みならいノート

数学C 2027年度版

ド・モアブルの定理

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学C (2) 平面上の曲線と複素数平面 ア (オ)「ド・モアブルの定理について理解すること。」。

0. どういうまとまりか

絶対値が 1 の複素数 を掛けると、点は原点のまわりに だけ回転します。同じ数を 回掛ければ 回転するので、 乗は角を 倍するだけです。これがド・モアブルの定理です。
この定理を逆向きに使うと、「 乗して になる数」( の 乗根)が求まります。答えは 個あり、円周を 等分する点に並びます。

使い方 やること
乗を計算する 極形式に直し、絶対値を 乗、偏角を 倍する
を解く と を極形式で表し、絶対値と偏角を比べる

分かれ目は次の 3 つ。

1. ド・モアブルの定理

根拠: 学習指導要領 数学C-(2)-ア-(オ)

積の偏角は和になるので、、3 乗なら と続きます。

ド・モアブルの定理とは?

が整数のとき、

は正の整数だけでなく、0 や負の整数でも成り立つ。

ド・モアブルの定理は、なぜ成り立つか?

を 1 回掛けるたびに、偏角が ずつ増え、絶対値は 1 のままだから

負の整数のときは、 を使えば同じように示せる。

のとき、( は整数)は?

絶対値は 乗、偏角は 倍。 の形のまま 回展開するより、ずっと速い。

を計算すると?

16

。絶対値は 、偏角は の 8 倍で 。。

を計算すると?

64

。絶対値は 、偏角は の 6 倍で 。

を計算すると?

絶対値は 、偏角は の 倍で 。。指数が負でも定理はそのまま使える。

2. 1 の 乗根

根拠: 学習指導要領 数学C-(2)-ア-(オ)

を正の整数とするとき、 を満たす複素数 を 1 の 乗根といいます。実数の範囲では 1 か しかありませんが、複素数の範囲では 個あります。

1 の 乗根を、極形式で表すと? 何個あるか?

()の 個

絶対値はすべて 1 で、偏角は ずつ増える。 のときが 。

1 の 乗根を表す点は、複素数平面でどう並ぶか?()

単位円(原点を中心とする半径 1 の円)の円周上にあり、点 1 を頂点の 1 つとする正 角形の頂点になる

絶対値が 1 なので単位円周上にあり、偏角が等しい間隔なので円周を 等分する。

1 の 3 乗根と 1 の 4 乗根は?

1 の 3 乗根は 、、。1 の 4 乗根は 、、、

3 乗根は偏角 0、、 で正三角形の頂点。4 乗根は偏角 0、、、 で正方形の頂点。

3. 方程式

根拠: 学習指導要領 数学C-(2)-ア-(オ)

1 以外の複素数の 乗根も、同じ方法で求まります。両辺を極形式で表して、絶対値どうし・偏角どうしを比べます。

方程式 は、どう解くか?

とおき、ド・モアブルの定理で左辺を として、 の極形式と絶対値・偏角を比べる

絶対値から ( なので は 1 つ)。偏角から ( は整数)。

で偏角を比べるとき、なぜ を足すのか?

偏角は の整数倍だけちがっても同じ点を表すから。足さないと 個ある解のうち 1 個しか出ない

から 。 で異なる 個の点になり、 で最初の点に戻る。

のとき、 の解( の 乗根)を表す点は、複素数平面でどう並ぶか?()

原点を中心とする半径 の円周上にあり、正 角形の頂点になる

絶対値がすべて等しく、偏角が ずつずれるから。1 の 乗根とちがい、点 1 が頂点になるとは限らない。

練習問題

問 1 次の式を計算せよ。(1)  (2)  (3)

(1)  (2)  (3)

方針  の形のまま 6 回、10 回と掛けるのは大変で間違えやすい。極形式に直せば、ド・モアブルの定理で「絶対値は 乗、偏角は 倍」とするだけで済む。どの小問も、極形式に直す(絶対値を出す・偏角を出す)、 乗する、 の形に戻す、の順に進める。

  1. (1) の絶対値を出す。
  2. 偏角を出す。、 なので、
  3. 6 乗する。絶対値は 、偏角は なので、
  4. 、 なので、値は
  5. (2) の絶対値を出す。
  6. 偏角を出す。、 なので、第 4 象限の角で
  7. 10 乗する。絶対値は 、偏角は
  8. なので、 と同じ向き。、 から、値は 、すなわち
  9. (3) の絶対値を出す。
  10. 偏角を出す。、 なので、
  11. ド・モアブルの定理は が負の整数でも成り立つ。 乗すると、絶対値は 、偏角は
  12. 、 なので、値は

ここで間違えやすい  乗するのは絶対値で、偏角は 倍する(偏角を 乗しない)。(2) の絶対値は を 10 乗するので、 ではなく 。偏角が を超えたり負になったりしたら、 の整数倍を足し引きして、見慣れた角に直してから値を読む。

問 2 方程式 を解け。

、、

方針  を極形式でおき、両辺を極形式で表して、絶対値どうし・偏角どうしを比べる。ド・モアブルの定理で左辺の 3 乗がすぐ書けるからである。偏角は の整数倍だけちがっても同じ点を表すので、比べるときに を足す。これで 3 個の解がすべて出る。

