みならいノート

物理 2027年度版

気体の内部エネルギー

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理 (1) ア (オ) ㋑「気体の内部エネルギーについて,気体分子の運動と関連付けて理解すること。」。

0. どういうまとまりか

物理基礎では、物体を構成する原子や分子がもつエネルギーの総和を内部エネルギーと呼びました。
理想気体では分子の間に力が働かないので、内部エネルギーは分子の運動エネルギーの和だけになります。
分子 1 個の平均の運動エネルギーは絶対温度で決まるので、理想気体の内部エネルギーも絶対温度だけで決まり、絶対温度に比例します。

単原子分子の理想気体(物質量 、絶対温度 、圧力 、体積 、気体定数 )について、式は次のとおりです。

知りたいもの 式 使う場面
内部エネルギー 物質量と温度が分かっているとき
内部エネルギー(圧力と体積で) 圧力と体積が分かっているとき
内部エネルギーの変化 温度が だけ変わったとき

分かれ目は次の 3 つ。

1. 理想気体の内部エネルギーとは

根拠: 学習指導要領 物理-(1)-ア-(オ)-㋑

内部エネルギーの中身を、分子の運動から見直します。

理想気体の内部エネルギーとは、何の和か?

気体の分子がもつ、熱運動の運動エネルギーの総和

理想気体では分子の間に力が働かないと考えるので、分子の間の力による位置エネルギーが無い。残るのは運動エネルギーだけ。

実在の物体の内部エネルギーと、理想気体の内部エネルギーは、中身がどう違うか?

実在の物体では「熱運動の運動エネルギー」と「分子の間に働く力による位置エネルギー」の和。理想気体では運動エネルギーだけ

液体や固体は分子どうしが近く、位置エネルギーを無視できない。理想気体はこれを無視したので、内部エネルギーが温度だけで決まる。

単原子分子とは? 例を挙げよ。

原子 1 個がそのまま分子としてふるまうもの。ヘリウム、ネオン、アルゴンなど

単原子分子の運動エネルギーは、分子全体が飛び回る運動のエネルギーだけ。水素や酸素のように原子 2 個からなる分子は、回転の運動エネルギーももつ。

2. 単原子分子の理想気体の式

根拠: 学習指導要領 物理-(1)-ア-(オ)-㋑

分子 1 個の平均の運動エネルギー ( はボルツマン定数)に、分子の数を掛ければ内部エネルギーになります。

単原子分子の理想気体 の、絶対温度 での内部エネルギー は? どう導くか?

。分子 1 個の平均の運動エネルギー に、分子の数 を掛ける

で、 なので になる。

単原子分子の理想気体の内部エネルギーを、圧力 と体積 で表すと?

に状態方程式 を入れる。物質量や温度が与えられていなくても、圧力と体積から内部エネルギーが出せる。

単原子分子の理想気体 の温度が だけ変わったとき、内部エネルギーの変化 は?

は温度の差なので、 で測っても で測っても同じ数になる。温度が上がれば は正、下がれば負。

理想気体の内部エネルギーは、温度とどんな関係にあるか?

絶対温度に比例する

絶対温度が 2 倍になれば、内部エネルギーも 2 倍。比例するのは絶対温度に対してであり、セルシウス温度が 2 倍になっても内部エネルギーは 2 倍にならない。

は、どんな気体に使える式か?

単原子分子の理想気体

原子 2 個からなる分子の気体は、回転の運動エネルギーをもつぶん、内部エネルギーが より大きい。その場合も、内部エネルギーが絶対温度に比例することは変わらない。

3. 温度だけで決まるということ

根拠: 学習指導要領 物理-(1)-ア-(オ)-㋑

には、体積も圧力も入っていません。このことが、次のノートで状態変化を調べるときの決め手になります。

一定量の理想気体の体積や圧力を変えた。変化の前後で温度が同じなら、内部エネルギーはどうなっているか?

変わっていない。理想気体の内部エネルギーは、温度だけで決まる

体積が 2 倍になっていても、圧力が半分になっていても、温度が同じなら分子の平均の運動エネルギーが同じで、その和も同じ。

一定量の理想気体を、状態 A から状態 B へ変化させた。内部エネルギーの変化は、途中の変化のさせ方によって変わるか?

