みならいノート

物理基礎 2027年度版

横波と縦波

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理基礎 (2) ア (ア) ㋐「波の性質について,直線状に伝わる場合を中心に理解すること。」。内容の取扱いは「縦波や横波にも触れること」としています。

0. どういうまとまりか

波は、媒質が振動する向きによって 2 種類に分かれます。
媒質が波の進む向きと垂直に振動する波が横波、波の進む向きと平行に振動する波が縦波です。
縦波では媒質が前後に動くので、媒質が集まった密なところと、まばらになった疎なところができ、この疎と密が伝わっていきます。

横波 縦波
媒質が振動する向き 波の進む向きに垂直 波の進む向きに平行
伝わっていくもの 山と谷 疎と密(疎密波ともいう)
例 弦を伝わる波、地震の S 波 音、地震の P 波
伝わる媒質 固体 固体・液体・気体

縦波は、そのままではグラフに描きにくいので、変位の向きを 90° 回して横波のように表します。

分かれ目は次の 3 つ。

1. 横波と縦波の違い

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ア)-㋐

見分けるのは媒質の動く向きです。同じばねでも、揺らし方によって横波も縦波もつくれます。

横波とは? 例は?

媒質の振動する向きが、波の進む向きと垂直な波。弦やひもを伝わる波、地震の S 波など

水平に張ったひもの端を上下に振ると、波は水平に進み、ひもの各点は上下に振動する。

縦波とは? 例は?

媒質の振動する向きが、波の進む向きと平行な波。音、地震の P 波など

長いばねの端をばねの長さの方向に押し引きすると、ばねの各点は前後に振動し、その振動が進んでいく。

縦波の「疎」「密」とは? 縦波を別の名前で何というか?

媒質が集まって密度が大きくなったところが密、まばらになって密度が小さくなったところが疎。縦波は疎密波ともいう

縦波では、山と谷の代わりに、密なところと疎なところが交互に並んで進んでいく。

横波と縦波で、伝わることができる媒質はどう違うか?

横波は固体の中だけを伝わる。縦波は固体・液体・気体のどれでも伝わる

横波が伝わるには、ずれた媒質を横から引き戻す力が要る。液体や気体にはその力がほとんど無い。縦波は押し縮められた媒質が押し返す力で伝わるので、どの状態でも伝わる。

縦波の波長は、どこからどこまでの長さか? は縦波にも使えるか?

密から次の密まで(疎から次の疎まで)の長さ。 は縦波にもそのまま使える

波長・周期・振動数・速さの意味は横波と同じ。密と隣の疎の間隔は半波長 。

2. 縦波を横波のように表す

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ア)-㋐

縦波の変位は 軸に沿った前後のずれなので、そのまま描くと 軸の上に重なって見えません。そこで、ずれを 90° 回して 軸の向きに描き直します。

軸に沿って進む縦波を、横波のように表すときの決まりは?

軸の正の向きへの変位を 軸の正の向きに、 軸の負の向きへの変位を 軸の負の向きに、同じ大きさで描く

各点の変位の矢印を、反時計回りに 90° 回して立てることにあたる。こうして描いた点を結ぶと、横波と同じ形の曲線になる。

縦波を横波のように表したグラフで、 が正の点の媒質は、実際にはどこにあるか?

元の位置から、 軸の正の向きへ の大きさだけずれた位置にある

が負なら 軸の負の向きへずれている。グラフの「高さ」は、実際には前後のずれを表している。

縦波を横波のように表したグラフから、媒質の実際の並び方に戻す手順は?

各点の の矢印を時計回りに 90° 倒して 軸の上に寝かせる。 が正の点は右(正の向き)へ、負の点は左(負の向き)へずらす

ずらした後の点が集まっているところが密、離れているところが疎になる。

3. 疎と密の位置を読む

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ア)-㋐

横波のように表したグラフから、疎と密の位置を読みます。山や谷ではなく、変位が 0 の点に注目します。

縦波を横波のように表したグラフで、最も密な点はどこか?

変位が 0 で、その点より左( の小さい側)の変位が正、右の変位が負になっている点

左側の媒質は右へ、右側の媒質は左へずれているので、両側からその点へ媒質が集まる。グラフが右下がりに 軸を横切る点。

縦波を横波のように表したグラフで、最も疎な点はどこか?

変位が 0 で、その点より左( の小さい側)の変位が負、右の変位が正になっている点

左側の媒質は左へ、右側の媒質は右へずれているので、両側の媒質がその点から離れていく。グラフが右上がりに 軸を横切る点。

縦波を横波のように表したグラフの山や谷の点では、媒質の密度はどうなっているか?

