みならいノート

物理基礎 2027年度版

速さと速度

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理基礎 (1) ア (ア) ㋑「物体の運動の表し方について,直線運動を中心に理解すること。」。

0. どういうまとまりか

物体の運動は、「いつ・どこにいるか」で表します。一直線上の運動では、直線に沿って座標軸( 軸)をとり、物体の位置を座標 で表します。
日常では同じ意味で使う「速さ」と「速度」を、物理では区別します。速さは大きさだけの量、速度は速さに向きを合わせた量です。
同じように、進んだ長さを表す道のりと、位置がどちら向きにどれだけ変わったかを表す変位も区別します。

向きを考えない量 向きを含む量 直線上での向きの表し方
道のり(実際に通った長さ) 変位 正の向きを決め、符号で表す
速さ(道のり ÷ 時間) 速度(変位 ÷ 時間) 正の向きに進めば正、逆なら負

分かれ目は次の 3 つ。

1. 速さ

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋑

速さは、単位時間あたりに進む距離です。単位の換算は、このあとの計算で何度も使います。

速さとは? 式と単位は?

単位時間あたりの移動距離。距離 を時間 で進むとき 。単位はメートル毎秒()

変形すると 、。 は「1 秒あたりに何 進むか」を表す。

で表した速さを に直すには? 逆は?

の数値を で割ると 。 の数値に を掛けると

1 時間は 、 は なので、 が換算の数になる。例えば は 。

2. 変位と速度

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋑

位置の変化を、向きを含めて表したものが変位です。速度は、速さに向きを合わせた量で、変位から決まります。

変位とは? 道のりとの違いは?

位置の変化を、向きを含めて表した量。位置が から に変わったとき 。道のりは実際に通った長さで、向きを含まない

変位は最初と最後の位置だけで決まり、途中の道すじによらない。行って戻れば、道のりは増えるが変位は小さくなる。

速度と速さの違いは?

速度は、速さ(大きさ)に運動の向きを合わせた量。速さは速度の大きさで、向きを含まない

同じ でも、東向きと西向きでは速度が違う。速度のように大きさと向きをもつ量をベクトルという。

一直線上の運動で、速度や変位の向きはどう表すか?

先にどちらか一方を正の向きと決め、正の向きなら正、逆向きなら負の符号で表す

東向きを正とすれば、西向きに の速度は 。どちらを正にしてもよいが、1 つの問題の中では変えない。

3. 平均の速度と瞬間の速度

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋑

速度が変わる運動では、「ある時間の間をならした速度」と「ある時刻での速度」を区別します。

時刻 に位置 、時刻 に位置 にいた物体の、平均の速度は?

(変位 ÷ かかった時間)

途中で速くなったり遅くなったりしても、最初と最後の位置と時刻だけで決まる。

瞬間の速度とは?

平均の速度を求める時間 を、きわめて短くとったときの速度。その時刻での速度を表す

単に「速度」といえば瞬間の速度を指す。自動車の速度計が示すのは、瞬間の速さ。

ある点から出発して同じ点に戻ってきたとき、平均の速度と平均の速さはどうなるか?

平均の速度は 0(変位が 0 だから)。平均の速さは「往復の道のり ÷ 時間」で、0 にならない

「平均の速さ」は道のりから、「平均の速度」は変位から求める。問題文がどちらを聞いているかを先に確かめる。

同じ道のりを、行きは速さ 、帰りは速さ で往復したとき、往復の平均の速さの求め方は?

「往復の道のり ÷ 往復にかかった時間」で求める。 ではない

遅いほうの区間に長い時間がかかるので、平均の速さは 2 つの速さの真ん中より小さくなる。

4. 位置と時間のグラフ

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋑

横軸に時刻 、縦軸に位置 をとったグラフを - グラフといいます。速度は、このグラフの傾きとして読み取れます。

- グラフの傾きは、何を表すか?

速度

傾きは「縦軸の変化 ÷ 横軸の変化」で、 になる。傾きが急なほど速い。

- グラフが曲線のとき、平均の速度と瞬間の速度は、それぞれグラフのどこに表れるか?

