みならいノート

物理基礎 2027年度版

抵抗の接続と電力

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理基礎 (2) ア (ウ) ㋑「発電,送電及び電気の利用について,基本的な仕組みを理解すること。」。このノートは「電気の利用」の土台になる、回路のつなぎ方と電気エネルギーの量を扱います。

0. どういうまとまりか

家庭の電気器具は、電気エネルギーを熱・光・運動などに変えて使っています。どれだけのエネルギーを使うかは、器具にかかる電圧と流れる電流で決まります。
器具(抵抗)が 2 つ以上あるときは、つなぎ方によって電圧と電流の分かれ方が変わります。直列では電流が共通、並列では電圧が共通です。

直列接続 並列接続
共通なもの 電流 電圧
和になるもの 電圧() 電流()
合成抵抗
合成抵抗の大きさ どの抵抗よりも大きい どの抵抗よりも小さい
知りたいもの 式 単位
ジュール熱
電力
電力量 、、

分かれ目は次の 3 つ。

1. 直列接続

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ウ)-㋑

抵抗を一列につなぐのが直列接続です。電流の通り道が 1 本しかないので、どの抵抗にも同じ電流が流れます。

抵抗 と を直列につないだときの合成抵抗 は?

合成抵抗は、複数の抵抗を同じはたらきをする 1 つの抵抗に置きかえたときの抵抗値。直列では抵抗値をそのまま足す。3 つ以上でも同じように足す。

直列接続で、各抵抗に共通なのは電流か電圧か? 共通でないほうは、どういう関係になるか?

電流が共通。電圧は各抵抗にかかる電圧の和が全体の電圧になる()

、 で が同じなので、電圧は抵抗値の比に分かれる。抵抗の大きいほうに大きい電圧がかかる。

2. 並列接続

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ウ)-㋑

抵抗の両端をそれぞれまとめてつなぐのが並列接続です。どの抵抗も同じ 2 点につながっているので、同じ電圧がかかります。家庭の電気器具は並列につながれています。

抵抗 と を並列につないだときの合成抵抗 は?

逆数の和が、合成抵抗の逆数になる。右辺を計算したあと、逆数をとって にするのを忘れない。

並列接続で、各抵抗に共通なのは電流か電圧か? 共通でないほうは、どういう関係になるか?

電圧が共通。電流は各抵抗を流れる電流の和が全体の電流になる()

、 で が同じなので、電流は抵抗値の逆の比に分かれる。抵抗の小さいほうに大きい電流が流れる。

2 つの抵抗の合成抵抗は、もとの抵抗と比べて大きいか小さいか? 直列と並列のそれぞれで答えよ。

直列では、どちらの抵抗よりも大きくなる。並列では、どちらの抵抗よりも小さくなる

直列は導線を長くしたのと同じ、並列は導線を太くしたのと同じ。並列の合成抵抗が、小さいほうの抵抗より大きくなったら計算違い。

抵抗 と の並列の合成抵抗を、逆数を使わずに直接求める式は?

(積 ÷ 和)

の右辺を通分して逆数にしたもの。抵抗が 2 つのときにだけ使える。3 つ以上のときは逆数の和に戻る。

直列と並列が混ざった回路の合成抵抗や電流は、どういう順に求めるか?

並列になっている部分を先に 1 つの合成抵抗にまとめ、全体を直列として合成する。全体の電流を出してから、各部分の電圧と電流に戻る

「内側からまとめて、外側からほどく」。まとめた並列部分にかかる電圧が分かれば、その中の各抵抗の電流はオームの法則で出せる。

3. ジュール熱と電力

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ウ)-㋑

抵抗に電流が流れると熱が発生します。電熱器はこの熱を利用し、送電線ではこの熱がエネルギーの損失になります。

ジュール熱とは? 抵抗に電圧 をかけて電流 を時間 だけ流したときに発生する熱量は?

抵抗に電流が流れるときに発生する熱。(ジュールの法則)

オームの法則 を使うと、 とも書ける。単位は 。

電力とは? 式と単位は?

電流が 1 秒あたりにする仕事(1 秒あたりに消費される電気エネルギー)。。単位はワット()

は 。力学の仕事率と同じ単位で、同じ意味をもつ。「100 V 用 500 W」の器具は、 で使うと 1 秒あたり を消費する。

電力を抵抗 を使って表す 2 つの式は? どう使い分けるか?

と 。電流が共通の直列では 、電圧が共通の並列では を使う

直列では抵抗の大きいほうが消費電力が大きく、並列では抵抗の小さいほうが消費電力が大きい。つなぎ方で大小が逆になる。

電力量とは? 式と単位は?

