みならいノート

物理基礎 2027年度版

弾性力とフックの法則

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 物理基礎 (1) ア (イ) ㋐「物体に様々な力が働くことを理解すること。」。内容の取扱いは、ここで弾性力を扱うこととしています。

0. どういうまとまりか

ばねを引いて伸ばすと、ばねは縮もうとして手を引き返します。押して縮めると、伸びようとして手を押し返します。
変形した物体がもとの形に戻ろうとする性質を弾性といい、そのとき相手に及ぼす力を弾性力といいます。
ばねの弾性力の大きさは、伸び(または縮み)に比例します。これがフックの法則です。

決めるもの 中身
向き ばねが自然の長さに戻ろうとする向き。伸びていれば引く、縮んでいれば押す
大きさ
自然の長さからの伸び(または縮み)。単位は
ばね定数。単位は 。大きいほど伸びにくい(かたい)ばね

分かれ目は次の 3 つ。

1. 弾性力

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(イ)-㋐

弾性力は、変形したばねがつながっている相手に及ぼす力です。向きは、ばねが伸びているか縮んでいるかで決まります。

弾性とは? 弾性力とは?

弾性は、変形した物体がもとの形に戻ろうとする性質。弾性力は、変形した物体がもとに戻ろうとして、接している相手に及ぼす力

ばねのほか、ゴムひもや、たわんだ板も弾性力を及ぼす。

ばねの「自然の長さ」とは?

ばねが伸びても縮んでもいないときの長さ(力を受けていないときの長さ)

自然の長さのとき、ばねの弾性力は 0。伸びや縮みは、この長さを基準にして測る。

ばねが物体に及ぼす弾性力の向きは? 伸びているときと縮んでいるときで答えよ。

伸びているときは、物体をばねの側へ引く向き。縮んでいるときは、物体をばねから遠ざかるほうへ押す向き

どちらも「ばねが自然の長さに戻ろうとする向き」とまとめられる。

2. フックの法則

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(イ)-㋐

弾性力の大きさは、伸びや縮みに比例します。比例定数がばね定数で、ばね 1 本ごとに決まった値です。

フックの法則とは? 式は?

ばねの弾性力の大きさ は、自然の長さからの伸び(または縮み) に比例する。

伸びが 2 倍になれば弾性力も 2 倍になる。例えば のばねを 伸ばすと、弾性力は 。

ばね定数 とは何を表す量か? 単位は?

ばねを単位の長さ()だけ伸ばすのに必要な力の大きさ。単位は (ニュートン毎メートル)

ばね定数が大きいばねほど、伸ばすのに大きな力が要る。つまり、かたいばねである。

フックの法則 の に入れるのは、ばねの全長か?

全長ではない。自然の長さからの伸び(または縮み)を入れる

伸びは「いまの長さ − 自然の長さ」。全長を入れると、力を加えていないばねにも弾性力があることになってしまう。

伸びが で与えられたばねの問題で、最初にすることは?

伸びを に直す()

ばね定数の単位が なので、 のまま入れると答えが 100 倍ずれる。

横軸にばねの伸び 、縦軸に弾性力の大きさ をとったグラフは、どんな形か? 傾きは何を表すか?

原点を通る直線。傾きがばね定数 を表す

傾きが急なばねほど、ばね定数が大きい(かたい)。直線上の 1 点の を で割れば、ばね定数が求められる。

同じ大きさの力で引いたとき、ばね定数が 2 倍のばねの伸びは何倍か?

倍

から 。力が同じなら、伸びはばね定数に反比例する。

3. ばねとつり合い

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(イ)-㋐

ばねにつないだ物体が静止しているとき、弾性力はほかの力とつり合っています。ここから伸びやばね定数を求めます。

天井からつるした軽いばね(ばね定数 )に質量 のおもりをつるして静止させた。ばねの伸び を求める式は?

から

おもりが受ける力は、上向きの弾性力 と下向きの重力 の 2 つ。静止しているので、この 2 つの大きさが等しい。

ばねの一端を壁に固定し、他端を大きさ の力で引く。これと、ばねの両端をそれぞれ大きさ の力で引くのとでは、伸びはどう違うか?

