2円の位置関係と共通接線
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学A (1) 図形の性質 ア (イ)「円に関する基本的な性質について理解すること。」のうち、2 円の位置関係と共通接線。
0. どういうまとまりか
半径 、()の 2 つの円の位置関係は、中心間の距離 を、半径の和 と差 と比べれば決まります。
位置関係が決まると、2 つの円の両方に接する直線(共通接線)の本数も決まります。
| 位置関係 | の条件 | 共有点 | 共通接線の本数 |
|---|---|---|---|
| 離れている | 0 個 | 4 本 | |
| 外接する | 1 個 | 3 本 | |
| 2 点で交わる | 2 個 | 2 本 | |
| 内接する | 1 個 | 1 本 | |
| 一方が他方の内部にある | 0 個 | 0 本 |
分かれ目は次の 3 つ。
- 比べる相手は「半径の和」と「半径の差」の 2 つ。 がその間にあれば交わる
- 共通接線の本数は、離れるほど多い(4、3、2、1、0 本)
- 共通接線の長さは、中心どうしを結ぶ線と接線を 1 つの直角三角形に入れて、三平方の定理で求める
1. 2 円の位置関係
根拠: 学習指導要領 数学A-(1)-ア-(イ)
半径 、()の 2 円が外接する・内接する条件を、中心間の距離 で表すと?
外接: 、内接:
外接は外側から 1 点で接し、内接は大きい円の内側から 1 点で接する。
半径 、()の 2 円が 2 点で交わる条件を、中心間の距離 で表すと?
、、 を 3 辺とする三角形ができる条件()と同じ。中心と交点を結ぶと、その三角形ができる。
半径 、()の 2 円が、共有点をもたない 2 つの場合を、 の条件で区別すると?
離れている: 、一方が他方の内部にある:
どちらも共有点は 0 個。 が和より大きいか、差より小さいかで分かれる。
2 つの円が接するとき、接点はどこにあるか?
2 つの円の中心を結ぶ直線の上
2 円は接点で共通の接線をもち、どちらの半径もその接線に垂直なので、2 つの中心と接点は一直線上に並ぶ。
2 つの円が 2 点 A、B で交わるとき、中心を結ぶ直線と共通弦 AB の関係は?
中心を結ぶ直線は、共通弦 AB を垂直に二等分する
2 つの中心は、どちらも A と B から等距離なので、AB の垂直二等分線の上にある。
2. 共通接線
根拠: 学習指導要領 数学A-(1)-ア-(イ)
2 つの円の両方に接する直線を、2 円の共通接線といいます。
2 円の共通接線の本数は、位置関係によってどう変わるか?
離れている 4 本、外接 3 本、2 点で交わる 2 本、内接 1 本、内部にある 0 本
外接・内接では、接点での共通の接線が 1 本加わる(または残る)。
共通外接線と共通内接線の違いは?
共通外接線: 2 つの円が接線の同じ側にある。共通内接線: 2 つの円が接線の反対側にある
離れている 2 円では、共通外接線 2 本と共通内接線 2 本で合わせて 4 本。共通内接線は 2 円の間を通る。
半径 、 の 2 円(中心間の距離 )の共通外接線の長さ(2 つの接点の間の長さ)は?
小さい円の中心から接線に平行な線を引くと、斜辺 、一方の辺 の直角三角形ができ、残りの辺が接線の長さ。
半径 、 の 2 円(中心間の距離 、)の共通内接線の長さ(2 つの接点の間の長さ)は?
一方の半径を接点の先へ だけ延ばし、そこから接線に平行な線を引くと、斜辺 、一方の辺 の直角三角形ができる。
外接する 2 円(半径 、)の共通外接線の長さは?