平均の速度は、グラフ上の 2 点を結ぶ直線の傾き。瞬間の速度は、その時刻の点で引いた接線の傾き

2 点の間隔を縮めていくと、2 点を結ぶ直線は接線に近づく。

- グラフの傾きが 0 のとき、負のとき、物体はそれぞれどういう運動をしているか?

傾きが 0 なら静止している。傾きが負(右下がり)なら、負の向きに進んでいる

右下がりは「遅くなっている」ではない。位置 が減っている、つまり逆向きに進んでいることを表す。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋑

問 1 (1) は何 か。 (2) は何 か。

(1)  (2)

方針  は 、1 時間は 。 から へは で割り、逆は を掛ける。

  1. (1) 1 時間に 、つまり に 進む速さなので、
  2. 換算の数を使っても同じ。
  3. (2) に 進むので、 では 、つまり 進む
  4. 換算の数を使っても同じ。

ここで間違えやすい 掛けるか割るかを逆にすること。同じ速さなら の数値のほうが小さい、と覚えておくと確かめられる。

問 2 東西にのびるまっすぐな道で、A さんが東へ 進んだあと、向きを変えて西へ 戻った。かかった時間は全部で だった。東向きを正として、(1) 道のりと変位、(2) 平均の速さと平均の速度を求めよ。

(1) 道のり 、変位は東向きに  (2) 平均の速さ 、平均の速度は東向きに

方針 道のりは通った長さをそのまま足す。変位は向きに符号を付けて足す。平均の速さは道のりから、平均の速度は変位から求める。

  1. 道のりは、向きに関係なく足して
  2. 東向きが正なので、東へ は 、西へ は 。変位は で、正なので東向き
  3. 平均の速さは「道のり ÷ 時間」で、
  4. 平均の速度は「変位 ÷ 時間」で、。正なので東向き

ここで間違えやすい 平均の速度を道のりの から求めること。速度は向きを含むので、向きを含む変位から求める。

問 3  軸上を進む物体が、時刻 に位置 、時刻 に位置 を通過した。この間の平均の速度を求めよ。

軸の正の向きに

方針 平均の速度は「変位 ÷ かかった時間」。位置も時刻も、あとの値から前の値を引く。

  1. 変位は
  2. かかった時間は
  3. 平均の速度は
  4. 値が正なので、向きは 軸の正の向き

ここで間違えやすい 位置 を時刻 で割って としないこと。割るのは位置や時刻そのものではなく、その変化。

問 4 家と駅は 離れている。B さんは、行きは速さ 、帰りは速さ で、家と駅の間を往復した。駅で止まっていた時間は考えないものとして、往復の平均の速さと平均の速度を求めよ。

平均の速さ 、平均の速度

方針 平均の速さは「往復の道のり ÷ 往復の時間」。行きと帰りの時間を別々に出して足す。平均の速度は変位から求める。

  1. 行きにかかる時間は
  2. 帰りにかかる時間は
  3. 往復の時間は 、往復の道のりは
  4. 平均の速さは
  5. 家に戻ったので変位は 0。平均の速度は

ここで間違えやすい 2 つの速さを足して 2 で割り、 とすること。遅い帰りのほうに長い時間がかかるので、平均は より小さくなる。

問 5  軸上を動く物体の - グラフが、次の 3 本の線分でできている。時刻 から までは、位置 から まで一定の割合で増える。 から までは、位置 のまま変わらない。 から までは、位置 から まで一定の割合で減る。(1) 3 つの区間の速度をそれぞれ求めよ。(2) 間の道のりと平均の速度を求めよ。

(1) 順に 、、 (2) 道のり 、平均の速度

方針 - グラフの傾きが速度。区間ごとに「位置の変化 ÷ 時間の変化」を計算する。道のりは、進んだ長さを向きに関係なく足す。

  1. 1 つ目の区間の傾きは
  2. 2 つ目の区間は位置が変わらないので、傾きは 0。物体は止まっている
  3. 3 つ目の区間の傾きは 。負なので、 軸の負の向きに進んでいる
  4. 道のりは、正の向きに 、負の向きに 進んだので
  5. 最初と最後の位置がどちらも 0 なので変位は 0。平均の速度は 0

ここで間違えやすい 3 つ目の区間を「減速している」と読むこと。右下がりの直線は、一定の速さで逆向きに進んでいることを表す。

このノートの 12 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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