みならいノート

物理 2027年度版

正弦波の式

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理 (2) ア (ア) ㋐「波の伝わり方とその表し方について理解すること。」。

0. どういうまとまりか

物理基礎では、波を - グラフ(ある時刻の波形)と - グラフ(ある点の振動)の 2 枚で表しました。
物理では、この 2 枚を 1 本の式にまとめます。位置 と時刻 を入れると、その点のその時刻の変位 が出る式で、これを波の式(正弦波の式)といいます。
波の式は覚えるものではなく、「原点の振動が、遅れて伝わる」という 1 つの考えから毎回作るものです。
波の進む向きが変わる反射や屈折は、次のノートでホイヘンスの原理を使って扱います。

記号は、振幅 、周期 、波長 、波の速さ です。原点の媒質は、時刻 0 に変位 0 から 軸の正の向きに動きはじめるとします。
このノートで「時刻 0 に動きはじめる」と書くときは、波はすでに 軸の全体に広がっていて、時刻 0 の瞬間に原点の媒質が変位 0 のところをその向きに通り過ぎる、という意味です(時刻 0 に初めて波が出はじめるのではありません)。

何の式か 式
原点()の媒質の振動
軸の正の向きに進む正弦波
軸の負の向きに進む正弦波
位相 の中身の角

分かれ目は次の 3 つ。

1. 波の式を作る

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ア)-㋐

正弦波では、媒質のどの点も同じ単振動をします。違うのは、振動を始める時刻だけです。

原点の媒質が、時刻 0 に変位 0 から 軸の正の向きに動きはじめ、振幅 、周期 で単振動している。時刻 の変位 は?

は単振動の角振動数 。1 周期 たつと の中身がちょうど 進み、もとの状態に戻る。

速さ で 軸の正の向きに進む波で、位置 の媒質の振動は、原点の振動とどういう関係にあるか?

原点より時間 だけ遅れて、同じ振動をする

原点の振動が位置 まで伝わるのに かかる。だから、位置 の時刻 の変位は、原点の時刻 の変位に等しい。

軸の正の向きに進む正弦波の式(波の式)は?

原点の式 の を に置きかえ、 を使って整理した形。

波の式を作る手順を、順に 3 つ言うと?

①原点の媒質の振動を式にする ②正の向きに進む波なら、その式の を に置きかえる ③ ()で整理する

①は問題の条件(時刻 0 での変位と、動きはじめる向き)から決める。

軸の負の向きに進む正弦波の式は? 正の向きの式とどこが違い、なぜそうなるか?

。 の項の符号が正になる。位置 の媒質が、原点より だけ早く同じ振動をするから

負の向きに進む波は、 が正の点を先に通ってから原点に届く。 を に置きかえる。

原点の媒質が、時刻 0 に変位 0 から 軸の負の向きに動きはじめる。正の向きに進む波の式はどうなるか?

原点の振動が になるだけで、あとの手順は同じ。時刻 0 に原点が山(変位 )にあるなら、 から始める。

2. 位相

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ア)-㋐

媒質の各点が、振動のどの段階にあるかを表す量が位相です。位相を使うと、2 つの点の振動のそろい方を数で言えます。

波の式 で、位相とは何か?

の中身の角 。媒質がいま振動のどの状態にあるかを表す

位相が なら山、 なら谷。単位はラジアン。位相が だけ違えば、同じ状態である。

同位相・逆位相とは? 波の進む方向にどれだけ離れた 2 点がそうなるか?

同位相は位相の差が の整数倍で、振動の状態がいつも同じ。波長の整数倍だけ離れた 2 点。逆位相は位相の差が の奇数倍で、変位がいつも逆。半波長の奇数倍だけ離れた 2 点

山と隣の山は同位相、山と隣の谷は逆位相である。

波の進む方向に距離 だけ離れた 2 点の、位相の差は? 位相が遅れているのはどちらの点か?

。波が後から届く点(進む向きの先にある点)のほうが遅れている

1 波長離れるごとに位相は ずれる。距離を波長で割って を掛ければよい。

固定端と自由端での反射を、位相の言葉で言うと?

固定端反射では位相が ずれる(入射波と反射波が端で逆位相になる)。自由端反射では位相はずれない

物理基礎で学んだ「固定端では山が谷になって返り、自由端では山が山のまま返る」を、位相で言いなおしたもの。

3. 式から読み取る

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ア)-㋐

波の式が与えられたら、 の形に直して見比べます。

波の式が の形(、 は正の定数)で与えられた。周期・波長・波の速さはどう読み取るか?