変わらない。はじめの温度と終わりの温度だけで決まる

内部エネルギーは、そのときの状態(温度)で決まる量だからである。これに対して、気体が吸収する熱量や、気体がする仕事は、途中の変化のさせ方によって変わる。

一定量の理想気体が、ある変化をして元の状態に戻った。この間の内部エネルギーの変化は?

0

元の状態に戻れば温度も元に戻るので、内部エネルギーも元の値に戻る。途中で熱の出入りや仕事があっても同じ。

断熱材で囲んだ 2 つの容器に、温度の違う理想気体が入っている。容器をつないで気体を混ぜたとき、混ぜる前後で保たれる量は?

内部エネルギーの和と、物質量の和

外部と熱のやり取りが無く、容器全体の体積も変わらないので外部へ仕事もしない。エネルギーの出入りが無いので、2 つの気体の内部エネルギーの和が保存される。混ぜたあとの温度は、この式から求める。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物理-(1)-ア-(オ)-㋑

以下、気体は単原子分子の理想気体とし、気体定数を とします。

問 1 物質量 、温度 の気体がある。(1) 内部エネルギーを求めよ。(2) 温度を にすると、内部エネルギーは何倍になるか。

(1)  (2) 2 倍

方針 物質量と温度が分かっているので、 を使う。内部エネルギーは絶対温度に比例する。

  1. (1) 、 を に入れる
  2. (2) 絶対温度は 倍になった
  3. 内部エネルギーは絶対温度に比例するので、2 倍

問 2 物質量 の気体の温度を、 から に上げた。内部エネルギーの変化を求めよ。

増加した

方針 温度の変化が分かっているので、 を使う。 は温度の差なので、セルシウス温度のまま引いてよい。

  1. 温度の変化は
  2. に値を入れる
  3. が正なので、内部エネルギーは増加した

ここで間違えやすい  に 273 を足して としてしまうこと。273 を足すのは温度そのものを直すときだけで、差には足さない。

問 3 圧力 、体積 の気体がある。(1) 内部エネルギーを求めよ。(2) 圧力を一定に保ったまま、体積を にした。内部エネルギーの変化を求めよ。

(1)  (2) 増加した

方針 物質量も温度も与えられていないが、圧力と体積が分かっているので を使う。(2) は、変化のあとの内部エネルギーを同じ式で求めて、差をとる。

  1. (1) に値を入れる
  2. (2) 変化のあとの内部エネルギーは、
  3. 差をとると、 で、
  4. 差が正なので、内部エネルギーは増加した。圧力一定で体積が増えたので、温度が上がっている

問 4 断熱材で囲んだ容器 A に 、 の気体が、同じく断熱材で囲んだ容器 B に 、 の気体が入っている。2 つの容器を細い管でつないで気体を混ぜ、十分に時間がたった。混ぜたあとの気体の温度を求めよ。

方針 外部との熱のやり取りも仕事も無いので、内部エネルギーの和が保存される。混ぜる前の 2 つの気体の内部エネルギーの和と、混ぜたあとの全体の内部エネルギーを等しいとおく。

  1. 混ぜたあとの温度を とする。物質量の和は
  2. 内部エネルギーの和が保存されるので、
  3. 両辺を で割ると、
  4. 左辺は
  5. について解くと、 で、

ここで間違えやすい 2 つの温度をそのまま平均して としてしまうこと。物質量が違うので、物質量の多い B の温度のほうに寄る。

問 5 物質量 、温度 、圧力 の気体を、温度を一定に保ったまま、体積が 2 倍になるまでゆっくり膨張させた。(1) 内部エネルギーの変化を求めよ。(2) 膨張したあとの圧力を求めよ。

(1) (変化しない) (2)

方針 内部エネルギーは温度だけで決まるので、温度が変わらなければ内部エネルギーも変わらない。圧力は、温度が一定なのでボイルの法則から求める。

  1. (1) 変化の前後で温度は のまま。 なので、
  2. (2) 温度が一定なので、ボイルの法則 が成り立つ
  3. 体積が 2 倍になったので、圧力は 2 分の 1 になる

ここで間違えやすい 体積も圧力も変わったのだから内部エネルギーも変わった、と考えてしまうこと。圧力は半分、体積は 2 倍で、 は同じ値のままである。

このノートの 12 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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