みならいノート

物理 2027年度版

素粒子

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理 (4) ア (イ) ㋒「素粒子の存在について知ること。」。

0. どういうまとまりか

物質を細かく分けていくと、原子、原子核、核子(陽子と中性子)にたどり着きます。では、陽子や中性子はそれ以上分けられないのでしょうか。
現在では、陽子や中性子はクォークという粒子 3 個でできていることが分かっています。一方、電子はそれ以上分けられない粒子で、レプトンというなかまに入ります。
このように、物質をつくる最も基本的な粒子を素粒子といいます。素粒子のあいだに働く力も、突きつめると 4 種類にまとまり、それぞれの力を伝える粒子があります。
このノートに計算はほとんどありません。粒子と力の「名前と分類」を、表で整理して押さえます。

分類 粒子 電気量(電気素量 の何倍か) 強い力を受けるか
クォーク アップ(u)、チャーム(c)、トップ(t) 受ける
クォーク ダウン(d)、ストレンジ(s)、ボトム(b) 受ける
レプトン 電子、ミュー粒子、タウ粒子 受けない
レプトン 電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノ 受けない
基本的な力 働く相手 力を伝える粒子
強い力 クォーク グルーオン
電磁気力 電気をもつ粒子 光子
弱い力 クォークとレプトン ウィークボソン
重力 質量(エネルギー)をもつすべての粒子 重力子(見つかっていない)

分かれ目は次の 3 つ。

1. クォークとレプトン

根拠: 学習指導要領 物理-(4)-ア-(イ)-㋒

物質をつくる素粒子は、クォークとレプトンの 2 つのなかまに分かれます。どちらも 6 種類ずつあります。

素粒子とは? 物質をつくる素粒子は、大きく 2 つのなかまに分かれる。何と何か?

物質をつくる最も基本的な粒子で、それ以上分けられないと考えられているもの。クォークとレプトンに分かれる

このほかに、力を伝える粒子(光子など)と、素粒子に質量を与えるはたらきに関わるヒッグス粒子がある。

クォークは何種類あるか? もっている電気量は?

6 種類。アップ・チャーム・トップは電気素量の 倍、ダウン・ストレンジ・ボトムは 倍

電気素量の整数倍でない電気量をもつのが、クォークの特徴である。身のまわりの物質をつくっているのは、アップとダウンの 2 種類。

レプトンは何種類あるか? どんな粒子があるか?

6 種類。電子・ミュー粒子・タウ粒子(電気量は電気素量の 倍)と、それぞれに対応する 3 種類のニュートリノ(電気をもたない)

レプトンは強い力を受けない。ニュートリノは電気ももたないので、物質とほとんど反応せず、地球も通り抜けてしまう。

ハドロンとは? バリオンとメソン(中間子)は、それぞれ何でできているか?

ハドロンは、クォークが強い力で結びついてできた粒子。バリオンはクォーク 3 個、メソンはクォーク 1 個と反クォーク 1 個でできている

陽子と中性子はバリオン。メソンの例は、π 中間子である。

陽子と中性子は、それぞれどのクォークでできているか?

陽子はアップ 2 個とダウン 1 個(uud)。中性子はアップ 1 個とダウン 2 個(udd)

電気量を足すと、陽子は 、中性子は になる。陽子と中性子の違いは、クォーク 1 個がアップかダウンかの違いである。

クォークを、ハドロンから 1 個だけ取り出すことはできるか?

できない。クォークは強い力でハドロンの中に閉じこめられていて、単独では観測されていない

クォークの存在は、高いエネルギーの電子を陽子に当てたときの散乱のしかたなどから確かめられている。

2. 基本的な力と反粒子

根拠: 学習指導要領 物理-(4)-ア-(イ)-㋒

自然界の力は、4 種類の基本的な力にまとめられます。素粒子の世界では、力は「粒子をやりとりすること」で伝わると考えます。

自然界の 4 つの基本的な力を挙げよ。

強い力、電磁気力、弱い力、重力

原子核の中で核子を結びつけている核力は、クォークのあいだに働く強い力がもとになっている。β 崩壊を引き起こすのは弱い力である。

強い力・電磁気力・弱い力を伝える粒子は、それぞれ何か?

強い力はグルーオン、電磁気力は光子、弱い力はウィークボソン

重力を伝える粒子として重力子が考えられているが、まだ見つかっていない。

反粒子とは? 電子の反粒子は何か?

ある粒子と質量が等しく、電気量の符号が逆の粒子。電子の反粒子は、正の電気をもつ陽電子

陽子には反陽子、クォークには反クォークというように、粒子にはそれぞれ反粒子がある。

粒子と反粒子が出会うと、何が起こるか? その逆の現象は?

両方とも消えて、γ 線の光子などに変わる(対消滅)。逆に、高いエネルギーの γ 線などから、粒子と反粒子の組が生まれる(対生成)

消えた質量は、質量とエネルギーの等価性のとおりに、光子のエネルギーになる。電子と陽電子の対消滅は、医療の検査(PET)に利用されている。

素粒子の研究には、粒子を光の速さ近くまで加速して衝突させる加速器が使われます。高いエネルギーで衝突させるほど、質量の大きい粒子をつくり出すことができます。これも の現れです。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物理-(4)-ア-(イ)-㋒

以下、アップクォーク(u)の電気量を電気素量の 倍、ダウンクォーク(d)の電気量を電気素量の 倍とします。反クォークの電気量は、もとのクォークと符号が逆です。

問 1 次の粒子の電気量は、それぞれ電気素量の何倍か。(1) 陽子(uud)。(2) 中性子(udd)。(3) アップクォーク 1 個と反ダウンクォーク 1 個でできたメソン。

(1) 倍 (2) 倍 (3) 倍

方針 粒子の電気量は、中のクォークの電気量の和になる。反ダウンクォークの電気量は、ダウンクォークと符号が逆なので 倍である。

  1. (1) u が 2 個、d が 1 個なので、
  2. (2) u が 1 個、d が 2 個なので、
  3. (3) u が 1 個、反 d が 1 個なので、

ここで間違えやすい (3) で反ダウンクォークの電気量を 倍のままにして、 としてしまうこと。メソンの電気量も、電気素量の整数倍になる。

問 2 β 崩壊では、原子核の中の中性子 1 個が陽子に変わり、電子が飛び出す。(1) このとき、中性子の中のクォークは、どのクォークがどのクォークに変わったか。(2) その変化で、クォークの電気量は電気素量の何倍だけ増えたか。それは飛び出した電子の電気量とどういう関係にあるか。

(1) ダウンクォーク 1 個が、アップクォークに変わった (2) 倍だけ増えた。電子の電気量( 倍)と合わせると、全体の電気量は変わっていない

方針 中性子(udd)と陽子(uud)のクォークの組をくらべて、違うところを探す。電気量は、変わったあとから変わる前を引く。

  1. 中性子は udd、陽子は uud。くらべると、d の 1 個が u に置きかわっている
  2. (1) したがって、ダウンクォーク 1 個がアップクォークに変わった
  3. (2) 電気量の変化は なので、電気素量の 倍だけ増えた
  4. 飛び出した電子の電気量は 倍。合わせると で、反応の前後で電気量の和は変わっていない

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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