波が無いときと同じ(密でも疎でもない)

山や谷では、すぐ隣の媒質もほぼ同じだけ同じ向きにずれているので、間隔が変わらない。変位が最大であることと、密であることは別。

縦波で、媒質の速さが 0 の点と、最も速い点はどこか?

速さ 0 は変位が最大の点(横波のように表したときの山と谷)。最も速いのは変位が 0 の点(最も密な点と最も疎な点)

横波と同じく、振動の折り返し点で止まり、振動の中心を通るときが最も速い。

縦波の最も密な点と最も疎な点で、媒質はどちら向きに動いているか?

最も密な点の媒質は波の進む向きに、最も疎な点の媒質は波の進む向きと逆向きに動いている

横波のように表したグラフを進む向きへ少しずらし、 が増えたか減ったかを見ると確かめられる。 が増えるのは、 軸の正の向きへ動くということ。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ア)-㋐

問 1 次の (a)〜(d) の波は、横波か縦波か。(a) 空気中を伝わる音 (b) ギターの弦をはじいたときに弦を伝わる波 (c) 長いつる巻きばねの端を、ばねの長さの方向に押し引きしてつくった波 (d) 同じばねの端を、ばねの長さと垂直な方向に振ってつくった波

(a) 縦波 (b) 横波 (c) 縦波 (d) 横波

方針 波の進む向きと、媒質が振動する向きを比べる。平行なら縦波、垂直なら横波。

  1. (a) 音は、空気が音の進む向きに前後に振動して疎密が伝わる波なので、縦波。
  2. (b) 波は弦に沿って進み、弦の各点は弦と垂直に振動するので、横波。
  3. (c) 波はばねに沿って進み、ばねの各点もばねに沿って前後に振動するので、縦波。
  4. (d) 波はばねに沿って進み、ばねの各点はばねと垂直に振動するので、横波。

ここで間違えやすい 媒質の種類で決めない。(c) と (d) のように、同じばねでも振動させる向きで横波にも縦波にもなる。

問 2  軸の正の向きに進む縦波を、 軸の正の向きへの変位を 軸の正の向きにとって、横波のように表した。ある時刻のグラフは、 で 、 で山( が正で最大)、 で 、 で谷( が負で最小)、 で となり、以後これをくり返す。 の範囲で、最も密な点と最も疎な点の位置を答えよ。

最も密な点は 。最も疎な点は と

方針  が正の点は 軸の正の向きへ、負の点は負の向きへずれている。変位が 0 の点のうち、両側から媒質が集まる点が密、両側へ離れていく点が疎。

  1. の媒質は が正なので、右(正の向き)へずれている。
  2. の媒質は が負なので、左(負の向き)へずれている。
  3. には、左側の媒質が右へ、右側の媒質が左へ寄ってくる。ここが最も密。
  4. では、左側の媒質は左へずれている。右側は次のくり返しで が正なので、右へずれている。両側の媒質が離れるので、ここが最も疎。
  5. は と 1 波長離れた同じ状態の点なので、ここも最も疎。

ここで間違えやすい 山()を密、谷()を疎と答えない。山と谷は変位が最大の点で、密度は波が無いときと変わらない。

問 3 問 2 の縦波について、同じ時刻に、 の範囲で、(1) 媒質の速さが 0 の点、(2) 媒質が 軸の正の向きに最も速く動いている点を答えよ。

(1) と  (2)

方針 横波と同じ手順が使える。グラフを進む向きへ少しずらし、同じ位置で が増えたか減ったかを見る。 が増えるのは、媒質が 軸の正の向きへ動くということ。

  1. 速さが 0 になるのは振動の折り返し点、つまり変位が最大の点。山の と谷の 。
  2. 最も速いのは変位が 0 の点で、候補は 、、。
  3. グラフを右へ少しずらす。 には、少し左にあった「山から下りてくる途中」の部分が来るので、 は 0 から正へ増える。媒質は正の向きに動いている。
  4. と には、少し左にあった「谷から上がってくる途中」の部分が来るので、 は 0 から負へ減る。媒質は負の向きに動いている。
  5. よって、正の向きに最も速いのは 。

ここで間違えやすい これは問 2 で求めた最も密な点と同じ位置である。密な点の媒質は、波の進む向きに動いている。

問 4 空気中を伝わる振動数 の音で、最も密なところと、その隣の最も密なところの間隔が であった。この音の速さを求めよ。また、最も密なところと、その隣の最も疎なところの間隔を求めよ。

速さ 、密と疎の間隔

方針 縦波の波長は、密から次の密までの長さ。波長が分かれば、速さは で出る。密と隣の疎は半波長だけ離れている。

  1. 密から次の密までが 1 波長なので、
  2. 速さは
  3. 密と隣の疎の間隔は半波長なので、

このノートの 13 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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