同じ(どちらも伸びは )

一端を壁に固定して引くとき、壁もばねを大きさ で引いている。ばねから見れば、どちらも両端を ずつで引かれている。

ばねばかりは、どんな原理で力の大きさを測っているか?

ばねの伸びが、加えた力の大きさに比例すること(フックの法則)

伸びを読めば力の大きさが分かる。目盛りが等間隔なのは、伸びが力に比例するから。

【発展】ばね定数 と の 2 本の軽いばねを、並列につないだときと直列につないだとき、全体を 1 本のばねとみなしたばね定数 はそれぞれどうなるか。

並列は 。直列は

学習指導要領の解説が物理基礎で扱うとした範囲の外ですが、教科書や問題集でよく見かけるので、考え方だけ置いておきます。

  • 並列(2 本を並べて、同じだけ伸ばす) 伸びがどちらも で共通。全体の力は 2 本の弾性力の和なので、。全体はかたくなる。
  • 直列(2 本を縦につなぐ) 弾性力がどちらも で共通。全体の伸びは 2 本の伸びの和なので、。全体はやわらかくなる。

同じばね(ばね定数 )を 2 本つなぐと、並列では 、直列では になります。「並列は伸びが共通、直列は力が共通」が分かれ目です。

練習問題

根拠: 学習指導要領 物基-(1)-ア-(イ)-㋐

問 1 ばね定数 のばねを、自然の長さから 伸ばした。このときの弾性力の大きさを求めよ。

方針 ばね定数と伸びが分かっているので、フックの法則 にそのまま入れる。

  1. 、 を に入れる。

問 2 あるばねを の力で引いたところ、自然の長さから 伸びた。このばねのばね定数を求めよ。また、このばねを の力で引いたときの伸びは何 か。

ばね定数 、伸び

方針 力と伸びの組が 1 つ分かれば、 からばね定数が決まる。ばね定数はそのばねに固有の値なので、決まれば別の力での伸びも求められる。伸びは先に に直す。

  1. 伸びを に直す。 は
  2. から 。数値を入れると
  3. で引いたときの伸びは から
  4. に直すと

ここで間違えやすい  のまま割って としてしまうこと。それは の値で、 ではない。

問 3 自然の長さ 、ばね定数 の軽いばねを天井からつるし、下端に質量 のおもりをつけて静止させた。このときのばねの全長を求めよ。重力加速度の大きさを とする。

方針 おもりは静止しているので、ばねの弾性力と重力がつり合う。つり合いの式から伸びを出し、自然の長さに足して全長にする。

  1. おもりが受ける力は、下向きの重力と上向きの弾性力の 2 つ。
  2. 重力の大きさは
  3. 伸びを とすると、つり合いの式は 。 に数値を入れて
  4. 全長は、自然の長さに伸びを足して

ここで間違えやすい 伸び をそのまま答えにしてしまうこと。問われているのは全長である。

問 4 ばね定数 の軽いばねの両端を、左右にそれぞれ の力で引いて静止させた。ばねの伸びを求めよ。

方針 ばねの両端を ずつで引くのは、一端を壁に固定して他端を で引くのと同じ状態である。弾性力の大きさは で、これを に入れる。

  1. 一端を壁に固定して で引くとき、壁もばねを で引き返している。これは、両端を ずつで引くのと同じ。
  2. よって、ばねの弾性力の大きさは
  3. に数値を入れて

ここで間違えやすい 両側の力を足して とし、伸びを としてしまうこと。

問 5 あるばねについて、伸びと弾性力の大きさの関係を調べたところ、伸びが のとき 、伸びが のとき で、グラフは原点を通る直線になった。このばねのばね定数を求めよ。また、伸びが のときの弾性力の大きさを求めよ。

ばね定数 、弾性力

方針 伸びと弾性力のグラフは原点を通る直線で、その傾きがばね定数である。傾きを求めてから、 で別の伸びのときの力を出す。

  1. 傾きは、直線上の 1 点の力を伸びで割れば求められる。1 つ目の点から
  2. 確かめに 2 つ目の点でも計算すると で、同じ値になる。
  3. 伸びが のときの弾性力は

このノートの 12 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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摩擦力 次

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