を に入れると、。
練習問題
問 1 半径 5 と 3 の 2 円について、中心間の距離 が次のときの位置関係と、共通接線の本数を答えよ。(1)(2)(3)(4)(5)
(1)離れている・4 本(2)外接する・3 本(3)2 点で交わる・2 本(4)内接する・1 本(5)内部にある・0 本
方針 2 円の位置関係は、中心間の距離 を「半径の和」と「半径の差」の 2 つと比べれば決まる。先に和と差を出して境目を作り、 がどこに入るかを見る。共通接線の本数は位置関係から決まる(離れるほど多く、4、3、2、1、0 本)。
- 半径の和は 、半径の差は 。境目は と 。
- (1) は で、和より大きい。離れていて、共通接線は 4 本。
- (2) は和に等しい。外接していて、共通接線は 3 本。
- (3) は で、差と和の間にある。2 点で交わり、共通接線は 2 本。
- (4) は差に等しい。内接していて、共通接線は 1 本。
- (5) は で、差より小さい。小さい円が大きい円の内部にあり、共通接線は 0 本。
ここで間違えやすい (4)(5)のように が小さいときに「近いから交わる」としないこと。 が半径の差以下になると、小さい円は大きい円の内側に入ってしまう。
問 2 半径 7 と 3 の 2 円が 2 点で交わるような、中心間の距離 の範囲を求めよ。また、 のときの共通接線の本数を答えよ。
、 のとき 3 本
方針 2 点で交わるのは、 が半径の差と和の間にあるとき()。和と差を出してはさむ。 はその端にあたるので、どちらの端かを見て位置関係を決める。
- 半径の和は 、半径の差は
- 2 点で交わる条件は、 が差より大きく和より小さいことなので、
- は半径の和に等しいので、2 円は外接する。
- 外接するときの共通接線は、共通外接線 2 本と、接点での共通の接線 1 本で、合わせて 3 本。
ここで間違えやすい 範囲に等号は入らない。 や のときは接していて、共有点は 1 個。
問 3 半径 6 と 2 の 2 円があり、中心間の距離は 10 である。共通外接線の長さと、共通内接線の長さを求めよ。
共通外接線 、共通内接線
方針 共通接線の長さは、中心どうしを結ぶ線分(長さ )を斜辺とする直角三角形を作り、三平方の定理で求める。もう 1 つの辺は、共通外接線なら半径の差、共通内接線なら半径の和になる。
- 【共通外接線】小さい円の中心から接線に平行な線を引くと、斜辺が 、1 辺が半径の差 の直角三角形ができ、残りの辺が接線の長さになる。
- 三平方の定理から、長さは
- なので、
- 【共通内接線】2 円は接線の反対側にあるので、直角三角形の 1 辺は半径の和 になる(斜辺は同じ )。
- 三平方の定理から、長さは
ここで間違えやすい 外接線が「差」、内接線が「和」。2 円が接線の同じ側にあれば 2 本の半径は同じ向きで引き算に、反対側にあれば逆向きで足し算になる、と思い出す。共通内接線があるのは (ここでは )のときだけ。
問 4 半径 4 と 1 の 2 円が外接している。共通外接線の 2 つの接点の間の長さを求めよ。
方針 外接しているので、中心間の距離は半径の和になる。それを斜辺、半径の差をもう 1 辺とする直角三角形を作れば、問 3 と同じく三平方の定理で共通外接線の長さが出る。
- 外接するので、中心間の距離は
- 小さい円の中心から接線に平行な線を引くと、斜辺が 、1 辺が半径の差 の直角三角形ができる。
- 残りの辺が 2 つの接点の間の長さなので、
確かめ 外接する 2 円の公式 でも、 で一致する。
問 5 半径 5 の円 O と半径 の円 O′ が 2 点 A、B で交わり、 である。共通弦 AB の長さを求めよ。
方針 注目するのは、中心を結ぶ線分 OO′ と共通弦 AB の交点 M。OO′ は AB を垂直に二等分するので、直角三角形 OAM と O′AM ができる。AM はどちらの三角形にも共通なので、 とおき、 を 2 通りに表して等しいとおく。
- OO′ と AB の交点を M とすると、 で、。
- とおくと、 なので
- 直角三角形 OAM で三平方の定理を使うと(OA は円 O の半径 )、
- 直角三角形 O′AM で三平方の定理を使うと(O′A は円 O′ の半径 で、)、
- 2 つを等しいとおくと、
- 右辺を展開すると、
- の両辺に を足すと、。よって で、
- 手順 3 の式に入れると で、 から
- M は AB の中点なので、
確かめ 円 O′ の側でも、 から で一致する。