免疫記憶と予防接種
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物基礎」の内容 (2) ア (イ) ㋐「免疫の働き」。
免疫応答の概要として、一次応答と二次応答、予防接種を扱う。
0. どういう論点か
一度かかった病気に二度かかりにくいのはなぜかが、この論点です。
答えは「覚えているから」で、グラフの形がそれを示します。
| 一次応答 | 二次応答 | |
|---|---|---|
| いつ | 初めて抗原が入ったとき | 同じ抗原が再び入ったとき |
| 抗体ができるまで | 遅い(数日〜1 週間) | 速い |
| 抗体の量 | 少ない | 多い |
| 理由 | ゼロから増殖する | 記憶細胞が残っている |
引っかけの分かれ目は次の 2 つ。
- 予防接種は「抗原」を入れる。血清療法は「抗体」を入れる(入れるものが逆)
- 予防接種の効果は出るまで時間がかかる(記憶をつくるため。治療には間に合わない)
1. 免疫記憶
根拠: 学習指導要領 生基-(2)-ア-(イ)-㋐
初めて抗原が侵入したときに起こる免疫反応を何という?
一次応答
抗体ができるまで数日から 1 週間ほどかかる。
同じ抗原が再び侵入したときに起こる、速くて強い免疫反応を何という?
二次応答
一次応答より速く、多量の抗体ができる。
二次応答が速く強いのはなぜ?
一次応答のあと、その抗原を認識する記憶細胞が残っているから
ゼロから増殖する必要がない。
一次応答のあと、長く体内に残るリンパ球を何という?
記憶細胞
B 細胞・T 細胞の一部が記憶細胞として残る。
一度はしかにかかると二度はかかりにくいのはなぜ?
記憶細胞が残っていて、再度の侵入に対し二次応答が起こるから
これが免疫記憶。
一次応答と二次応答の抗体量のグラフは、どんな違いになる?
二次応答のほうが、立ち上がりが速く、最大量が多い
同じ抗原を 2 回注射した実験のグラフとして出る。
1 回目と 2 回目で別の抗原を注射すると、2 回目の反応はどうなる?
一次応答になる(速くも強くもならない)
記憶は抗原ごとに別。ここが「相手を選ぶ」ことの確認になる。
2. 免疫のはたらきの利用
根拠: 学習指導要領 生基-(2)-ア-(イ)-㋐
弱毒化した病原体や毒素をあらかじめ接種して免疫記憶をつくる方法を何という?
予防接種
接種するものをワクチンという。
予防接種で体内に入れるのは、抗原か抗体か?
抗原(弱毒化・無毒化した病原体や毒素)
自分に抗体をつくらせ、記憶細胞を残すのが目的。
他の動物などにつくらせた抗体を含む血清を注射して治療する方法を何という?
血清療法
ヘビ毒やジフテリアなど、すでに入った毒素をすぐ無毒化したいときに使う。
血清療法で体内に入れるのは、抗原か抗体か?
抗体
すでに完成した抗体を入れるので、すぐに効く。
予防接種と血清療法の、効果が出るまでの時間と持続の違いは?
予防接種は効果が出るまで時間がかかるが長く持続する。血清療法はすぐ効くが持続しない
記憶細胞が残るかどうかの違い。
すでに毒素が入ってしまった人に予防接種をしても間に合わないのはなぜ?
抗体ができるまでに数日かかるから
だから治療には血清療法を使う。