みならいノート

物理基礎 2027年度版

気柱の共鳴

みならいノートで覚える(無料)

このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理基礎 (2) ア (ア) ㋑「気柱の共鳴に関する実験などを行い,気柱の共鳴と音源の振動数を関連付けて理解すること。また,弦の振動,音波の性質を理解すること。」。内容の取扱いは「波の反射,共振,うなりなどを扱うこと」としています。

0. どういうまとまりか

管の中の空気を気柱といいます。管の口で音を鳴らすと、音波が管の端で反射して戻り、行きの波と重なって定在波ができます。
弦と同じように、端の条件に合う波長の定在波だけが大きく育ちます。これが気柱の固有振動で、音源の振動数が気柱の固有振動数に一致すると、気柱が大きく振動して音が大きく聞こえます(共鳴)。

一端が閉じた管を閉管、両端が開いた管を開管といいます。管の長さを 、音の速さを とすると、次のようになります。

閉管 開管
端の条件 閉じた端が節、開いた端が腹 両端が腹
管の長さと波長 は の奇数倍 は の整数倍
基本振動の波長
固有振動数 () ()
倍音 基本音の奇数倍だけ 基本音の整数倍すべて

分かれ目は次の 3 つ。

1. 気柱にできる定在波

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ア)-㋑

気柱の定在波は縦波の定在波です。腹と節の意味を、空気の動きで押さえます。

気柱とは? 気柱に定在波ができるのはなぜか?

管の中の空気を気柱という。管に入った音波が管の端で反射し、逆向きに進む音波どうしが重なり合うので、定在波ができる

音波は、閉じた端だけでなく、開いた端でも反射する。

閉管とは? 開管とは?

閉管は、一端が閉じていて他端が開いている管。開管は、両端が開いている管

水を入れた管や試験管は、水面や底が閉じた端になるので閉管。両端のあいた筒は開管。

気柱の定在波で、管の閉じた端と開いた端は、それぞれ腹か節か? 理由は?

閉じた端は節、開いた端は腹。閉じた端では壁にさえぎられて空気が管の長さの方向に動けず、開いた端では空気が自由に動けるから

音は縦波で、空気は管の長さの方向に振動する。閉じた端は固定端、開いた端は自由端と同じ役割をする。

気柱の定在波の腹と節では、空気の動きと密度の変化は、それぞれどうなっているか?

腹では空気が最も大きく振動し、密度はほとんど変化しない。節では空気は振動せず、密度の変化が最も大きい

節には、両側の空気が同時に押し寄せたり遠ざかったりするので、密と疎が大きく入れかわる。

2. 閉管の固有振動

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ア)-㋑

閉管では、一端が節で他端が腹になります。節から隣の腹までは 4 分の 1 波長なので、管の長さは 4 分の 1 波長の奇数倍に限られます。

長さ の閉管の基本振動で、波長と振動数は? 音の速さを とする。

波長は 、振動数は

閉じた端の節から、開いた端の腹までが 。 から 。

長さ の閉管の固有振動の波長と振動数を、一般の形で書くと?

、()

が基本振動、 が 3 倍振動、 が 5 倍振動。 は奇数だけをとる。

閉管に、2 倍振動や 4 倍振動(偶数倍の振動)が無いのはなぜか?

一端が節、他端が腹になるには、管の長さが の奇数倍でなければならないから

節から 進むと腹、 進むと節、 進むと腹。腹で終わるのは奇数倍のときだけ。

3. 開管の固有振動

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ア)-㋑

開管では両端が腹になります。腹から隣の腹までは半波長なので、形の上では弦の「節」を「腹」に置きかえたものになります。

長さ の開管の基本振動で、波長と振動数は? 音の速さを とする。

波長は 、振動数は

両端が腹で、中央に節が 1 個。腹から腹までが なので、 から 。

長さ の開管の固有振動の波長と振動数を、一般の形で書くと?

、()

式の形は弦と同じで、整数倍がすべて現れる。違いは、 が空気中の音の速さであることと、両端が節ではなく腹であること。

同じ長さの閉管と開管では、基本音はどちらが高いか?

開管。基本振動数は閉管の 2 倍になる

閉管は 、開管は 。開管の一端をふさいで閉管にすると、基本音は 1 オクターブ低くなる。

4. 気柱の共鳴の実験

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ア)-㋑

振動数の分かっているおんさを管口で鳴らし、管の中の水面を上下させて気柱の長さを変えます。共鳴する長さを測ると、音の波長と速さが求められます。

気柱の共鳴とは? どんなときに起こるか?

気柱が大きく振動して、音が大きく聞こえる現象。音源の振動数が、気柱の固有振動数のどれかと一致したときに起こる

共振(共鳴)の 1 つ。振動数が決まった音源を使うときは、気柱の長さのほうを変えて、固有振動数を音源に合わせる。

開口端補正とは?

