みならいノート

物理 2027年度版

レンズ

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理 (2) ア (ウ) ㋐「光の伝わり方について理解すること。」。

0. どういうまとまりか

レンズは、屈折を利用して光を集めたり広げたりする道具です。
像がどこに、どんな大きさでできるかは、代表的な 3 本の光線を追えば作図で求められ、写像公式を使えば計算で求められます。
このノートは図を持たないので、作図は光線の進み方を言葉で覚え、問題は写像公式で解きます。
扱うのは、厚さを無視できる薄いレンズ 1 枚です。

このノートでは、レンズに対して物体のある側を「前方」、反対側を「後方」と呼びます。
物体からレンズまでの距離を 、レンズから像までの距離を 、焦点距離を として、写像公式は です。
符号の約束は、次の表の 1 つに決めます。

量 正の値にするとき 負の値にするとき
(物体までの距離) レンズの前方に物体がある(このノートではいつも正) (扱わない)
(像までの距離) 像がレンズの後方にできる(実像) 像がレンズの前方にできる(虚像)
(焦点距離) 凸レンズ 凹レンズ

物体の位置と像の関係は次のとおりです( は焦点距離の大きさ)。

レンズ 物体の位置 像の種類 向き 大きさ
凸レンズ 焦点距離の 2 倍より遠い 実像 倒立 物体より小さい
凸レンズ 焦点距離のちょうど 2 倍 実像 倒立 物体と同じ
凸レンズ 焦点と、焦点距離の 2 倍の位置との間 実像 倒立 物体より大きい
凸レンズ 焦点の上 像はできない
凸レンズ 焦点より内側 虚像 正立 物体より大きい
凹レンズ どこでも 虚像 正立 物体より小さい

分かれ目は次の 3 つ。

1. 凸レンズと凹レンズ

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ウ)-㋐

レンズの中心を通り、レンズの面に垂直な直線を光軸といいます。レンズの性質は、光軸に平行な光がレンズを通ったあとどう進むかで決まります。

凸レンズと凹レンズは、形と、光に対するはたらきがどう違うか?

凸レンズは中央が周辺より厚く、光軸に平行な光を集める。凹レンズは中央が周辺より薄く、光軸に平行な光を広げる

どちらも、レンズの面で光が屈折することを利用している。

凸レンズの焦点とは、どんな点か?

光軸に平行な光がレンズを通ったあとに集まる、光軸上の点

レンズの前方と後方に 1 つずつあり、レンズの中心からの距離はどちらも等しい。この距離を焦点距離という。

凹レンズの焦点とは、どんな点か?

光軸に平行な光がレンズを通ったあと、そこから出たかのように広がっていく、レンズの前方にある光軸上の点

光が実際に集まる点ではない。凹レンズにも前方と後方に 1 つずつ焦点があり、レンズの中心からの距離は等しい。

2. 代表的な光線の進み方

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ウ)-㋐

物体の 1 点から出た光は、いろいろな向きに進みます。そのうち、レンズを通ったあとの進み方がすぐ分かる光線が 3 本あります。このうち 2 本を追えば、像の位置が決まります。

凸レンズで、進み方がすぐ分かる 3 本の光線とは?

①光軸に平行に進んできた光線は、後方の焦点を通る ②レンズの中心を通る光線は、そのまま直進する ③前方の焦点を通ってきた光線は、光軸に平行に進む

①と③は、光の進む向きを逆にするとたがいに入れかわる関係にある。

凹レンズで、進み方がすぐ分かる 3 本の光線とは?

①光軸に平行に進んできた光線は、前方の焦点から出たかのように広がって進む ②レンズの中心を通る光線は、そのまま直進する ③後方の焦点に向かって進んできた光線は、光軸に平行に進む

中心を通る光線が直進することは、凸レンズと同じ。

3. 実像と虚像

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ウ)-㋐

像には 2 種類あります。違いは、光が実際にそこに集まっているかどうかです。

実像と虚像の違いは?

実像は、物体の 1 点から出た光が実際に 1 点に集まってできる像で、そこにスクリーンを置くと映る。虚像は、光が実際には集まっておらず、レンズを通った光がそこから出たかのように見える像で、スクリーンには映らない

虚像は、レンズをのぞきこんだときに見える。虫めがねで拡大して見える像は虚像である。

4. 写像公式と倍率

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ウ)-㋐

3 本の光線の作図から、物体・像・焦点の位置のあいだに成り立つ 1 つの式が導けます。符号の約束を守れば、凸レンズにも凹レンズにも、実像にも虚像にも、同じ式が使えます。

レンズの写像公式は?(物体からレンズまでの距離 、レンズから像までの距離 、焦点距離 )

距離そのものではなく、距離の逆数どうしの式である。 を求めるときは、 を計算してから逆数をとる。

写像公式 で、 と の符号はどう約束するか?

は、像がレンズの後方にできる実像なら正、前方にできる虚像なら負。 は、凸レンズなら正、凹レンズなら負

計算の結果 が正なら倒立の実像、負なら正立の虚像と読みとる。

レンズがつくる像の倍率(像の大きさが物体の大きさの何倍か)は、 と でどう表されるか?

が負(虚像)のときも、絶対値をとって倍率にする。倍率が 1 より大きければ拡大、小さければ縮小である。

5. 物体の位置と像

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ウ)-㋐

同じレンズでも、物体をどこに置くかで、像の種類・向き・大きさが変わります。凸レンズでは焦点が境目になります。

凸レンズの焦点の外側(レンズから焦点より遠いところ)に物体を置くと、どんな像ができるか?

