みならいノート

物理基礎 2027年度版

物理量と有効数字

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理基礎 (1) ア (ア) ㋐「身近な物理現象について,物理量の測定と表し方,分析の手法を理解すること。」。

0. どういうまとまりか

長さ・質量・時間のように、測って数値で表せる量を物理量といいます。物理量は「数値 × 単位」で書き、単位を落とした数だけでは意味が決まりません。
測定値には必ず誤差があるので、「どの桁まで信用できるか」を数字の書き方で示します。これが有効数字です。
ここで学ぶ書き方と計算の決まりは、このあとのすべてのノートで使います。

場面 決まり 例
桁数を数える 0 でない最初の数字から数える。末尾の 0 も数える は 3 桁
桁数をはっきり書く の形にする()
掛け算・割り算 桁数が最も少ない測定値に合わせる は 2 桁で
足し算・引き算 末位が最も高い測定値に合わせる は小数第 1 位までで

分かれ目は次の 3 つ。

1. 物理量と単位

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋐

物理量は数値と単位の組で表します。単位は世界共通の国際単位系(SI)を使い、基本単位を組み合わせてほかの単位を作ります。

物理量とは? どう書き表すか?

測定して数値で表せる量。数値と単位の積で書く

長さ 、時間 のように書く。単位が違えば同じ量でも数値が変わるので、単位を落とさない。

国際単位系(SI)で、長さ・質量・時間の基本単位は?

長さはメートル()、質量はキログラム()、時間は秒()

SI の基本単位は全部で 7 つあり、ほかに電流のアンペア()、温度のケルビン()などがある。

組立単位とは? 速さと密度の組立単位は?

基本単位を掛けたり割ったりして作る単位。速さは 、密度は

単位は物理量の定義の式と同じ形になる。速さは「距離 ÷ 時間」なので を で割る。

単位の前に付ける接頭語 (キロ)、(センチ)、(ミリ)は、それぞれ何倍を表すか?

は 倍、 は 倍、 は 倍

計算の前に基本単位にそろえる。ほかに (メガ)は 倍、(マイクロ)は 倍。

2. 測定値と誤差

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋐

どんなに注意して測っても、測定値は真の値とぴったりには一致しません。だから測定値は「どの桁まで読んだか」が分かるように書きます。

測定の誤差とは?

測定値と真の値との差

測定器の精度や目盛りの読み取り方によって必ず生じる。同じ測定を繰り返して平均をとると、ばらつきの影響を小さくできる。

目盛りのある測定器は、どの桁まで読み取るか?

最小目盛りの まで、目分量で読み取る

最小目盛りが のものさしなら、 のように の位まで読む。最後の桁には誤差が含まれる。

3. 有効数字の桁数と書き方

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋐

測定で読み取った意味のある数字が有効数字です。桁数は、数字の書き方だけで読み手に伝わるようにします。

有効数字とは? 桁数はどう数えるか?

測定で得られた意味のある数字。0 でない最初の数字から、最後の数字までを数える

は 2、5、0 の 3 桁。左側の 0 は位取りを示すだけなので数えず、末尾の 0 は読み取った数字なので数える。

有効数字の桁数をはっきり示す書き方は?

の形で書く。 は 1 以上 10 未満の数で、 の桁数が有効数字の桁数

は 、光の速さは のように書く。大きい数・小さい数も短く書ける。

測定値を「」と書くと、何が困るか? どう書けばよいか?

末尾の 0 が読み取った数字か位取りかが分からず、有効数字の桁数が決まらない。(2 桁)や (3 桁)と書く

と も同じではない。 は小数第 1 位まで読み取ったことを表す。

4. 計算での有効数字

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋐

測定値どうしを計算した結果は、もとの測定値より細かくは信用できません。掛け算・割り算と、足し算・引き算とで、そろえ方が違います。

測定値どうしの掛け算・割り算では、結果の有効数字をどうするか?

有効数字の桁数が最も少ない測定値に、桁数を合わせる

縦 (2 桁)、横 (3 桁)の面積は、 を 2 桁に丸めて 。

測定値どうしの足し算・引き算では、結果の有効数字をどうするか?

末位が最も高い測定値に、末位を合わせる(桁数ではなく、位でそろえる)

は、 の末位である小数第 1 位までに丸めて 。桁数は 3 桁と 3 桁なのに、結果も 3 桁になる。

計算の途中の値と、式に出てくる「2 倍」「」のような数は、有効数字でどう扱うか?

途中の値は 1 桁多く残し、最後に 1 回だけ丸める。「2 倍」や は測定値ではないので、桁数を数えるときに含めない

途中で丸めると、丸めの誤差が積み重なる。式の係数や個数は誤差のない数として扱う。

5. 表とグラフ

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋐

測定した値は表にまとめ、グラフにして 2 つの物理量の関係を読み取ります。グラフは、点をつなぐのではなく、点の並び方の傾向を線にします。

測定値をグラフにするときの描き方は?

