血糖濃度の調節
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物基礎」の内容 (2) ア (ア) ㋑「体内環境の維持の仕組み」。
内容の取扱いは「血糖濃度の調節機構を取り上げること」「身近な疾患の例にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
指導要領がこの単元で唯一「取り上げること」と名指ししている調節がこれです。
共通テストでも資料の読み取りとして繰り返し出ます。
覚え方は単純で、上げるホルモンは複数、下げるホルモンは 1 つだけです。
| 血糖濃度が低いとき | 血糖濃度が高いとき | |
|---|---|---|
| 感知 | 視床下部(すい臓も直接感知) | 視床下部(すい臓も直接感知) |
| 自律神経 | 交感神経 | 副交感神経 |
| ホルモン | グルカゴン(すい臓 A 細胞)・アドレナリン(副腎髄質)・糖質コルチコイド(副腎皮質)・成長ホルモン | インスリン(すい臓 B 細胞) |
| 体内での働き | グリコーゲンを分解してグルコースにする(糖質コルチコイドはタンパク質から糖をつくる) | グルコースをグリコーゲンに合成し、細胞への取り込みを促進する |
| 結果 | 血糖濃度が上がる | 血糖濃度が下がる |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 下げるホルモンはインスリンだけ(上げるほうは何種類もある。このつくりの違いが問われる)
- インスリンは B 細胞、グルカゴンは A 細胞(すい臓のランゲルハンス島の中で別の細胞)
- 糖尿病はインスリンが「出ない」場合と「効かない」場合がある(Ⅰ型とⅡ型)
1. 血糖濃度とその感知
根拠: 学習指導要領 生基-(2)-ア-(ア)-㋑
血糖濃度とは何の濃度か。ヒトの正常値はおよそどのくらい?
血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度。空腹時は血液 100 mL あたり約 100 mg
食後に上がり、しばらくすると元に戻る。
血糖濃度が一定に保たれていないと困るのはなぜ?
グルコースが細胞の呼吸の材料(エネルギー源)であり、特に脳はこれをほぼ唯一のエネルギー源とするから
低すぎれば意識障害、高すぎれば血管などが傷む。
血糖濃度の変化を感知する中枢はどこ?
視床下部
すい臓のランゲルハンス島の細胞も、自ら血糖濃度を感知する。
2. 血糖濃度が下がったとき
根拠: 学習指導要領 生基-(2)-ア-(ア)-㋑
血糖濃度が低下したとき、はたらく自律神経は?
交感神経
視床下部から交感神経を通じて、すい臓や副腎に指令が伝わる。
すい臓のランゲルハンス島 A 細胞から分泌され、血糖濃度を上げるホルモンは?
グルカゴン
肝臓のグリコーゲンをグルコースに分解させる。
副腎髄質から分泌され、血糖濃度を上げるホルモンは?
アドレナリン
交感神経のはたらきで分泌され、グリコーゲンの分解を促進する。
副腎皮質から分泌され、血糖濃度を上げるホルモンは?またその働きは?
糖質コルチコイド。タンパク質からグルコースをつくらせる
グリコーゲンの分解ではないところが他と違う。
血糖濃度を上げる働きをもつホルモンを 3 つ挙げると?
グルカゴン・アドレナリン・糖質コルチコイド(成長ホルモンも)
上げるホルモンは複数ある。
3. 血糖濃度が上がったとき
根拠: 学習指導要領 生基-(2)-ア-(ア)-㋑
血糖濃度が上昇したとき、はたらく自律神経は?
副交感神経
食後に副交感神経がはたらき、すい臓にインスリンを分泌させる。
すい臓のランゲルハンス島 B 細胞から分泌され、血糖濃度を下げるホルモンは?
インスリン
血糖濃度を下げるホルモンはこれだけ。
インスリンはどのように血糖濃度を下げる?
細胞へのグルコースの取り込みを促進し、肝臓や筋肉でグリコーゲンの合成を促進する
血液中のグルコースが減る。
血糖濃度を下げるホルモンは何種類あるか?
1 種類(インスリン)だけ
上げるほうは複数あるのに、下げるほうは 1 つ。だから不足すると代わりが効かない。
食後の血糖濃度とインスリン濃度のグラフは、どんな関係になる?
血糖濃度が上がった少しあとにインスリン濃度が上がり、その後血糖濃度が下がる
インスリンが「上がったことを受けて出る」ことが読み取れる。
同じグラフでグルカゴンの濃度はどう変化すると考えられる?
食後は低下し、空腹時に上昇する
インスリンと逆向き。血糖濃度が下がったときに出るホルモンだから。
4. 身近な疾患
根拠: 学習指導要領 生基-(2)-ア-(ア)-㋑
血糖濃度が高い状態が続く病気を何という?
糖尿病
尿に糖が出ることがあるためこの名がある。
Ⅰ型糖尿病の原因は?
すい臓の B 細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなること
インスリンの注射が必要になる。
Ⅱ型糖尿病の原因は?
インスリンの分泌量が少ない、または標的細胞がインスリンに反応しにくくなること
生活習慣が関わることが多い。
糖尿病で高血糖が続くと、何が問題になる?
血管が傷み、目(網膜)や腎臓、神経などに障害が起こること
血糖濃度を一定に保つことの意味がここに出る。