みならいノート

数学C 2027年度版

ベクトルと図形

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学C (1) ベクトル ア (ア)「平面上のベクトルの意味,相等,和,差,実数倍,位置ベクトル,ベクトルの成分表示について理解すること。」。

0. どういうまとまりか

図形の性質を、ベクトルの式に翻訳して計算で確かめます。翻訳の型は決まっています。
点は位置ベクトルで表し、「一直線上にある」は実数倍、「交点」は 2 通りに表して係数比較、「垂直」は内積が 0、と読みかえます。

図形の言葉 ベクトルの式
3 点 、、 が一直線上にある となる実数 がある
点 が直線 上にある 、
線分 の長さ

分かれ目は次の 3 つ。

1. 3 点が一直線上にある条件

根拠: 学習指導要領 数学C-(1)-ア-(ア)

を始点にした 2 つのベクトル と が平行なら、 を共有しているので 3 点は同じ直線の上に並びます。

異なる 2 点 、 に対して、点 が直線 上にある条件を、ベクトルで書くと?

となる実数 があること

始点を同じ点 にそろえるのがこつ。 が の実数倍なら、、、 は一直線上に並ぶ。

3 点 、、 が一直線上にあることを示して が得られたとき、 から何が分かるか?

線分の長さの比

例えば なら で、 は線分 を に内分する。一直線の証明と比が同時に出る。

3 点 、、 は一直線上にあるか?

ある。

、。 は の 3 倍になっている。

2. 交点の位置ベクトル

根拠: 学習指導要領 数学C-(1)-ア-(ア)

2 本の線分の交点は、「一方の線分上にある」と「もう一方の線分上にある」の 2 つの条件を同時に満たす点です。それぞれを式にして、等しいとおきます。

三角形 の中で、線分 と線分 の交点 の位置ベクトルを求める手順は?

、 とおいて を 、 で 2 通りに表し、係数を比べて 、 を求める

内分点の式で 、 と書き、どちらも 、 の式に直す。

を 、 で 2 通りに表して係数を比べるとき、必ず断っておくことは?

、 で、 と が平行でない(1 次独立である)こと

1 次独立なら の表し方はただ 1 通りなので、係数が比べられる。三角形 の 2 辺 、 はこの条件を満たす。

3. 点の存在範囲

根拠: 学習指導要領 数学C-(1)-ア-(ア)

で のとき、 を代入すると となり、 は直線 上を動きます。
係数の条件を変えると、 の動く範囲が変わります。、、 は一直線上にないとします。

で、 のとき、点 の存在範囲は?

直線

と書き直せる。逆に、直線 上の点は必ず係数の和が 1 の形で表せる。

で、、、 のとき、点 の存在範囲は?

線分

は線分 を に内分する点( で 、 で )。係数が負になると、線分の外へ出る。

で、、、 のとき、点 の存在範囲は?

三角形 の周と内部

()とおくと、 は 、 を 倍に縮めた線分の上を動く。 を 0 から 1 まで動かすと、三角形 全体をおおう。

で、 のように係数の和が 1 でないとき、点 の存在範囲はどう調べるか?

係数の和が 1 になるように式を作り直す。 として

、 となる点 、 をとると、 は直線 上にある。係数を割ったぶん、ベクトルのほうに掛ける。

で、、 のとき、点 の存在範囲は?

、 を 2 辺とする平行四辺形の周と内部

と が別々に動く。 となる点 をとった平行四辺形 になる。

4. 内積と図形

根拠: 学習指導要領 数学C-(1)-ア-(イ)

垂直と長さは、内積で式になります。図形の証明では、基準の点から出る 2 つのベクトルで全部の辺を表し、内積を計算します。

2 直線 、 が垂直であることを、ベクトルで示すには?

を示す

、 を基準になる 2 つのベクトルで表し、内積を展開して 0 になることを計算する。なす角が であることと同じ。

線分の長さの条件( など)を、ベクトルの計算に持ち込むには?

2 乗して内積に直す。

なら 。内積を展開して出てきた を 0 にできる。

ひし形 の対角線 と が垂直であることを、、 で示すと?

ひし形は 4 辺が等しいので 。内積の展開は、和と差の積の展開と同じ形になる。

練習問題

問 1 平行四辺形 で、辺 を に内分する点を 、対角線 を に内分する点を とする。3 点 、、 は一直線上にあることを示せ。

となるので、一直線上にある

方針 3 点 、、 が一直線上にあることは、始点を にそろえた 2 つのベクトルについて となる実数 があることを示せばよい。平行四辺形なので、 から出る 2 辺 、 を基準にして と を表し、一方がもう一方の実数倍になっていることを見つける。

  1. 、 とおく。平行四辺形の向かい合う辺なので、
  2. は辺 を に内分するので、 は の 。よって
  3. を経由して、
  4. は対角線 を に内分するので、 を基準にした内分点の式から
  5. と同じ形が出るように、 でくくる。
  6. かっこの中は なので、。実数倍になっているから、3 点 、、 は一直線上にある。

は の なので、 であることも分かる。

ここで間違えやすい 2 つのベクトルの始点は同じ点 にそろえる。始点が違うと、平行であっても一直線上とは限らない。

問 2 三角形 で、辺 を に内分する点を 、辺 の中点を とし、線分 と線分 の交点を とする。、 として、 を 、 で表せ。

方針 交点 は「線分 上にある」と「線分 上にある」を同時に満たす点。それぞれの線分を分ける比はまだ分からないので文字( と )でおき、内分点の式で を 2 通りに表す。同じベクトルを 、 で 2 通りに表したのだから、係数が等しいはずで、そこから 、 が決まる。

