みならいノート

物理 2027年度版

コンデンサーの接続

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理 (3) ア (ア) ㋒「コンデンサーの性質を理解するとともに,電気容量を電界や電位差と関連付けて理解すること。」。

0. どういうまとまりか

複数のコンデンサーをつないだものは、全体を 1 個のコンデンサーとみなせます。そのときの電気容量が合成容量です。
接続のしかたは並列と直列の 2 つで、「何が共通になるか」が入れかわります。

並列接続 直列接続(はじめ電荷が無いとき)
共通な量 電位差 電気量
分かれる量 電気量() 電位差()
合成容量
合成容量の大きさ どのコンデンサーよりも大きい どのコンデンサーよりも小さい
分かれ方 電気量は電気容量に比例 電位差は電気容量に反比例

分かれ目は次の 3 つ。

1. 並列接続

根拠: 学習指導要領 物理-(3)-ア-(ア)-㋒

並列接続では、それぞれのコンデンサーの両端が同じ 2 点につながります。だから電位差がどれも同じになります。

コンデンサーの合成容量とは?

接続した複数のコンデンサーを、同じはたらきをする 1 個のコンデンサーとみなしたときの電気容量

全体にかかる電位差を 、電源から流れこんだ電気量を として、 をみたす のこと。

2 つのコンデンサーを並列に接続したとき、共通になる量は何か?

極板間の電位差。どちらのコンデンサーにも同じ電位差 がかかる

両端が同じ 2 点につながっているから。蓄えられる電気量は 、 で、ふつうは等しくない。

電気容量 、 のコンデンサーを並列に接続したときの合成容量 は?

全体の電気量は 。これを と比べる。3 つ以上でも、そのまま足せばよい。

並列に接続したコンデンサーでは、電気量はどんな割合で分かれるか?

電気容量の比に分かれる()

電位差が共通なので、 から電気量は電気容量に比例する。容量の大きいほうに多くたまる。

2. 直列接続

根拠: 学習指導要領 物理-(3)-ア-(ア)-㋒

直列接続では、コンデンサーが 1 本の道に並びます。あいだにはさまれた部分はどこにもつながっていないので、そこの電気量の和が 0 のまま変わらないことが効いてきます。

電荷を蓄えていない 2 つのコンデンサーを直列に接続して電圧をかけたとき、共通になる量は何か? その理由は?

蓄えられる電気量。2 つのコンデンサーにはさまれた部分は外とつながっておらず、電気量の和がはじめの 0 のままだから

一方のコンデンサーの極板に がたまると、導線でつながったもう一方のコンデンサーの極板には が現れる。だからどちらも電気量は になる。

電気容量 、 のコンデンサーを直列に接続したときの合成容量 は?

(2 個なら )

全体の電位差は 。これを と比べる。

直列に接続したコンデンサーでは、電位差はどんな割合で分かれるか?

電気容量の逆数の比に分かれる()

電気量が共通なので、 から電位差は電気容量に反比例する。容量の小さいほうに大きな電位差がかかる。

並列と直列で、合成容量は、もとのコンデンサーの電気容量と比べてそれぞれ大きいか小さいか?

並列の合成容量は、どのコンデンサーの電気容量よりも大きい。直列の合成容量は、どのコンデンサーの電気容量よりも小さい

計算の答えを確かめるのに使える。直列なのに合成容量がもとより大きくなったら、逆数にもどし忘れている。

3. 抵抗の合成との違い

根拠: 学習指導要領 物理-(3)-ア-(ア)-㋒

合成容量の式は、物理基礎で学んだ合成抵抗の式と、並列と直列が入れかわった形をしています。丸暗記すると取り違えるので、理由と合わせて持っておきます。

合成容量の式と合成抵抗の式は、どういう関係にあるか?

式の形が、並列と直列で逆になる。そのまま足すのは、コンデンサーでは並列、抵抗では直列。逆数を足すのは、コンデンサーでは直列、抵抗では並列

コンデンサーは 、抵抗は で、電位差の付く側が逆になっているから。

平行板コンデンサーの式 で考えると、並列接続と直列接続は、それぞれ何を変えたことにあたるか?

並列接続は極板の面積 を広げたことに、直列接続は極板間隔 を広げたことにあたる

だから並列では容量が増え、直列では容量が減る。同じコンデンサー 2 個なら、並列で 2 倍、直列で 倍になる。

4. 電気量の保存を使う

根拠: 学習指導要領 物理-(3)-ア-(ア)-㋒

スイッチを切りかえてコンデンサーをつなぎかえると、電荷が移動します。このとき手がかりになるのは、電気量の保存です。

コンデンサーをつなぎかえる問題で、電気量の保存はどの部分に使うか?

導線でつながっているが、電池にも接地にもつながっていない部分(孤立した部分)。そこにある極板の電気量の和は、つなぎかえの前後で変わらない

電荷は導線を通ってその部分の中を移動できるが、外へ出ることも、外から入ることもできないから。和をとるときは、極板の電気量を符号つきで足す。

スイッチを切りかえてコンデンサーをつなぎかえる問題は、どんな手順で解くか?

