神経系と脳
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (4) ア (ア) ㋐「刺激の受容と反応」。
内容の取扱いは「刺激の受容から反応までの流れを扱うこと。その際、神経系に関連して記憶にも
触れること」を求めている。
0. どういう論点か
受容器と効果器をつないでいるのが神経系です。
問われるのは どこが中枢になるか——大脳を通る道と、通らない道(反射)の区別です。
| ふつうの反応 | 反射 | |
|---|---|---|
| 中枢 | 大脳 | 脊髄・延髄・中脳 |
| 速さ | 遅い | 速い |
| 意識 | ある | 無い(意識より先に起こる) |
| 例 | 見て手を伸ばす | 熱いものに触れて手を引く |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 反射でも、あとから大脳に情報は届く(熱いと感じるのは手を引いたあと)
- 反射の中枢は反射の種類ごとに違う(膝蓋腱反射は脊髄、瞳孔反射は中脳)
- 記憶は大脳と海馬が関わる(短期記憶と長期記憶を分ける)
1. 神経系のつくり
根拠: 学習指導要領 生物-(4)-ア-(ア)-㋐
脊椎動物の神経系は、大きくどう分けられる?
中枢神経系(脳・脊髄)と末梢神経系
末梢神経系は体性神経系と自律神経系に分けられる。
体性神経系と自律神経系の違いは?
体性神経系は感覚と運動(意識的)、自律神経系は内臓のはたらき(無意識的)を担う
自律神経系は交感神経と副交感神経からなる。
大脳・小脳・延髄は、それぞれ何を担当する?
大脳は思考や感覚・随意運動、小脳は体の平衡と運動の調節、延髄は呼吸や心臓の拍動
延髄は生命の維持に直結する。
間脳の視床下部は何を担当する?
体温・血糖濃度・浸透圧などの調節(自律神経系と内分泌系の中枢)
体内環境の維持の司令塔にあたる。
大脳の表面(皮質)は、灰白質と白質のどちら?
灰白質
ニューロンの細胞体が集まっている。内側の白質は軸索が集まった部分。
2. 反射
根拠: 学習指導要領 生物-(4)-ア-(ア)-㋐
大脳を経由せずに起こる、意識と無関係な反応を何という?
反射
中枢は脊髄・延髄・中脳など。
反射で興奮が伝わる経路を何という?
反射弓
受容器 → 感覚神経 → 反射中枢 → 運動神経 → 効果器。
反射がふつうの反応より速いのはなぜ?
大脳を経由しないぶん、経路が短いから
危険から身を守るのに適している。
膝蓋腱反射・屈筋反射の中枢は?
脊髄
脊髄反射と呼ばれる。
だ液の分泌やせきの中枢は? 瞳孔反射の中枢は?
だ液・せきは延髄、瞳孔反射は中脳
反射の種類ごとに中枢が違う。
熱いものに触れて手を引いたあと「熱い」と感じるのはなぜ?
反射で手を引いたあとに、興奮が大脳へ届くから
反射のほうが先に起こる。
3. 記憶
根拠: 学習指導要領 生物-(4)-ア-(ア)-㋐
数十秒から数分で失われる記憶を何という?
短期記憶
電話番号を一時的に覚えているような状態。
長く保たれる記憶を何という?
長期記憶
短期記憶のうち、繰り返されたり意味づけられたりしたものが移行する。
記憶の形成に深く関わる、大脳の内側にある部位は?
海馬
ここが損なわれると、新しい長期記憶を作れなくなる。
長期記憶が保たれているのは、脳のどこ?
大脳皮質
海馬は記憶を作るときに関わり、保管そのものは皮質が担う。
記憶が成立するとき、ニューロンのレベルでは何が変わると考えられている?
シナプスの伝達効率が変化する(シナプスの可塑性)
よく使われる経路は伝わりやすくなる。
自転車の乗り方のように、体で覚えた記憶は?
手続き記憶
言葉で説明できる記憶とは別に扱われ、小脳や大脳基底核が関わる。