生態系のバランス
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物基礎」の内容 (3) ア (イ) ㋑「生態系のバランスと保全」。
内容の取扱いは、生態系のバランスと人為的攪乱を関連付けて理解することを求めている。
0. どういう論点か
生態系は「変わらない」のではありません。変動しながら、一定の幅に収まっている状態です。
問われるのはどこまでが戻れる範囲かです。
| 攪乱の大きさ | 生態系はどうなるか |
|---|---|
| 小さい | 変動するが、もとの状態に戻る(復元力が働く) |
| 大きい | もとに戻らず、別の状態に移る(バランスが崩れる) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 生態系は常に変動している(安定=変化しないこと、ではない)
- 攪乱は自然にも起こる(台風・山火事・洪水。人間の活動だけではない)
- 自然浄化には限度がある(能力を超える量が入るとバランスが崩れる)
1. 変動と復元力
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(イ)-㋑
生態系のバランスが保たれているとは、どんな状態か?
常に変動しながらも、その変動の幅が一定の範囲内に収まっている状態
まったく変化しない状態ではない。
攪乱を受けた生態系がもとの状態に戻る力を何という?
復元力(レジリエンス)
小さな攪乱なら、この力でもとに戻る。
生態系のバランスが崩れるのは、どんなときか?
復元力を超える大きな攪乱を受けたとき
もとに戻らず、別の状態に移る。
自然に起こる攪乱の例を挙げると?
台風・山火事・洪水・火山の噴火
攪乱は人間の活動によるものだけではない。
中規模の攪乱がときどき起こる場所で種多様性が高くなることがあるのはなぜ?
強い競争力をもつ種による独占が妨げられ、多くの種が共存できるから
攪乱が常に悪い働きをするわけではない。
極相林にギャップができることは、攪乱としてどう位置づけられる?
小規模な攪乱として、森林の更新と多様性の維持にはたらく
単元 05 のギャップと同じ現象を、生態系の側から見たもの。
2. 自然浄化とその限界
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(イ)-㋑
河川や湖沼に流入した有機物が、微生物などのはたらきで分解されて水質が保たれることを何という?
自然浄化
生態系がもつ復元力のひとつ。
河川に生活排水が流入すると、まず何が増える?
有機物を分解する細菌などの微生物
分解に酸素を使うため、溶存酸素が減る。
生活排水の流入後、溶存酸素はどう変化する?
いったん減少し、下流で回復する
微生物の分解で消費され、その後藻類の光合成や大気からの溶け込みで戻る。
生活排水が流入した河川で、下流に向かって水質が回復する現象から何が言えるか?
生態系には自然浄化のはたらき(復元力)があること
ただし流入量が多ければ回復しない。
自然浄化の能力を超える有機物が流入すると、何が起こる?
酸素が不足して生物が死に、水質が悪化する(バランスが崩れる)
復元力には限度がある。
湖や海に窒素・リンなどの栄養塩類が増えることを何という?
富栄養化
生活排水や肥料の流入が原因になる。
富栄養化によって起こる現象を 2 つ挙げると?
赤潮(海)とアオコ(水の華)(湖沼)
プランクトンが異常に増え、酸素不足や魚の大量死を招く。