バイオーム
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物基礎」の内容 (3) ア (ア) ㋐「植生と遷移」。
内容の取扱いは、植生の遷移をバイオームと関連付けて理解することを求めている。
0. どういう論点か
いま見えているバイオームは、遷移を経て成立したものです。
どのバイオームになるかを決めるのは、気温と降水量の 2 つだけです。
| 降水量 | 暖かい ← → 寒い |
|---|---|
| 多い | 熱帯多雨林 → 亜熱帯多雨林 → 照葉樹林 → 夏緑樹林 → 針葉樹林 |
| 中くらい | 雨緑樹林・サバンナ → ステップ |
| 少ない | 砂漠 |
| 極端に寒い | ツンドラ |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 森林になるかどうかは降水量、どんな森林になるかは気温(2 軸を混ぜない)
- 照葉樹林は暖かいところ、夏緑樹林は涼しいところ(名前から向きが読めない)
- 日本の水平分布は南から北へ、垂直分布は低いところから高いところへ、同じ順に並ぶ
1. バイオームを決めるもの
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(ア)-㋐
ある地域の植生と、そこに生活する動物や微生物を含めたまとまりを何という?
バイオーム(生物群系)
相観と気候によって区分される。
バイオームの分布を決めている主な気候の要素を 2 つ挙げると?
年平均気温と年降水量
この 2 つでどのバイオームになるかがほぼ決まる。
森林・草原・荒原のどれになるかを主に決めるのは?
降水量
降水量が多ければ森林、中くらいなら草原、少なければ荒原(砂漠)。
降水量が十分ある地域で、森林の種類を決めているのは?
気温
暖かいほうから熱帯多雨林・照葉樹林・夏緑樹林・針葉樹林と変わる。
いま存在するバイオームは、遷移とどんな関係にある?
遷移を経て成立したもの(多くは極相にあたる)
遷移の到達点が、その気候のもとでのバイオームになる。
2. 世界のバイオーム
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(ア)-㋐
年間を通じて高温多雨な地域に成立し、種類が最も多いバイオームは?
熱帯多雨林
常緑広葉樹が多く、階層構造が発達する。
雨季と乾季があり、乾季に落葉する森林のバイオームは?
雨緑樹林
熱帯・亜熱帯で降水量に季節差がある地域に成立する。
温暖で降水量の多い地域に成立し、クチクラの発達した硬い葉をもつ常緑広葉樹の森林は?
照葉樹林
日本の関東以西の低地に成立する。シイ・カシ・タブノキなど。
冬に落葉する広葉樹の森林のバイオームは?また日本のどこに成立する?
夏緑樹林。東北地方や中部地方の山地など、冷温帯
ブナ・ミズナラなど。名前は「夏に緑」の意味。
亜寒帯に成立し、常緑針葉樹が優占するバイオームは?
針葉樹林
エゾマツ・トドマツなど。種類数は少ない。
熱帯・亜熱帯の草原と、温帯の草原をそれぞれ何という?
サバンナ(熱帯・亜熱帯)とステップ(温帯)
どちらも降水量が森林には足りない地域。
降水量が極端に少ない地域と、極端に寒い地域のバイオームは?
砂漠(降水量が少ない)とツンドラ(寒い)
どちらも荒原に分類される。
3. 日本のバイオーム
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(ア)-㋐
日本のバイオームの分布が主に気温で決まるのはなぜ?
日本はどこでも降水量が十分多く、森林が成立するため
降水量で差がつかないので、気温だけが効く。
緯度の違いによるバイオームの分布を何という?また日本では南から北へどう変わる?
水平分布。亜熱帯多雨林 → 照葉樹林 → 夏緑樹林 → 針葉樹林
沖縄から北海道へ向かう順。
標高の違いによるバイオームの分布を何という?
垂直分布
低いところから高いところへ、水平分布と同じ順に変わる。
本州中部の垂直分布を、低いところから順に言うと?
丘陵帯(照葉樹林)→ 山地帯(夏緑樹林)→ 亜高山帯(針葉樹林)→ 高山帯
気温が標高とともに下がるため、南北の変化と同じ順になる。
高山帯に森林が成立しないのはなぜ?また、その境界を何という?
気温が低すぎて樹木が育たないから。境界を森林限界という
森林限界より上は低木や草本(高山草原)になる。
標高によるバイオームの資料から、遷移との関係として何が言えるか?
環境条件によって遷移の到達点が変わり、森林のほかに草原や荒原になることもある
遷移は必ず森林で終わるのではない。