横軸に変化させた量、縦軸に測定した量をとり、軸に物理量と単位を書く。測定点を打ち、点のばらつきの真ん中を通るように、なめらかな直線か曲線を引く

測定点には誤差があるので、点を折れ線でつながない。線の上下に点が同じくらい散らばるように引く。

グラフが原点を通る直線になったとき、2 つの量の関係は? 傾きはどこから読むか?

縦軸の量は横軸の量に比例する。傾きは、測定点そのものではなく、引いた直線の上の離れた 2 点から読む

傾きは比例定数で、単位は「縦軸の単位 ÷ 横軸の単位」。横軸が時間、縦軸が位置なら、傾きは速さを表す。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(ア)-㋐

問 1 次の測定値の有効数字は、それぞれ何桁か。
(1)  (2)  (3)  (4)

(1) 3 桁 (2) 2 桁 (3) 4 桁 (4) 1 桁

方針 0 でない最初の数字から最後の数字までを数える。左側の 0 は位取りなので数えず、末尾の 0 は数える。 の形は の桁数を見る。

  1. (1) 左の「0.0」は位取り。数えるのは 2、5、0 の 3 つなので 3 桁
  2. (2) にあたる は 6、0 の 2 つなので 2 桁
  3. (3) 最初の 1 から末尾の 0 まで、1、0、0、0 の 4 つなので 4 桁
  4. (4) 左の「0.」は位取り。数えるのは 4 だけなので 1 桁

ここで間違えやすい (1) を 2 桁、(3) を 1 桁としてしまうこと。小数点より右の末尾の 0 は、そこまで読み取ったという意味なので消せない。

問 2 次の値を、()の形で表せ。
(1)  (2) を有効数字 3 桁で (3) を有効数字 2 桁で

(1)  (2)  (3)

方針 小数点を、最初の 0 でない数字のすぐ右まで動かす。左に動かした回数が 、右に動かしたら は負。そのあとで を指定の桁数に丸める。

  1. (1) 小数点を右へ 3 回動かすと 。 で、末尾の 0 は残す
  2. (2) 小数点を左へ 4 回動かすと 。 で、3 桁なので まで書く
  3. (3) 小数点を左へ 5 回動かすと 。
  4. を 2 桁に丸める。3 桁目の 9 を四捨五入すると繰り上がって になるので、

ここで間違えやすい (3) を と書くこと。これは有効数字 1 桁の意味になる。2 桁なら の 0 を書く。

問 3 ある金属のかたまりの質量を測ると 、体積を測ると だった。この金属の密度は何 か。

方針 密度は「質量 ÷ 体積」。割り算なので、有効数字の桁数が少ないほうの測定値に合わせる。

  1. 有効数字は、質量 が 3 桁、体積 が 2 桁。答えは 2 桁にする
  2. 1 桁多い 3 桁まで計算する。
  3. 3 桁目の 2 を四捨五入して、

ここで間違えやすい 電卓の表示どおりに と細かく書くこと。体積が 2 桁しか分かっていないので、3 桁目より先に意味はない。

問 4 次の測定値の計算をせよ。
(1)  (2)  (3)

(1)  (2)  (3)

方針 足し算・引き算は、桁数ではなく末位でそろえる。2 つの測定値のうち、末位が高いほう(粗いほう)の位までに丸める。

  1. (1) そのまま計算すると
  2. の末位は小数第 1 位、 は小数第 2 位。高いほうの小数第 1 位までに丸めて
  3. (2) そのまま計算すると 。 の末位である小数第 1 位までに丸めて
  4. (3) そのまま計算すると 。 の末位である小数第 1 位までに丸めて

ここで間違えやすい (3) は 3 桁と 2 桁の引き算なのに、答えは 1 桁になる。近い値どうしを引くと有効数字の桁数が減るので、掛け算の決まり(少ないほうの桁数に合わせる)を当てはめて としない。

問 5 まっすぐな道を進む台車の位置を ごとに測ったところ、時刻 、、、、 での位置は、順に 、、、、 だった。横軸に時刻、縦軸に位置をとって点を打つと、原点を通る直線のまわりに並んだ。点のばらつきの真ん中を通るように引いた直線は、時刻 で位置 の点を通った。この直線の傾きを求め、それが何を表すかを答えよ。

傾きは 。台車の速さを表す

方針 傾きは「縦軸の変化 ÷ 横軸の変化」。測定点ではなく、引いた直線の上の離れた 2 点(ここでは原点と、時刻 の点)から読む。

  1. 直線の上の 2 点は、時刻 で位置 の点と、時刻 で位置 の点
  2. 縦軸の変化は 、横軸の変化は
  3. 傾きは
  4. 単位が「位置の単位 ÷ 時間の単位」なので、傾きは 1 秒あたりに進む距離、つまり速さを表す

ここで間違えやすい 測定点 1 つだけを使って としないこと。1 つの点には誤差がそのまま入る。直線を引くのは、全部の点を使って誤差をならすため。

このノートの 14 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

速さと速度 次

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