物質生産とエネルギーの流れ
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (5) ア (イ) ㋐「生態系の物質生産と
物質循環」。内容の取扱いは「『物質生産』については、年間生産量を生産者の現存量と関連付けて
扱うこと」を求めている。
0. どういう論点か
生産者が 1 年でどれだけ有機物を作ったか(年間生産量)と、
いまどれだけ体として存在しているか(現存量)は、別の量です。
| 量 | 何を表すか |
|---|---|
| 現存量 | ある時点で存在する有機物の量(ストック) |
| 年間生産量 | 1 年間に作られた有機物の量(フロー) |
| 総生産量 | 生産者が光合成で作った有機物の総量 |
| 純生産量 | 総生産量 − 呼吸量 |
| 成長量 | 純生産量 − (被食量 + 枯死量) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 現存量が大きくても、年間生産量が大きいとは限らない(森林は現存量が大きく、生産量の比は小さい)
- 物質は循環するが、エネルギーは循環しない(最後は熱として出ていく)
- 消費者は「同化量」から考える(摂食量から不消化排出量を引いたもの)
1. 現存量と年間生産量
根拠: 学習指導要領 生物-(5)-ア-(イ)-㋐
ある時点で、その場に存在する生物体の有機物の量を何という?
現存量(生物量)
たまっている量であって、作られる速さではない。
1 年間に生産者が作った有機物の量を何という?
年間生産量
現存量とは別の量で、単位に「/ 年」が付く。
森林と草原で、現存量と年間生産量の関係はどう違う?
森林は現存量が非常に大きいが、現存量あたりの年間生産量は小さい
幹など、光合成をしない部分を多く抱えているため。
年間生産量を現存量と関連付けて見ると、何が分かる?
その生態系が、蓄えに対してどれだけの速さで生産しているか
同じ現存量でも、回転の速さは生態系によって違う。
生産者が光合成で作った有機物の総量を何という?
総生産量
ここから呼吸で使った分を引くと純生産量になる。
純生産量の求め方は?
総生産量 − 呼吸量
実際に生態系に残る有機物の量にあたる。
生産者の成長量の求め方は?
純生産量 − (被食量 + 枯死量)
食べられた分と枯れた分を引いた残りが、体として増えた分。
2. 消費者と栄養段階
根拠: 学習指導要領 生物-(5)-ア-(イ)-㋐
消費者の同化量は、どう求める?
摂食量 − 不消化排出量
食べた量そのものではない点に注意。
消費者の成長量は、どう求める?
同化量 − (呼吸量 + 被食量 + 死滅量)
生産者の式と対応している。
生産者・一次消費者・二次消費者…という位置づけを何という?
栄養段階
食物連鎖の中でどこに位置するかを表す。
各栄養段階の個体数や現存量を積み上げた図を何という?
生態ピラミッド
ふつう上の段階ほど小さくなる。
生態ピラミッドが上へ行くほど小さくなるのはなぜ?
各段階で、呼吸として熱に変わる分や、食べられずに終わる分が失われるから
次の段階に渡るのは一部にすぎない。
ある栄養段階が、1 つ下の段階のエネルギーをどれだけ利用できたかの割合を何という?
エネルギー効率
ふつう 10 % 前後といわれる。
3. エネルギーの流れ
根拠: 学習指導要領 生物-(5)-ア-(イ)-㋐
生態系のエネルギーは、もとをたどると何に由来する?
太陽の光エネルギー
生産者が光合成で化学エネルギーに変える。
生態系の中で、エネルギーは循環する?
しない
栄養段階を移るたびに一部が熱となって放出され、最後は生態系の外へ出ていく。
物質とエネルギーの、生態系での扱いの違いを 1 行で言うと?
物質は循環し、エネルギーは流れて出ていく
だからエネルギーは供給され続けなければならない。
菌類や細菌など、遺骸や排出物を分解する生物を何という?
分解者
分解者も消費者の一部で、有機物を無機物に戻す。
分解者がいないと、生態系はどうなる?
有機物がたまり、無機物として生産者に戻らなくなる
物質循環が止まってしまう。