  1. ()とおく。ド・モアブルの定理から、左辺は
  2. 右辺 を極形式に直す。虚軸の正の部分にあり、原点からの距離は 8 なので、絶対値は 8、偏角は 。
  3. 絶対値を比べる。 で、 は正の実数なので、
  4. 偏角を比べる。 の整数倍のずれを入れて、( は整数)
  5. 両辺を 3 で割って、
  6. に入るものを、 を動かして拾う。 のとき
  7. のとき、
  8. のとき、
  9. にすると で、 と同じ点に戻る。だから解は の 3 個。
  10. に入れる。 のとき 、すなわち
  11. のとき 、すなわち
  12. のとき 、 なので 、すなわち

3 点は原点を中心とする半径 2 の円周上にあり、偏角が ずつずれているので、正三角形の頂点になる。

ここで間違えやすい  を足さずに とすると、解が の 1 個しか出ない。三次方程式の解は 3 個ある。また、 も 3 で割るので、解の偏角は ずつではなく ずつずれる。

問 3 方程式 を解け。

、、、

方針  の形なので、両辺を極形式で表して、絶対値どうし・偏角どうしを比べる。右辺の は負の実数で、絶対値は 4、偏角は 。偏角を比べるときに を足して、4 個の解をすべて拾う。

  1. 右辺 を極形式に直す。実軸の負の部分にあり、原点からの距離は 4 なので、絶対値は 4、偏角は 。
  2. ()とおく。ド・モアブルの定理から、左辺は
  3. 絶対値を比べる。 で、 なので 。よって
  4. 偏角を比べる。 の整数倍のずれを入れて、( は整数)
  5. 両辺を 4 で割って、
  6. に入るものを、 を動かして拾う。 のとき 、 のとき
  7. のとき 、 のとき 。 にすると で最初の点に戻る。
  8. に入れる。 のとき 、すなわち
  9. 残りの 3 つは、 と の符号だけが変わる。 のとき 、 のとき 、 のとき
  10. 確かめ。 で、これは 。もう 1 回 2 乗すると で、 になる。

絶対値 でこの偏角の点は、複素数平面で順に 、、、。正方形の頂点になっている。
実数の範囲には解が無いが、複素数の範囲では 4 個ある。

ここで間違えやすい 右辺の絶対値を としない。絶対値は 4 で、マイナスは偏角 が引き受ける。偏角を 0 としてしまうと を解くことになる。また、 から や としない()。

問 4 1 の 6 乗根をすべて求めよ。

、、、、、

方針 1 の 6 乗根とは、方程式 の解のこと。 の形なので、両辺を極形式で表して絶対値と偏角を比べる。右辺の 1 は絶対値 1・偏角 0。偏角に を足して を動かせば、6 個がすべて出る。

  1. ()とおく。ド・モアブルの定理から、
  2. 右辺の 1 を極形式に直す。(絶対値 1・偏角 0)
  3. 絶対値を比べる。 で、 なので
  4. 偏角を比べる。 の整数倍のずれを入れて、( は整数)
  5. 両辺を 6 で割って、。 に入るのは の 6 個で、偏角は 0、、、、、
  6. よって解は ()。値を入れていく。 のとき 、 のとき で
  7. のとき 、 のとき
  8. のとき 、 のとき

単位円周上で、点 1 を頂点の 1 つとする正六角形の頂点になる。1 の 3 乗根()もこの中に入っている。

ここで間違えやすい 実数の範囲で考えて だけで終わらせない。複素数の範囲では 乗根は 個ある。 にすると偏角が になり、 の点 1 に戻るので、7 個目は無い。

問 5  のとき、 の値を求めよ。

0

方針  などの値は簡単には出ないので、5 つの項を 1 つずつ計算して足すことはしない。 の偏角が の 5 分の 1 であることから ( は 1 の 5 乗根)となる。求める式は、 を因数分解したときに出てくる式そのものである。

  1. ド・モアブルの定理で 5 乗する。偏角は になるので、
  2. 、 なので、。移項して、
  3. 左辺を因数分解する。 なので、
  4. の偏角 は 0 でないので、。つまり
  5. 積が 0 で前のかっこが 0 でないので、後ろのかっこが 0。

ここで間違えやすい 3. の因数分解は、右辺を展開すると途中の項がすべて打ち消し合って だけが残ることで確かめられる。 の確認を省かない。 なら前のかっこが 0 になり、後ろのかっこが 0 とは言えなくなる(実際、 のところを 1 にすると、和は で 0 にならない)。

図で見ると、1、、、 は正五角形の頂点で、その重心が原点にあることを表している。

問 6  を計算せよ。

方針 かっこの中を の形に直してから 12 乗するのは大変である。分子と分母をそれぞれ極形式に直せば、割り算は「絶対値は割り算、偏角は引き算」、12 乗は「絶対値は 12 乗、偏角は 12 倍」で済む。先に割り算、あとで 12 乗の順に進める。

  1. 分子 を極形式に直す。絶対値は 。、 なので、偏角は
  2. 分母 を極形式に直す。絶対値は 。、 なので、偏角は
  3. 商の絶対値は、絶対値の商。
  4. 商の偏角は、偏角の差。
  5. よってかっこの中は
  6. ド・モアブルの定理で 12 乗する。絶対値は 、偏角は
  7. で、、 なので、値は

ここで間違えやすい  の三角関数の値を求める必要はない。12 倍すると になり、値の分かる角になる。絶対値は を 12 乗するので、 ではなく 。

このノートの 12 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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