開いた端の定在波の腹は、管口より少し外側にある。この、管口から腹までのわずかな距離を開口端補正という

このため、閉管の基本振動で、気柱の長さは よりも少し短い。問題文に「開口端補正は無視する」とあれば、腹は管口にあるとしてよい。

気柱の共鳴の実験で、水面を管口から下げていくと、管口からの距離が で 1 回目、 で 2 回目の共鳴が起きた。音の波長 は?

共鳴するときの水面は節。1 回目と 2 回目の水面の位置は隣り合う節なので、その間隔 が半波長になる。差をとるので、開口端補正の影響を受けない。

気柱の共鳴の実験で波長 を求めた後、音の速さと開口端補正は、それぞれどう求めるか?

音の速さは、おんさの振動数 を使って 。開口端補正は

1 回目の共鳴では、管口の外の腹から水面の節までが 。これと、測った との差が開口端補正になる。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ア)-㋑

問 1 長さ の閉管がある。音の速さを とし、開口端補正は無視する。この気柱の基本振動数を求めよ。また、その次に小さい固有振動数を求めよ。

基本振動数は 。次の固有振動数は

方針 閉管の基本振動は、管の長さが 4 分の 1 波長。波長を求めて を使う。閉管の固有振動数は基本振動数の奇数倍なので、次は 3 倍。

  1. 基本振動では なので、。計算すると で、波長は
  2. 基本振動数は
  3. 閉管の固有振動数は基本振動数の 1 倍、3 倍、5 倍、…なので、次は 3 倍振動。
  4. その振動数は

ここで間違えやすい 次の固有振動数を、2 倍の としない。閉管に偶数倍の振動は無い。

問 2 長さ の開管がある。音の速さを とし、開口端補正は無視する。この気柱の基本振動数と、2 倍振動の振動数を求めよ。

基本振動数は 。2 倍振動は

方針 開管の基本振動は、管の長さが半波長。波長を求めて を使う。開管の固有振動数は基本振動数の整数倍。

  1. 基本振動では なので、。計算すると で、波長は
  2. 基本振動数は
  3. 2 倍振動の振動数は

ここで間違えやすい 閉管の式 を使わない。両端が開いているので、両端が腹で、管の長さは半波長。

問 3 水を入れたガラス管の管口で、振動数 のおんさを鳴らし、水面をゆっくり下げていった。管口から水面までの距離が のときに 1 回目、 のときに 2 回目の共鳴が起きた。音の波長、音の速さ、開口端補正を求めよ。

波長 、音の速さ 、開口端補正

方針 共鳴するときの水面は節で、1 回目と 2 回目の水面は隣り合う節。その間隔が半波長になる。開口端補正は、4 分の 1 波長と 1 回目の距離との差。

  1. 隣り合う節の間隔は
  2. これが半波長なので、波長は
  3. 音の速さは
  4. 4 分の 1 波長は
  5. 開口端補正は

ここで間違えやすい 1 回目の距離だけを使って、波長を から としない。腹は管口の外にあるので、 は 4 分の 1 波長より短い。

問 4 問 3 の実験で、さらに水面を下げていくと、3 回目の共鳴が起こる。そのときの管口から水面までの距離を求めよ。

方針 共鳴するときの水面は節で、節は半波長ごとに並ぶ。2 回目の位置から、さらに半波長だけ下がったところが 3 回目。

  1. 問 3 から、半波長は
  2. 3 回目の距離は

ここで間違えやすい 1 回目の を 3 倍して としない。開口端補正があるので、共鳴する長さは 1 回目の整数倍にならない。

問 5 長さ の閉管の管口にスピーカーを置き、音の振動数を 0 から少しずつ大きくしていった。音の速さを とし、開口端補正は無視する。1 回目に共鳴する振動数と、2 回目に共鳴する振動数を求めよ。また、2 回目の共鳴のとき、気柱にある節の数を答えよ。

1 回目は 、2 回目は 。節は 2 個

方針 共鳴するのは、音の振動数が気柱の固有振動数に一致したとき。閉管の固有振動数は、基本振動数の奇数倍の順に並ぶ。

  1. 基本振動の波長は 。計算すると で、
  2. 基本振動数は 。これが 1 回目。
  3. 閉管の次の固有振動は 3 倍振動なので、2 回目は
  4. 3 倍振動では、管の長さが の 3 個ぶん。閉じた端から順に、節、腹、節、腹(管口)と並ぶ。
  5. よって、節は 2 個(腹も 2 個)。

ここで間違えやすい 管の長さを変える実験(問 3)では共鳴の位置が半波長ごとに並ぶが、振動数を変える実験では共鳴する振動数が 1 倍、3 倍、5 倍、…と並ぶ。何を変えているかを先に確かめる。

このノートの 14 問を、暗記カードで復習できます

みならいノートで覚える(無料)

答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 弦の振動
熱と温度 次

このノートは無償で公開しています。当方は内容の正確性・完全性・最新性を保証しません。学習にあたっては、法令の原文・公式の出題範囲その他の一次資料を必ずご確認ください。試験への合格その他の効果を保証するものでもありません。

本文の転載・再配布はお断りしています(利用規約)。手元に置いて使いたい方は、ストアから Markdown ファイルとして入手できます。