  1. 、 の位置を表す。 は辺 を に内分するので 、 は辺 の中点なので
  2. が線分 上にあることを式にする。 とおくと、内分点の式から
  3. が線分 上にあることを式にする。 とおくと、
  4. 、 は でなく平行でもない(1 次独立)から、2 通りの表し方の係数は等しい。 の係数から (第 1 式)、 の係数から (第 2 式)
  5. 第 2 式の両辺を 2 倍して、
  6. これを第 1 式に代入する。左辺は なので、
  7. 両辺を 3 倍して 。移項して から
  8. 手順 5 の式に戻す。 なので、
  9. を手順 2 の式に入れる。 の係数は 、 の係数は 。よって

確かめ: を手順 3 の式に入れても、 の係数は 、 の係数は で、同じ式になる。

ここで間違えやすい 内分点の式はたすきがけ。 のとき、 が掛かるのは遠いほうの で、 には が掛かる。

問 3 問 2 の三角形で、直線 と辺 の交点を とする。 を 、 で表し、 を求めよ。

、

方針  は「直線 上にある」と「直線 上にある」を同時に満たす点。1 つ目は (実数倍)と書け、2 つ目は「 を 、 で表したとき係数の和が 1」と書ける。1 つ目で文字を だけにしてから、2 つ目で を決める。

  1. 問 2 から 。 は直線 上にあるので、実数 を使って
  2. は直線 上にあるので、 と の係数の和が 1。
  3. 左辺を通分すると なので、。両辺に を掛けて
  4. を手順 1 の式に戻す。 の係数は 、 の係数は 。よって
  5. 内分点の式の形に直す。 は、線分 を に内分する点の式になっている。よって

ここで間違えやすい 比はたすきがけで読む。 の係数のほうが大きいのは、 が に近いということ。 に掛かっている 2 は 側の比なので、 になる。 ではない。

問 4 三角形 に対して とする。次の条件を満たす点 の存在範囲を求めよ。(1)、、 (2)、、

(1)辺 の中点を として、線分  (2)、 となる点 、 をとって、三角形 の周と内部

方針 「係数の和が 1 で、係数が 0 以上なら線分」「係数の和が 1 以下で、係数が 0 以上なら三角形の周と内部」という結果は、係数の和が 1(または 1 以下)の形のときにだけ使える。そこで、条件の式がその形になるように係数を作り直す。係数を何倍かしたら、そのぶんベクトルのほうを割って、 全体は変えないようにする。

  1. (1)条件 は、 と の和が 1 という形。そこで の係数が になるように書き直す。 なので、
  2. とおき、 となる点 (辺 の中点)をとると、
  3. 条件を で書き直す。 は になり、 から 。 はそのまま。
  4. 係数の和が 1 で、どちらも 0 以上なので、 の存在範囲は線分
  5. (2)条件 の両辺を 2 で割って、和が 1 以下の形にする。
  6. 係数が 、 になるように書き直す。
  7. 、 とおき、、 となる点 、 をとると、 で、、、
  8. 係数の和が 1 以下で、どちらも 0 以上なので、 の存在範囲は三角形 の周と内部

確かめ: (1)で 、 とすると は 、、 とすると で は 。線分の両端になっている。

ここで間違えやすい 係数を 2 倍したらベクトルは 倍、係数を 倍したらベクトルは 2 倍。逆にすると、(1)で を の 2 倍の点にとってしまう。

問 5 三角形 の頂点 から辺 に下ろした垂線と、頂点 から辺 に下ろした垂線の交点を とする。 であることを示せ。

を基準の点にとると、 が計算で出る

方針 垂直は「内積が 0」と読みかえる。分かっている垂直が 2 つ、示したい垂直が 1 つで、どれにも点 が出てくる。そこで を基準の点にとり、3 つの頂点を 、、 で表す。こうすると、条件も結論も 3 つのベクトルの内積の式になり、条件の 2 式から結論の式が計算で出る。

  1. 、、 とおく。辺のベクトルは終点引く始点で、、、
  2. 1 つ目の条件 を内積で書く。 なので、
  3. 展開すると 。移項して
  4. 2 つ目の条件 を内積で書く。 なので、
  5. 展開すると 。移項して
  6. 手順 3 と手順 5 をつなぐと、。特に
  7. 示したい内積を計算する。
  8. 手順 6 からこの値は 0。よって で、

から辺 に下ろした垂線も を通ることになるので、3 本の垂線は 1 点(垂心)で交わる。

問 6 三角形 で、、、 とする。 から辺 に下ろした垂線と の交点を とするとき、 を 、 で表せ。

方針  を決める条件は「直線 上にある」と「」の 2 つ。1 つ目から とおけて、分からないものが だけになる。2 つ目は垂直なので内積が 0。内積を展開すると 、、 が出てきて、どれも値が与えられているから、 の 1 次方程式になる。

  1. は直線 上にあるので、係数の和が 1 の形で とおく。
  2. で、 だから内積が 0。
  3. の部分を展開する。 なので、この部分は
  4. の部分を展開する。 なので、この部分は
  5. 合わせると、
  6. 値を入れる。、、 なので、 は 、 は
  7. 手順 5 の式は になる。かっこを外して
  8. まとめて 。両辺を 7 で割って
  9. 手順 1 の式に戻す。 の係数は なので、

なので、 は辺 を に内分する。

確かめ: は、手順 5 の左辺に を入れて 。確かに垂直になっている。

ここで間違えやすい  は ではなく 。値を入れるときは 3 でなく 9、2 でなく 4 を使う。

このノートの 13 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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