光合成と環境
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物」の内容 (2) ア (イ) ㋑「光合成」。
同じ㋑の中で、光合成の速さが環境によってどう決まるか、
また炭素の固定のしかたに別の型があることを扱う。
0. どういう論点か
光合成の速さは、足りないものが 1 つでもあればそこで頭打ちになります(限定要因)。
グラフの「立ち上がり」と「頭打ち」が、それぞれ何で決まっているかを読めるようにします。
| グラフの部分 | 限定要因 |
|---|---|
| 弱い光での立ち上がり | 光の強さ |
| 強い光での頭打ち | 二酸化炭素濃度・温度 |
さらに、乾燥した場所では気孔を閉じても光合成を続けるしくみをもつ植物がいます(C₄ 植物・CAM 植物)。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 光合成速度と見かけの光合成速度は違う(呼吸の分だけずれる)
- 光補償点では光合成が止まっているのではない(呼吸と見かけ上つり合っている)
- 陽生植物と陰生植物は「光補償点」と「光飽和点」の両方が違う
1. 光合成の速さを決めるもの
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(イ)-㋑
光合成の速さを制限している要因を何という?
限定要因
光の強さ・二酸化炭素濃度・温度のうち、最も不足しているものが速さを決める。
弱い光のときの限定要因は? 強い光のときは?
弱い光では光の強さ、強い光では二酸化炭素濃度や温度
グラフが直線的に上がる部分と、頭打ちになる部分の違いとして現れる。
見かけの光合成速度とは何を測ったもの?
光合成による吸収量から、呼吸による放出量を差し引いたもの
実際に測定できるのはこちら。
真の光合成速度は、どう求める?
見かけの光合成速度 + 呼吸速度
暗所での CO₂ 放出量を呼吸速度として足す。
光合成速度と呼吸速度がつり合い、見かけ上、気体の出入りが無くなる光の強さを何という?
光補償点
このとき光合成は止まっていない。呼吸と釣り合っているだけ。
光を強くしても光合成速度がそれ以上増えなくなる点を何という?
光飽和点
ここから先は光以外の要因が限定要因になっている。
陽生植物と陰生植物で、光補償点・光飽和点はどちらが高い?
どちらも陽生植物のほうが高い
陰生植物は弱い光でも生育できるかわり、強い光を活かせない。
森林の林床で育つのは、陽生植物と陰生植物のどちら?
陰生植物
光補償点が低く、わずかな光でも成長できるため。
2. C₄ 植物と CAM 植物
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(イ)-㋑
カルビン回路で最初にできる物質が炭素数 3 であることから、ふつうの植物を何という?
C₃ 植物
イネやコムギなど、多くの植物がこれにあたる。
二酸化炭素をまず炭素数 4 の物質に固定してから、カルビン回路へ渡す植物を何という?
C₄ 植物
トウモロコシ・サトウキビなど。高温・強光の環境に適する。
C₄ 植物が、低い二酸化炭素濃度でも効率よく光合成できるのはなぜ?
二酸化炭素を濃縮してからカルビン回路に渡すから
気孔の開き方を抑えても、必要な CO₂ を確保できる。
夜に気孔を開いて二酸化炭素を取り込み、昼に光合成する植物を何という?
CAM 植物
ベンケイソウやサボテンなど、乾燥地の多肉植物に多い。
CAM 植物が夜に CO₂ を取り込むのはなぜ?
昼に気孔を開くと、水が蒸散で失われすぎるから
乾燥への適応。取り込んだ CO₂ は有機酸として蓄えておく。
C₄ 植物と CAM 植物は、CO₂ を濃縮する工夫をどこで分けている?
C₄ 植物は場所で分け(葉肉細胞と維管束鞘細胞)、CAM 植物は時間で分ける(夜と昼)
どちらも最終的にはカルビン回路を使う。
3. 光合成をする細菌と化学合成
根拠: 学習指導要領 生物-(2)-ア-(イ)-㋑
シアノバクテリアの光合成は、植物と同じように酸素を出す?
出す
クロロフィルをもち、水を分解する点まで植物と同じ。
硫黄細菌や紅色硫黄細菌の光合成では、酸素は発生する?
発生しない
水ではなく硫化水素などを使うため、硫黄が生じる。
光を使わず、無機物の酸化で得たエネルギーで有機物を作るはたらきを何という?
化学合成
硝化菌や硫黄細菌などが行う。
硝化菌が行う化学合成では、何を酸化している?
アンモニウムイオンや亜硝酸イオン
窒素循環でも重要な役割を果たす。
光合成と化学合成に共通しているのは何?
二酸化炭素から有機物を合成する(炭酸同化を行う)こと
違いは、そのエネルギーを光から得るか、無機物の酸化から得るか。