みならいノート

数学A 2027年度版

接線と弦のなす角と方べきの定理

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学A (1) 図形の性質 ア (イ)「円に関する基本的な性質について理解すること。」のうち、円の接線、接線と弦のなす角、方べきの定理。

0. どういうまとまりか

円と直線が 1 点だけを共有するとき、その直線を接線、共有する点を接点といいます。
接線は、円周上の 2 点が近づいて 1 点に重なった「弦の行き着く先」とみると、円周角や弦の性質がそのまま延びてきます。

図 成り立つこと
円外の点から 2 本の接線 接線の長さは等しい
接線と、接点を通る弦 接線と弦のなす角 その角の内部にある弧に対する円周角(接弦定理)
点 P を通る 2 本の直線と円 (方べきの定理)

分かれ目は次の 3 つ。

1. 円の接線

根拠: 学習指導要領 数学A-(1)-ア-(イ)

円の接線と、接点を通る半径の関係は?

垂直に交わる

接線上の接点以外の点は円の外部にあり、中心からの距離が半径より大きい。中心から接線への最短の線分が半径になる。

円の外部の点 P から円に 2 本の接線を引き、接点を A、B とする。PA と PB の関係は?

(接線の長さは等しい)

中心を O とすると、直角三角形 OAP と OBP は斜辺 OP が共通、OA OB で合同。

三角形 ABC の内接円が辺 BC、CA、AB に接する点を D、E、F とする。BD の長さを 3 辺 、、 で表すと?

接線の長さが等しいので 、、。 で、その半分。

円に外接する四角形 ABCD(4 辺がすべて 1 つの円に接する)の辺の長さについて成り立つ関係は?

(向かい合う辺の和が等しい)

各頂点から引いた 2 本の接線の長さが等しいので、どちらの組も、4 つの接線の長さを 1 つずつ足した和になる。

2. 接線と弦のなす角

根拠: 学習指導要領 数学A-(1)-ア-(イ)

円 O の周上の点 A での接線を AT、A を通る弦を AB とし、$\angle$TAB の内部にない弧の上に点 C をとります。

接線と弦のなす角の定理(接弦定理)とは何か?

円の接線と、接点を通る弦のつくる角は、その角の内部にある弧に対する円周角に等しい

接線 AT、弦 AB のとき、$\angle$TAB $=\angle\angle$TAB の内部にない側の円周上の点)。

接弦定理は、$\angle$TAB が鋭角のときどう示すか?(証明の要点)

A を通る直径 AD を引く。$\angle$TAD (接線と半径は垂直)、$\angle$ABD (直径に対する円周角)。よって $\angle$TAB $=90^\circ-\angle$BAD $=\angle$ADB $=\angle$ACB

直角三角形 ABD の残りの角を経由し、最後に同じ弧 AB の円周角として $\angle$ACB に移す。

接弦定理の逆とは何か?

円 O の弦 AB と、A を端とする半直線 AT が、弧 AB 上の点 C($\angle$TAB の内部にない側)について $\angle$TAB $=\angle$ACB を満たせば、AT は円 O の接線である

三角形 ABC の外接円に、直線が接することを示すのに使う。

3. 方べきの定理

根拠: 学習指導要領 数学A-(1)-ア-(イ)

点 P を通る 2 本の直線が円と交わるとき、P から交点までの長さの積が一定になります。これを方べきの定理といいます。

方べきの定理①:円の 2 つの弦 AB、CD(またはその延長)が点 P で交わるとき、成り立つ式は?

P が円の内部(弦どうしが交わる)でも、外部(延長どうしが交わる)でも同じ式。

方べきの定理②:円の外部の点 P から引いた直線が円と A、B で交わり、P から引いた接線の接点が T のとき、成り立つ式は?

① で C と D が重なって T になった場合とみる。

方べきの定理 (P が円の内部)は、どう示すか?(証明の要点)

三角形 PAC と三角形 PDB が相似であることを示す。対頂角 $\angle$APC $=\angle$DPB、同じ弧 BC に対する円周角 $\angle$CAB $=\angle$CDB。相似比から

P が外部のときは、$\angle$P が共通で、円に内接する四角形の外角と内対角が等しいことから相似を示す。

点 P を通る直線を何本引いても、 の値は変わらない。その値を、中心 O と P の距離 、半径 で表すと?

(P が外部なら 、内部なら )

O を通る直線で測ると、外部なら 、内部なら 。外部のときは接線の長さの 2 乗でもある。

方べきの定理の逆とは何か?