①切りかえる前の各極板の電気量を符号つきで求める ②切りかえたあとの電位差や電気量を文字でおく ③孤立した部分の電気量の和が変わらない式を立てる ④導線でつながった極板は等電位、という条件と合わせて解く

十分に時間がたつと電流は流れなくなり、導線でつながった部分はどこも同じ電位になる。

電気量 を蓄えた電気容量 のコンデンサーと、電気量 を蓄えた電気容量 のコンデンサーを、正の極板どうし、負の極板どうしでつないだ。十分に時間がたったあとの電位差 は?

つないだあとは並列で、電位差が共通になる。正の極板の側の電気量の和が保存されるので 。正の極板と負の極板をつないだときは、分子が差 になる。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物理-(3)-ア-(ア)-㋒

問 1 電気容量 のコンデンサー と のコンデンサー を並列に接続し、 の電池につないだ。(1) 合成容量を求めよ。(2) それぞれのコンデンサーに蓄えられる電気量を求めよ。

(1)  (2) は 、 は

方針 並列接続なので、どちらのコンデンサーにも電池の電圧 がそのままかかる。合成容量はそのまま足し、電気量はコンデンサーごとに で求める。

  1. (1) 並列の合成容量は なので、
  2. (2) どちらにも がかかる。 の電気量は
  3. の電気量は
  4. 確かめ。合計は で、合成容量から求めた と一致する

問 2 電荷を蓄えていない、電気容量 のコンデンサー と のコンデンサー を直列に接続し、 の電池につないだ。(1) 合成容量を求めよ。(2) それぞれのコンデンサーに蓄えられる電気量を求めよ。(3) それぞれのコンデンサーにかかる電位差を求めよ。

(1)  (2) どちらも  (3) は 、 は

方針 直列接続なので、蓄えられる電気量が共通になる。まず合成容量を求め、全体を 1 個のコンデンサーとみて電気量を出す。その電気量から、 でコンデンサーごとの電位差を求める。

  1. (1) 2 個の直列の合成容量は なので、
  2. (2) 全体に がかかるので、電気量は 。直列なので、どちらのコンデンサーもこの値
  3. (3) の電位差は
  4. の電位差は
  5. 確かめ。2 つの電位差を合わせると で、電池の電圧と一致する

ここで間違えやすい 抵抗の直列と同じつもりで としてしまうこと。直列の合成容量は、どちらのコンデンサーの電気容量よりも小さくなる。

問 3 電荷を蓄えていない 3 つのコンデンサー ()、()、()がある。 と を並列に接続し、それに を直列に接続して、全体を の電池につないだ。(1) 全体の合成容量を求めよ。(2) にかかる電位差を求めよ。(3) に蓄えられる電気量を求めよ。

(1)  (2)  (3)

方針 内側の並列部分を先に 1 個にまとめ、それと の直列として全体をまとめる。電気量と電位差は、まとめたのと逆の順(全体、直列の 2 つ、並列の中)にほどいていく。

  1. と の並列部分の合成容量は、
  2. (1) これと の直列なので、全体の合成容量は
  3. 全体に蓄えられる電気量は、。直列なので、並列部分の全体にも にも、この電気量がたまる
  4. (2) の電位差は、
  5. 並列部分の電位差は、( の分と合わせると で、電池の電圧と合う)
  6. (3) には がかかるので、電気量は

問 4 電気容量 のコンデンサー を の電池で充電し、電池から切り離した。次にスイッチを切りかえて、電荷を蓄えていない電気容量 のコンデンサー を の両端につないだ。十分に時間がたったあとについて答えよ。(1) の極板間の電位差を求めよ。(2) から へ移った電気量を求めよ。

(1)  (2)

方針 電池から切り離してあるので、 の正の極板と、それにつないだ の極板とを合わせた部分は孤立している。この部分の電気量の和が変わらない。つないだあとは 2 つのコンデンサーの電位差が等しくなる(並列)ので、それを とおいて式を立てる。

  1. 切りかえる前の の電気量は、。 の電気量は 0
  2. つないだあとの共通の電位差を とすると、電気量は が 、 が
  3. 孤立した部分の電気量の保存から、
  4. (1) について解くと、
  5. (2) つないだあとの の電気量は、。はじめ 0 だったので、これが移った電気量
  6. 確かめ。 に残る電気量は で、 の分と合わせると にもどる

ここで間違えやすい 電位差が のまま変わらないとしてしまうこと。電池を切り離したあとに保たれるのは、電位差ではなく電気量である。

問 5 電気容量 のコンデンサー を で、電気容量 のコンデンサー を で、それぞれ充電して電池から切り離した。十分に時間がたったあとの極板間の電位差を、次のそれぞれの場合について求めよ。(1) 正の極板どうし、負の極板どうしを導線でつないだとき。(2) の正の極板と の負の極板、 の負の極板と の正の極板を導線でつないだとき。

(1)  (2)

方針 どちらの場合も、つないだあとは 2 つのコンデンサーの電位差が等しくなる。導線でつないだ 2 枚の極板は孤立した部分になるので、その電気量の和(符号つき)が保存される。(1) は同じ符号の和、(2) は逆の符号の和になる。

  1. つなぐ前の電気量は、 が 、 が
  2. (1) 正の極板どうしをつないだ部分の電気量の和は、
  3. つないだあとの電位差を とすると なので、
  4. (2) の正の極板()と の負の極板()をつないだ部分の電気量の和は、
  5. つないだあとの電位差を とすると なので、

ここで間違えやすい (2) でも電気量を足して としてしまうこと。正と負の極板をつなぐと、電荷の一部が打ち消しあう。

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