電流がある時間にした仕事の総量(消費された電気エネルギーの総量)。。単位は

電力に時間をかけたもの。抵抗で消費された電力量は、すべてジュール熱になる。

(キロワット時)とは? 何 か?

の電力を 1 時間使ったときの電力量。

は 、1 時間は なので、 で 。電気料金の計算に使われる単位。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物基-(2)-ア-(ウ)-㋑

問 1  の抵抗と の抵抗を直列につなぎ、両端に の電圧をかけた。回路を流れる電流と、それぞれの抵抗にかかる電圧を求めよ。

電流 。 の抵抗に 、 の抵抗に

方針 直列なので電流が共通。まず合成抵抗を求めて全体の電流を出し、その電流を使って各抵抗の電圧をオームの法則で求める。

  1. 合成抵抗は
  2. 全体の電流は、オームの法則から
  3. の抵抗にかかる電圧は、
  4. の抵抗にかかる電圧は、
  5. 確かめ: で、全体の電圧と合っている

ここで間違えやすい それぞれの抵抗に がかかるとして電流を別々に計算してしまうこと。直列では電圧は分かれ、電流が共通になる。

問 2  の抵抗と の抵抗を並列につなぎ、両端に の電圧をかけた。合成抵抗と、回路全体を流れる電流を求めよ。

合成抵抗 、全体の電流

方針 並列なので電圧が共通。合成抵抗は逆数の和から求める。全体の電流は、各抵抗の電流を足しても、合成抵抗から求めても同じになるので、両方で確かめる。

  1. 合成抵抗を とすると、
  2. 通分すると、
  3. 逆数をとって、
  4. の抵抗を流れる電流は 、 の抵抗を流れる電流は
  5. 全体の電流は、
  6. 確かめ: 合成抵抗から求めても、 で同じになる

ここで間違えやすい 2. の をそのまま合成抵抗としてしまうこと。合成抵抗は 2 つの抵抗のどちらよりも小さい になる。

問 3  と の抵抗を並列につないだものに、 の抵抗を直列につなぎ、全体に の電圧をかけた。 の抵抗を流れる電流と、 の抵抗を流れる電流を求めよ。

の抵抗に 、 の抵抗に

方針 並列部分を先に 1 つの抵抗にまとめ、全体を直列として電流を出す。 の抵抗には全体の電流が流れる。次に並列部分にかかる電圧を出し、 の抵抗の電流に戻る。

  1. 並列部分の合成抵抗は、積 ÷ 和で
  2. 全体の合成抵抗は、
  3. 全体の電流は 。これが の抵抗を流れる電流
  4. 並列部分にかかる電圧は、
  5. の抵抗を流れる電流は、
  6. 確かめ: の抵抗の電流は で、 となり全体の電流と合っている

ここで間違えやすい  の抵抗に がかかるとしてしまうこと。 の抵抗で が使われるので、並列部分にかかるのは残りの 。

問 4 「100 V 用 500 W」と表示された電熱器を の電源につないで使う。(1) 流れる電流、(2) 電熱器の抵抗、(3) 30 分間使ったときの電力量を と の両方で求めよ。

(1)  (2)  (3) 、

方針 表示は「 で使うと を消費する」という意味。電流は から、抵抗はオームの法則から求める。電力量は で、時間の単位を なら時間、 なら秒にそろえる。

  1. (1) を について解くと なので、
  2. (2) オームの法則から なので、
  3. (3) は 、30 分は 時間なので、電力量は
  4. 30 分を秒に直すと、
  5. で表すと、 で
  6. 確かめ: は なので、 で 5. と合っている

ここで間違えやすい 時間を分のまま としてしまうこと。 は なので、 を求めるときは時間を秒に直す。

問 5 抵抗が の電熱線に の電圧をかけ、水 の中に入れて 7 分間電流を流した。発生したジュール熱がすべて水の温度上昇に使われたとすると、水の温度は何 上がるか。水の比熱を とする。

方針 電熱線で発生したジュール熱 が、水の得た熱量 に等しい。先に電流を出してジュール熱を求め、それを水の熱容量で割る。

  1. 電熱線を流れる電流は、オームの法則から
  2. 7 分を秒に直すと、
  3. ジュール熱は から、
  4. 水 の熱容量は、
  5. 温度上昇は、

ここで間違えやすい 時間を 7 のまま入れて としてしまうこと。 の は秒で入れる。

このノートの 12 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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