周期は 、波長は 、速さは

と見比べると、 の係数 が (振動数)、 の係数 が 。先に をくくり出しておくこと。

波の式を見て、波の進む向きを見分けるには?

の中の の項と の項の符号が異なれば 軸の正の向き、同じなら負の向き

も も正の向きに進む波。 は負の向きに進む波。

波の式で、時刻 を 1 つの値に固定すると何が得られるか? 位置 を固定すると?

を固定すると、その時刻の波形(- グラフ)。 を固定すると、その点の媒質の振動(- グラフ)

例えば で とすると 。原点のすぐ先( が少し正)は負の変位になっている。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ア)-㋐

問 1 振幅 、周期 の正弦波が、 軸の正の向きに速さ で進んでいる。原点の媒質は、時刻 0 に変位 0 から 軸の正の向きに動きはじめた。位置 〔m〕、時刻 〔s〕での変位 〔m〕を表す式を作れ。

方針 原点の振動を式にし、位置 では だけ遅れることを使って を置きかえる。最後に波長を出して整理する。

  1. 原点の振動は の形。値を入れると
  2. 正の向きに進むので、位置 の媒質は原点より だけ遅れる。 を に置きかえると
  3. 波長は なので、
  4. をかっこの中に入れると、 の項の分母は になり、

問 2  軸上を進む正弦波が、 と表される(、 の単位は m、 の単位は s)。この波の (1) 振幅、(2) 周期、(3) 波長、(4) 速さと進む向きを求めよ。

(1)  (2)  (3)  (4) で、 軸の正の向き

方針  と見比べる。 の係数が 、 の係数が である。

  1. (1) の前の数が振幅なので、
  2. (2) の係数は なので、周期は
  3. (3) の係数は なので、波長は
  4. (4) 速さは なので、
  5. の項と の項の符号が異なるので、進む向きは 軸の正の向き

問 3  軸上を進む正弦波が、 と表される(、 の単位は m、 の単位は s)。この波の (1) 周期、(2) 波長、(3) 速さと進む向きを求めよ。

(1)  (2)  (3) で、 軸の負の向き

方針  の中が になっているので、まず の形に直す。そのあとで係数を読む。

  1. から 2 をくくり出すと、
  2. (1) の係数は なので、周期は
  3. (2) の係数は なので、波長は
  4. (3) 速さは なので、
  5. の項と の項の符号が同じなので、進む向きは 軸の負の向き

ここで間違えやすい  の形に直さずに係数を読み、周期を 、波長を としてしまうこと。

問 4 正弦波が と表される(、 の単位は m、 の単位は s)。(1) 時刻 での、位置 の媒質の変位を求めよ。(2) 同じ時刻での、位置 の媒質の変位を求めよ。(3) この 2 点の位相の差を求め、同位相か逆位相かを答えよ。

(1)  (2)  (3) 位相の差は で、逆位相

方針 式に と を入れて、先に位相( の中身)を計算する。位相の差は、2 点の距離を波長で割って を掛けても出せる。

  1. (1) 位相は
  2. なので、変位は (山)
  3. (2) 位相は
  4. なので、変位は (谷)
  5. (3) 位相の差は
  6. の奇数倍なので逆位相。2 点の距離 が、半波長(波長 の半分)にあたる。

問 5 振幅 、振動数 、波長 の正弦波が、 軸の負の向きに進んでいる。原点の媒質は、時刻 0 に変位 0 から 軸の負の向きに動きはじめた。(1) 波の速さを求めよ。(2) 位置 〔m〕、時刻 〔s〕での変位 〔m〕を表す式を作れ。

(1)  (2)

方針 原点が負の向きに動きはじめるので、原点の振動は の形になる。負の向きに進む波なので、位置 の媒質は原点より だけ早く振動する。

  1. (1) なので、
  2. (2) 周期は なので 。原点の振動は
  3. 負の向きに進むので、 を に置きかえると
  4. をかっこの中に入れると、 の項は になり、

ここで間違えやすい 向きが 2 つ出てくる。「原点が動きはじめる向き」は の前の符号を決め、「波が進む向き」は の項の符号を決める。別々に考える。

このノートの 13 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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