物質循環
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (5) ア (イ) ㋐「生態系の物質生産と
物質循環」。内容の取扱いは「『物質循環』については、炭素と窒素を扱うこと。その際、窒素同化に
ついても触れること」を求めている。
0. どういう論点か
エネルギーが流れて出ていくのに対し、物質は生態系の中をめぐります。
告示が名指ししているのは 炭素 と 窒素 の 2 つです。
| 炭素の循環 | 窒素の循環 | |
|---|---|---|
| 大気中の形 | 二酸化炭素 | 窒素(N₂) |
| 取り込む反応 | 光合成 | 窒素固定 → 窒素同化 |
| 戻す反応 | 呼吸・分解・燃焼 | 脱窒 |
| 直接使えるか | 生産者が直接使える | 大気の N₂ はそのままでは使えない |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 窒素固定と窒素同化は別(固定は N₂ → アンモニウムイオン、同化は無機窒素 → 有機窒素化合物)
- 大気の窒素を使えるのは窒素固定細菌だけ(植物は直接は使えない)
- 炭素は呼吸でも燃焼でも大気に戻る
1. 炭素の循環
根拠: 学習指導要領 生物-(5)-ア-(イ)-㋐
大気中の炭素は、どんな形で存在している?
二酸化炭素(CO₂)
生産者はこれを光合成で取り込む。
炭素が生態系に取り込まれる反応は? 戻る反応は?
取り込むのは光合成、戻すのは呼吸(および分解・燃焼)
生産者・消費者・分解者のいずれも呼吸で炭素を戻す。
炭素は、生物の体の中ではどんな形になっている?
有機物(炭水化物・タンパク質・脂質など)
食物連鎖を通じて上の栄養段階へ渡っていく。
化石燃料の燃焼は、炭素の循環にどう影響する?
長く地中にあった炭素を、短時間で大気に戻す
大気中の二酸化炭素濃度の上昇につながる。
海は炭素の循環でどんな役割を果たしている?
大量の二酸化炭素を溶かし込み、蓄えている
植物プランクトンの光合成も、炭素の取り込みに関わる。
2. 窒素の循環と窒素固定
根拠: 学習指導要領 生物-(5)-ア-(イ)-㋐
窒素は、生物の体の中でどんな物質に使われている?
タンパク質・核酸・ATP・クロロフィルなど
生命活動の中心になる物質に欠かせない。
大気中の窒素(N₂)を、植物はそのまま利用できる?
できない
いったんアンモニウムイオンなどに変えられる必要がある。
大気中の窒素をアンモニウムイオンに変えるはたらきを何という?
窒素固定
窒素固定細菌(根粒菌・アゾトバクター・クロストリジウム)やシアノバクテリアが行う。
マメ科植物がやせた土地でも育つのはなぜ?
根粒菌と相利共生し、窒素化合物を供給してもらえるから
根粒菌は植物から有機物を得る。
土壌のアンモニウムイオンが亜硝酸イオン、硝酸イオンへと酸化される過程を何という?
硝化
硝化菌(亜硝酸菌・硝酸菌)が行い、そのエネルギーで化学合成をする。
硝酸イオンなどを窒素ガスに戻すはたらきを何という?
脱窒
脱窒素細菌が行い、窒素が大気へ戻る。
3. 窒素同化
根拠: 学習指導要領 生物-(5)-ア-(イ)-㋐
植物が無機窒素化合物から有機窒素化合物をつくるはたらきを何という?
窒素同化
アミノ酸、さらにタンパク質や核酸が作られる。
窒素固定と窒素同化の違いは?
窒素固定は N₂ をアンモニウムイオンに変えること、窒素同化は無機窒素化合物から有機窒素化合物をつくること
行う生物も違う(固定は細菌、同化は植物なども行う)。
窒素同化で、アンモニウムイオンは何と結びついてアミノ酸になる?
有機酸(光合成でできた炭素骨格)
グルタミン酸などが作られ、そこから他のアミノ酸へ移される。
動物は窒素同化を行う?
行わない
必要な窒素は、食物として有機窒素化合物の形で取り入れる。
動物が体内で作れないアミノ酸を何という?
必須アミノ酸
食物から取る必要がある。植物や微生物が作ったものに由来する。
炭素と窒素の循環を 1 行で比べると?
炭素は光合成で直接取り込めるが、窒素は固定という一段を経なければ取り込めない
この一段があるために、窒素は生産を制限する要因になりやすい。