レンズの後方に、倒立の実像ができる

写像公式で のとき が正になることに対応する。物体をレンズから遠ざけるほど、像は焦点に近づく。

凸レンズがつくる実像は、物体の位置によって大きさがどう変わるか?

物体が焦点距離の 2 倍の位置より遠ければ物体より小さく、ちょうど 2 倍の位置なら物体と同じ大きさ、それより近ければ(焦点の外側まで)物体より大きい

ちょうど 2 倍の位置では で、倍率が 1 になる。カメラは縮小の実像、プロジェクターは拡大の実像を使う。

凸レンズの焦点の内側(レンズと焦点の間)に物体を置くと、どんな像ができるか?

レンズの前方(物体と同じ側)に、正立で物体より大きい虚像ができる

虫めがねの使い方である。写像公式では が負になる。後方にスクリーンを置いても像は映らない。

凸レンズのちょうど焦点の位置に物体を置くと、像はどうなるか?

像はできない。物体の 1 点から出た光は、レンズを通ったあと平行に進むため

写像公式で とすると となり、 にあたる値が無い。

凹レンズの前方に物体を置くと、どんな像ができるか?

物体をどこに置いても、レンズの前方(物体と同じ側)に、正立で物体より小さい虚像ができる

写像公式で が負なので、 は負にしかならない。像は物体よりレンズに近いところにできる。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物理-(2)-ア-(ウ)-㋐

符号の約束は、冒頭の表のとおりとします。

問 1 焦点距離 の凸レンズの前方 の位置に、物体を置いた。(1) 像ができる位置を求めよ。(2) 像は実像か虚像か、正立か倒立か。(3) 倍率を求めよ。

(1) レンズの後方  (2) 倒立の実像 (3) 倍

方針 写像公式に 、(凸レンズなので正)を入れて を求める。 の符号から像の種類が分かる。

  1. 写像公式を について解くと、
  2. 値を入れると、右辺は
  3. 逆数をとって 。(1) 正なので、像はレンズの後方 にできる。
  4. (2) が正なので、倒立の実像。
  5. (3) 倍率は 。値を入れると、 倍

ここで間違えやすい  を求めたところで止まり、 と答えてしまうこと。最後に逆数をとる。

問 2 焦点距離 の凸レンズの前方 の位置に、物体を置いた。(1) 像ができる位置を求めよ。(2) 像は実像か虚像か、正立か倒立か。(3) 倍率を求めよ。

(1) レンズの前方  (2) 正立の虚像 (3) 倍

方針 物体が焦点の内側にあるので、虚像ができるはずである。写像公式にそのまま値を入れると、 が負になって出てくる。

  1. 写像公式から、
  2. 値を入れると、右辺は
  3. 逆数をとって 。(1) 負なので、像はレンズの前方(物体と同じ側) にできる。
  4. (2) が負なので、正立の虚像。
  5. (3) 倍率は 。値を入れると、 倍

ここで間違えやすい  が負になったのを計算の誤りと考えて、符号を勝手に正に直してしまうこと。負は「虚像」を表している。

問 3 焦点距離の大きさが の凹レンズの前方 の位置に、物体を置いた。(1) 像ができる位置を求めよ。(2) 像は実像か虚像か、正立か倒立か。(3) 倍率を求めよ。

(1) レンズの前方  (2) 正立の虚像 (3) 倍

方針 凹レンズなので、焦点距離を負の値 として写像公式に入れる。あとは凸レンズと同じ手順である。

  1. 写像公式から、
  2. 、 を入れると、右辺は
  3. 逆数をとって 。(1) 負なので、像はレンズの前方 にできる。
  4. (2) が負なので、正立の虚像。
  5. (3) 倍率は 。値を入れると、 倍

ここで間違えやすい 焦点距離を正の のまま入れてしまうこと。そうすると問 1 と同じ式になり、凸レンズの答え(後方 の実像)が出てしまう。

問 4 ある凸レンズの前方 の位置に、高さ の物体を置いたところ、レンズの後方 の位置に置いたスクリーンに、はっきりした像が映った。(1) このレンズの焦点距離を求めよ。(2) スクリーン上の像の高さを求めよ。

(1)  (2)

方針 スクリーンに映ったので実像であり、(正)である。写像公式に と を入れれば が求まる。像の高さは、物体の高さに倍率を掛ける。

  1. 、 を写像公式の左辺に入れると、
  2. これが に等しいので、(1)
  3. 倍率は 。値を入れると、 倍
  4. (2) 像の高さは、物体の高さの 倍なので、
  5. 確かめ。物体の位置 は、焦点距離 とその 2 倍の との間にある。倒立で拡大の実像ができる位置であり、結果と合う。

問 5 物体とスクリーンを 離して固定し、その間に凸レンズを置いた。レンズの位置を調整したところ、スクリーンに、物体の 倍の大きさのはっきりした像が映った。(1) 物体からレンズまでの距離を求めよ。(2) このレンズの焦点距離を求めよ。

(1)  (2)

方針 分からない量は と の 2 つ。条件も「 と の和が 」と「倍率が 」の 2 つあるので、連立して求める。そのあと写像公式で を出す。

  1. スクリーンに映ったので実像で、 は正。物体とスクリーンの間にレンズがあるので、
  2. 倍率が なので 。つまり
  3. 1 の式に入れると 、つまり 。したがって、(1)
  4. から、像までの距離は
  5. 写像公式の左辺に入れると、
  6. これが に等しいので、(2)

ここで間違えやすい  をそのまま や として公式に入れてしまうこと。 は物体から像までの距離で、 と の和である。

このノートの 14 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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