2 つの線分 AB、CD どうし、または AB の延長と CD の延長どうしが点 P で交わり、 が成り立てば、4 点 A、B、C、D は 1 つの円周上にある

の形の逆は、「直線 PT が 3 点 A、B、T を通る円に接する」。

練習問題

問 1 、、 の三角形 ABC の内接円が、辺 BC に接する点を D とする。BD と CD の長さを求めよ。

、

方針 注目するのは、内接円が 3 辺に接する 3 つの接点。円の外部の 1 点から引いた 2 本の接線の長さは等しいので、各頂点から両側の接点までの長さが等しくなる。 とおき、3 辺の長さをこの「等しい長さ」で表して方程式を作る。

  1. 内接円が辺 CA、AB に接する点をそれぞれ E、F とする。接線の長さが等しいので、、、。
  2. とおくと、。BC の長さは なので で、。
  3. AB の長さは なので、
  4. CA の長さは なので、
  5. から、
  6. 移項すると で、。よって

確かめ 公式 (、、)でも、。 も で一致する。

問 2 円の 2 つの弦 AB、CD が円の内部の点 P で交わり、、、 である。PD の長さを求めよ。

方針 円の 2 つの弦が円の内部の点 P で交わっているので、方べきの定理 が使える。4 つの長さのうち 3 つが分かっているので、残りの PD が求まる。

  1. 弦 AB、CD とその交点 P に方べきの定理を当てると、
  2. 長さを入れると、
  3. 左辺は なので、
  4. 両辺を 3 で割って、

ここで間違えやすい 掛けるのは同じ弦の上の 2 つ(PA と PB、PC と PD)。 のように、別の弦の長さを組にしない。

問 3 円の外部の点 P から引いた直線が円と 2 点 A、B で交わり、P に近い順に A、B である。、 のとき、P から引いた接線の長さ PT を求めよ。

方針 円の外部の点 P から、円と 2 点で交わる直線と接線が引かれているので、方べきの定理 を使う。式に入るのはどちらも P からの長さなので、まず PB を出す。

  1. P、A、B の順に並んでいるので、
  2. 方べきの定理から、
  3. なので、

ここで間違えやすい AB(弦の長さ)ではなく、P から B までの長さを使う。 としないこと。

問 4 円の外部の点 P から 2 本の直線を引き、一方は円と A、B で、もう一方は C、D で交わる(どちらも P に近いほうが A、C)。、、 のとき、CD の長さを求めよ。

方針 円の外部の点 P から、円と 2 点ずつで交わる直線が 2 本引かれているので、方べきの定理 を使う。式に入るのは P からの長さなので、PB を出してから PD を求め、最後に PD から PC を引いて CD にする。

  1. P、A、B の順に並んでいるので、
  2. 方べきの定理から 。長さを入れると、
  3. 左辺は なので、
  4. P、C、D の順に並んでいるので、

問 5 三角形 ABC が円 O に内接している。A における円 O の接線上に、直線 AB について C と反対側に点 T をとる。$\angle$TAB のとき、$\angle$ACB を求めよ。

$\angle$ACB

方針 接線 AT と、接点 A を通る弦 AB のつくる角が与えられているので、接弦定理を使う。接弦定理は「接線と弦のつくる角は、その角の内部にある弧に対する円周角に等しい」。どの弧の円周角かを確かめてから当てる。

  1. $\angle$TAB は、A における接線 AT と弦 AB のつくる角。
  2. T は直線 AB について C と反対側にあるので、$\angle$TAB の内部にある弧 AB は、C を含まないほうの弧。
  3. その弧 AB に対する円周角は、弧の上にない点 C から見た $\angle$ACB。
  4. 接弦定理から、$\angle$ACB $=\angle$TAB

ここで間違えやすい T が直線 AB について C と同じ側にあるときは、角の内部の弧が C を含むほうになり、$\angle$TAB $=180^\circ-\angle$ACB になる。T と C の位置関係を必ず見る。

問 6 半径 5 の円 O と、 の点 P がある。P から円 O に引いた接線の長さを求めよ。また、P を通る直線が円と A、B で交わるとき、 の値を求めよ。

接線の長さ 12、

方針 注目するのは、中心 O、接点 T、点 P を結んだ三角形 OTP。接線は接点を通る半径に垂直なので、これは直角三角形になり、三平方の定理で接線の長さが出る。 は、方べきの定理 から、直線の引き方によらず決まる。

  1. 接点を T とすると、 なので、三角形 OTP は $\angle$OTP の直角三角形。斜辺は で、OT は半径の 。
  2. 三平方の定理から、
  3. 方べきの定理から、P を通るどの直線でも
  4. よって、 の値は

確かめ 中心 O を通る直線で測ると、P から近いほうの交点まで 、遠いほうの交点まで で、 と一致する。

このノートの 12 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 円周角と円に内接する四角形
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