枠の中の学習といえる。
イヌにベルの音を聞かせてから餌を与え続けると、音だけでだ液が出るようになる。これを何という?
古典的条件づけ
パブロフの実験として知られる。
レバーを押すと餌が出る経験を重ね、自分から押すようになることを何という?
オペラント条件づけ
自発的な行動と結果が結びつく学習。
行動を神経系の働きと関連付けて理解するとは、どういうこと?
行動の変化を、シナプスの伝達効率の変化として説明できるということ
慣れも条件づけも、最後はニューロンのつながり方の変化に帰着する。