光合成
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (2) ア (イ) ㋑「光合成」。
内容の取扱いは「ATP 合成の仕組みを扱うこと。その際、光化学系、電子伝達系及びカルビン回路に
触れること」を求めている。
0. どういう論点か
光合成は、光のエネルギーで ATP 合成 を行い、その ATP を使って
二酸化炭素から有機物を作る同化です。
呼吸と逆向きですが、しくみはよく似ています——膜をはさんだ H⁺ の濃度差で ATP を作る点が同じです。
| 段階 | 場所 | 何が起きるか |
|---|---|---|
| 光化学系Ⅱ → 電子伝達系 → 光化学系Ⅰ | チラコイド膜 | 水の分解・O₂ 発生・ATP と NADPH の生成 |
| カルビン回路 | ストロマ | CO₂ の固定と有機物の合成 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 酸素は水から出る(二酸化炭素からではない)
- 光を直接使うのはチラコイドの反応だけ(カルビン回路は光を直接使わない)
- 番号の順に働くのではない — 電子は光化学系Ⅱ → 光化学系Ⅰの順に流れる
1. 光合成の全体像
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(イ)-㋑
光合成の反応全体を 1 つの式で表すと?
6CO₂ + 12H₂O → C₆H₁₂O₆ + 6O₂ + 6H₂O
水が両辺にあるのは、分解される水と生成する水が別だから。
光合成で発生する酸素は、何に由来する?
水
同位体を使った実験で確かめられている。二酸化炭素由来ではない。
葉緑体の中で、光の反応と CO₂ の固定はそれぞれどこで起こる?
光の反応はチラコイド(膜)、CO₂ の固定はストロマ
チラコイドが積み重なった構造をグラナという。
光合成色素であるクロロフィルは、どの色の光をよく吸収する?
赤色光と青紫色光
緑色光は吸収されにくく反射されるため、葉は緑に見える。
光の波長ごとの吸収の度合いを表したグラフを何という? 光合成の速さを表すほうは?
吸収スペクトルと作用スペクトル
2 つがよく似た形になることが、クロロフィルが光合成を担う根拠になる。
2. チラコイドで起きること
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(イ)-㋑
光エネルギーを吸収して電子を放出する、色素とタンパク質の複合体を何という?
光化学系
光化学系Ⅰと光化学系Ⅱの 2 種類がある。
光合成で、電子は光化学系ⅠとⅡのどちらから流れ始める?
光化学系Ⅱ
Ⅱ → 電子伝達系 → Ⅰ の順に流れる。番号の順と逆なので注意。
水が分解されるのは、どの光化学系? 何が生じる?
光化学系Ⅱ。電子・水素イオン・酸素が生じる
失った電子を補うために水を分解する。
チラコイド膜の電子伝達系では、電子のエネルギーが何に使われる?
水素イオン(H⁺)をストロマからチラコイド内腔へ運ぶことに使われる
膜をはさんだ H⁺ の濃度差ができる。
チラコイドでの ATP 合成のしくみを 1 行で言うと?
H⁺ が濃度勾配に従って ATP 合成酵素を通って戻る流れで ATP を作る
呼吸の電子伝達系とまったく同じ原理(光リン酸化)。
光化学系Ⅰから出た電子は、最終的に何を還元する?
NADP⁺ を還元して NADPH にする
この NADPH がカルビン回路で使われる。
チラコイドの反応でできる、カルビン回路に渡される 2 つのものは?
ATP と NADPH
このあと、どちらもストロマで消費される。
3. カルビン回路
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(イ)-㋑
ストロマで二酸化炭素が固定される反応の経路を何という?
カルビン回路(カルビン・ベンソン回路)
ATP と NADPH を使って有機物を作る。
カルビン回路で二酸化炭素を受け取る物質は? できるものは?
リブロース二リン酸(RuBP)が受け取り、ホスホグリセリン酸(PGA)ができる
炭素数 5 + 1 → 炭素数 3 が 2 分子。
カルビン回路で二酸化炭素を固定する酵素は?
ルビスコ(RuBP カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ)
地球上で最も多いタンパク質といわれる。
カルビン回路は光を直接使う?
使わない
ただしチラコイドから供給される ATP と NADPH が要るので、暗所では続かない。
カルビン回路で ATP と NADPH は何に使われる?
ホスホグリセリン酸を還元して糖(グリセルアルデヒドリン酸)にするのに使われる
一部は RuBP の再生にも ATP が使われる。
光合成でできた有機物は、植物の中でどうなる?
一時的にデンプンとして葉に蓄えられ、スクロースとして各部へ運ばれる
呼吸の基質にも、体を作る材料にもなる。