植生と光の環境
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「生物基礎」の内容 (3) ア (ア) ㋐「植生と遷移」。
内容の取扱いは「植生の遷移には光や土壌などが関係することを扱うこと」を求めている。
0. どういう論点か
遷移が進む理由は、結局のところ光の取り合いです。
その前提として、光の強さに対する植物の性質の違いを押さえます。
| 陽生植物 | 陰生植物 | |
|---|---|---|
| 明るい場所 | よく育つ(光合成速度が大きい) | あまり伸びない |
| 暗い場所 | 育たない | 育つ |
| 光補償点 | 高い | 低い |
| 例 | ススキ・アカマツ・ヤシャブシ | アオキ・ブナ・シイ |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 光補償点が低い=暗いところで生きられる(「低い」と「弱い」を結びつけると逆になる)
- 光補償点は「見かけの光合成速度が 0」になる点(光合成をしていないのではなく、呼吸と釣り合っている)
- 見かけの光合成速度+呼吸速度=(真の)光合成速度
1. 植生の見方
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(ア)-㋐
ある場所に生育する植物の集まり全体を何という?
植生
森林・草原・荒原などに大きく分けられる。
植生を外から見たときの様相(見かけ)を何という?
相観
森林・草原・荒原という区分は相観による区分。
植生の中で、量が多く相観を決めている種を何という?
優占種
ブナ林・スギ林のように、優占種の名で植生をよぶことがある。
発達した森林で見られる、高さによる層の重なりを何という?
階層構造
高木層・亜高木層・低木層・草本層などに分かれる。
階層構造ができるのはなぜ?
上の層が光をさえぎり、下の層ほど弱い光しか届かないため、それぞれの光の強さに合った植物が生育するから
光をめぐる関係が構造として現れている。
森林の地表付近に届く光は、林冠の何 % ほどか?
数 %(数十分の 1)程度
発達した森林の内部は暗い。これが遷移の進み方を決める。
2. 光の強さと光合成
根拠: 学習指導要領 生基-(3)-ア-(ア)-㋐
二酸化炭素の吸収量として測定される光合成の速さを何という?
見かけの光合成速度
同時に呼吸も起こっているため、実際の光合成より小さく測られる。
(真の)光合成速度は、どう表せる?
見かけの光合成速度 + 呼吸速度
グラフでは、光が 0 のときの二酸化炭素放出量が呼吸速度にあたる。
光合成速度と呼吸速度が等しく、見かけの二酸化炭素の出入りが 0 になる光の強さを何という?
光補償点
これより暗いと、植物は生育できない。
光を強くしても光合成速度がそれ以上大きくならなくなる光の強さを何という?
光飽和点
陽生植物のほうが高い。
陽生植物と陰生植物では、光補償点はどちらが高い?
陽生植物
だから暗い林床では育たない。陰生植物は光補償点が低く、暗いところでも生育できる。
陽生植物と陰生植物では、強い光のもとでの光合成速度はどちらが大きい?
陽生植物
明るい場所では陽生植物が速く成長して優位になる。
明るい裸地に最初に生えてくるのは、陽生植物と陰生植物のどちら?
陽生植物
光が十分あるので、成長の速い陽生植物が有利になる。
森林の林床で芽生えて育つことができるのは、どちらの植物?
陰生植物(陰樹の幼木)
光補償点が低いため、弱い光でも生育できる。
同じ木でも、日当たりのよい枝の葉(陽葉)と内側の葉(陰葉)の違いは?
陽葉は厚くて小さく、陰葉は薄くて大きい
弱い光を受け取るために広げるのが陰葉。