生態系と種多様性
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物基礎」の内容 (3) ア (イ) ㋐「生態系と生物の多様性」。
内容の取扱いは、生物の絶滅にも触れ、「生物間の関係性」については捕食と被食を扱い、
それに起因する間接的な影響にも触れることを求めている。
0. どういう論点か
生態系は生物だけの集まりではありません。環境も含めた 1 つのまとまりです。
| 中身 | |
|---|---|
| 非生物的環境 | 光・水・大気・土壌・温度 |
| 生物的環境(生産者) | 光合成で有機物をつくる(植物・藻類) |
| 生物的環境(消費者) | 他の生物から有機物を得る(動物) |
| 生物的環境(分解者) | 遺骸や排出物を分解する(菌類・細菌) |
そして環境と生物は両方向に影響し合っています。
- 作用 … 非生物的環境 → 生物(日照が植物の成長を決める)
- 環境形成作用 … 生物 → 非生物的環境(森林が土壌をつくる・湿度を保つ)
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 分解者も消費者の一部(有機物を得ている点は同じ。役割で区別している)
- 食物連鎖は「食べる・食べられる」のつながり、食物網はそれが網状になったもの
- 上位の捕食者を取り除くと、種多様性は下がることがある(減るのではなく崩れる)
1. 生態系の構成
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(イ)-㋐
ある地域の生物と、それをとりまく環境を 1 つのまとまりとして見たものを何という?
生態系
生物だけでなく、非生物的環境も含む。
生態系の構成のうち、非生物的環境にあたるものを挙げると?
光・水・大気・土壌・温度など
生物以外の要素すべて。
非生物的環境が生物に影響を与えることを何という?
作用
例: 日照や気温が植物の成長を左右する。
生物が非生物的環境に影響を与えることを何という?
環境形成作用
例: 森林が土壌をつくり、林内の湿度や光を変える。遷移(単元 05)の原動力でもある。
光合成によって無機物から有機物をつくる生物を何という?
生産者
植物・藻類・光合成を行う細菌など。
他の生物を食べて有機物を得る生物を何という?
消費者
草食動物・肉食動物など。
遺骸や排出物の有機物を無機物に分解する生物を何という?またそれは消費者か?
分解者。消費者の一部である
菌類(カビ・キノコ)や細菌。有機物を得ている点は消費者と同じ。
2. 食物連鎖と種多様性
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(イ)-㋐
「食べる・食べられる」という関係のつながりを何という?
食物連鎖
生産者から始まり、消費者へとつながる。
実際の生態系で、食物連鎖が複雑に入り組んだ関係を何という?
食物網
多くの生物が複数のものを食べ、複数のものに食べられる。
食物連鎖の各段階(生産者・一次消費者・二次消費者…)を何という?
栄養段階
生産者が最初の段階。
生態系に多くの種類の生物が存在することを何という?
種多様性
土壌動物の採集や校内の植物調査など、身近な場所でも確かめられる。
土壌動物を環境の違う複数の場所で調べる調査から、何が分かるか?
出現する種類数や個体数が環境によって違うこと(種多様性と環境の関係)
身近な生態系にも多種類の生物がいることが前提になる。
3. 捕食と被食、そして間接的な影響
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(イ)-㋐
他の生物を食べることと、食べられることをそれぞれ何という?
捕食と被食
生物間の関係性の中心。
ヒトデのような上位の捕食者を取り除くと、下位の生物の種数はどうなることがある?
特定の種が増えて他の種を排除し、種数が減ることがある
捕食が種多様性を保っていたことが分かる。
生態系の中で、種多様性の維持に特に大きな影響をもつ種を何という?
キーストーン種
取り除くと生態系全体の構成が大きく変わる。
ラッコがいなくなるとウニが増え、海藻が減る。このような影響を何という?
間接効果(食物連鎖を通じた間接的な影響)
直接食べていない生物にも影響が及ぶ。
食物網が複雑であることは、生態系にとってどんな意味をもつ?
ある種が減っても他の経路が働くため、生態系のバランスが崩れにくいこと
種多様性が高いほうが安定しやすい。
ある種が地球上から、または地域から完全にいなくなることを何という?
絶滅
捕食・被食の関係が崩れることや、生息環境の消失によって起こる。
1 種の絶滅が、その種だけの問題で終わらないのはなぜ?
食物網でつながっている他の種にも、間接効果として影響が及ぶから
種多様性は、種の数ではなく関係のつながりとして効いている。