適応免疫
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物基礎」の内容 (2) ア (イ) ㋐「免疫の働き」。
免疫応答の概要として、特定の異物を認識して排除する仕組みを扱う。
0. どういう論点か
適応免疫は相手を特定して排除します。攻め方が 2 通りあり、どちらがどちらかが必ず問われます。
| 体液性免疫 | 細胞性免疫 | |
|---|---|---|
| 攻撃するもの | 抗体(B 細胞がつくる) | T 細胞(キラー T 細胞)が直接 |
| 相手 | 体液中の抗原(細菌・毒素) | 感染した細胞・がん細胞・移植片 |
| 主役の細胞 | B 細胞 | キラー T 細胞 |
| 例 | 血清療法・花粉症 | 拒絶反応・ツベルクリン反応 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 抗体をつくるのは B 細胞(形質細胞)(T 細胞は抗体をつくらない)
- ヘルパー T 細胞は「指令役」、キラー T 細胞は「攻撃役」
- 抗原提示をするのは樹状細胞やマクロファージ(自然免疫の細胞が適応免疫の引き金を引く)
1. 抗原と抗体
根拠: 学習指導要領 生基-(2)-ア-(イ)-㋐
免疫反応を引き起こす異物を何という?
抗原
細菌・ウイルス・毒素・花粉など。
抗原と特異的に結合するタンパク質を何という?
抗体
免疫グロブリンというタンパク質でできている。
抗体が抗原と結合して無毒化するはたらきを何という?
抗原抗体反応
結合した抗原はマクロファージなどの食作用で処理される。
抗体は 1 種類でいろいろな抗原に結合できるか?
できない。1 種類の抗体は特定の抗原にだけ結合する
この特異性が、適応免疫が「相手を選ぶ」ことの中身。
2. 体液性免疫
根拠: 学習指導要領 生基-(2)-ア-(イ)-㋐
抗体によって抗原を排除する免疫のしくみを何という?
体液性免疫
体液中に抗体が出されて働くため。
抗体をつくる細胞は?
B 細胞(活性化して形質細胞になり抗体をつくる)
T 細胞は抗体をつくらない。
取り込んだ抗原の情報を T 細胞に伝えるはたらきを何という?また、それを行う細胞は?
抗原提示。樹状細胞やマクロファージが行う
自然免疫の細胞が適応免疫の引き金を引く。
ヘルパー T 細胞のはたらきは?
抗原提示を受けて活性化し、B 細胞やキラー T 細胞のはたらきを促進する(指令役)
自分で攻撃するのではない。
体液性免疫のはたらく順序を言うと?
① 樹状細胞が抗原提示 → ② ヘルパー T 細胞が活性化 → ③ B 細胞が形質細胞になる → ④ 抗体が分泌される → ⑤ 抗原抗体反応
抗体が出るまでに数日かかる。
3. 細胞性免疫
根拠: 学習指導要領 生基-(2)-ア-(イ)-㋐
T 細胞が感染した細胞を直接攻撃する免疫のしくみを何という?
細胞性免疫
抗体を使わない。
細胞性免疫で、感染細胞を直接攻撃する細胞は?
キラー T 細胞
抗体では届かない「細胞の中に入った病原体」に対応できる。
B 細胞・T 細胞はどこでつくられ、どこで成熟する?
どちらも骨髄でつくられる。B 細胞は骨髄で、T 細胞は胸腺で成熟する
名前の B は骨髄(bone marrow)、T は胸腺(thymus)に由来する。
体液性免疫と細胞性免疫を分ける、いちばん確かな見分け方は?
抗体が働いているかどうか
抗体が出て抗原と結合するなら体液性、T 細胞が細胞を直接攻撃するなら細胞性。
移植した皮膚や臓器が脱落する拒絶反応は、どちらの免疫によるもの?
細胞性免疫
キラー T 細胞が移植片の細胞を攻撃する。
免疫が自分の体の成分を攻撃しないのはなぜ?
成熟の過程で、自分の成分に反応するリンパ球が排除されているから(免疫寛容)
この仕組みが崩れると自己免疫疾患が起こる。