集合の要素の個数
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学A (2) 場合の数と確率 ア (ア)「集合の要素の個数に関する基本的な関係や和の法則,積の法則などの数え上げの原則について理解すること」のうち、集合の要素の個数。
0. どういうまとまりか
有限個の要素からなる集合 の要素の個数を と書きます。集合の記号(・・補集合 )そのものは数学Ⅰで学んだので、ここではその個数を数える式を扱います。
| 数えたいもの | 式 | 考え方 |
|---|---|---|
| または | 2 回数えた重なりを 1 回引く | |
| でない | 全体から引く | |
| 、、 のどれか | 3 つ足し、2 つずつの重なりを引き、3 つの重なりを足す | ベン図の 7 つの部分を 1 回ずつ数える |
分かれ目は次の 3 つ。
- 重なり があるかどうか。重なりが無い()ときだけ、単純に足してよい
- 「〜でない」は全体から引く。「どちらでもない」は
- 「 の倍数かつ の倍数」は最小公倍数の倍数。積の倍数とは限らない
1. 和集合の要素の個数
根拠: 学習指導要領 数学A-(2)-ア-(ア)
集合の要素の個数を数えるときは、ベン図をかいて、どの部分を何回数えたかを確かめます。 では、 の部分を 2 回数えています。
2 つの集合の和集合の要素の個数 を求める式は?
では共通部分 を 2 回数えているので、1 回分を引く。
(共通部分が無い)のとき、 はどうなるか?
引く重なりが 0 なので、そのまま足せばよい。この形が「和の法則」の土台になる。
3 つの集合の和集合の要素の個数 を求める式は?
1 つずつ足すと、2 つの重なりは 2 回、3 つの重なりは 3 回数える。2 つずつの重なりを引くと、3 つの重なりが 0 回になってしまうので、最後に 1 回足し戻す。
ベン図で「 には入るが には入らない」部分の要素の個数 は、どう求めるか?
の中から、 とも重なる部分を取り除く。「 だけ」を数えるときに使う。
2. 補集合の要素の個数
根拠: 学習指導要領 数学A-(2)-ア-(ア)
「〜でないもの」を直接数えるのは難しいことが多く、全体から「〜であるもの」を引くほうが早く済みます。
全体集合 の部分集合 について、補集合の要素の個数 は?
と は重ならず、合わせると になるから。
「 でも でもない」ものの個数 は、どう求めるか?
ド・モルガンの法則で なので、和集合の補集合として全体から引く。
「 でないか、または でない」ものの個数 は、どう求めるか?
なので、共通部分の補集合。「でもない」(かつ)と「でない、または」を取り違えやすい。
3. 倍数の個数を数える
根拠: 学習指導要領 数学A-(2)-ア-(ア)
「1 から 200 までの整数のうち 3 の倍数」のような集合は、割り算で個数が出ます。そのうえで、和集合や補集合の式に入れます。
1 から までの整数のうち、 の倍数の個数は?
の商(小数部分を切り捨てた整数)
、、…、 が 以下に並ぶので、 となる最大の が個数。
「 の倍数であり、かつ の倍数」である整数は、何の倍数か?
と の最小公倍数の倍数
2 の倍数かつ 3 の倍数は 6 の倍数。ただし 4 の倍数かつ 6 の倍数は 24 の倍数ではなく、12 の倍数。
から までの整数()のうち、 の倍数の個数はどう求めるか?
(1 から までの個数)−(1 から までの個数)
自身は数える側に残したいので、引くのは までの分。 まで引くと 1 つ足りなくなることがある。
から までの整数()は全部で何個か?
個
両端を含むので、差に 1 を足す。たとえば 3 から 7 までは 3、4、5、6、7 の 5 個。
練習問題
問 1 1 から 200 までの整数のうち、3 の倍数または 5 の倍数であるものは何個あるか。
93 個
方針 「3 の倍数または 5 の倍数」は 2 つの集合の和集合なので、 を使う。3 の倍数でも 5 の倍数でもある数(15 の倍数)は両方で数えられるので、その分を 1 回引く。
- 集合に名前をつける。1 から 200 までの整数のうち、3 の倍数の集合を 、5 の倍数の集合を とする。
- の個数を割り算の商で求める。 なので、
- の個数も同じように求める。 なので、
- は「3 の倍数かつ 5 の倍数」で、3 と 5 の最小公倍数 15 の倍数の集合。 なので、
- 和集合の式に入れる。
問 2 1 から 100 までの整数のうち、2 でも 3 でも割り切れないものは何個あるか。
33 個
方針 「2 でも 3 でも割り切れない」数を直接数えるのは難しいので、全体から「2 または 3 で割り切れる」数を引く。ド・モルガンの法則で だから、先に を求めればよい。
- 集合に名前をつける。1 から 100 までの整数全体を 、そのうち 2 の倍数の集合を 、3 の倍数の集合を とする。
- の個数を求める。 なので、
- の個数を求める。 なので、
- は 2 と 3 の最小公倍数 6 の倍数の集合。 なので、
- 和集合の個数を求める。
- 全体から引く。
ここで間違えやすい としない。6 の倍数の 16 個を 2 回引いてしまっている( で正しい答えに戻る)。
問 3 1 から 300 までの整数のうち、2、3、5 の少なくとも 1 つで割り切れるものは何個あるか。
220 個
方針 「少なくとも 1 つで割り切れる」は 3 つの集合の和集合なので、1 つずつ足し、2 つずつの重なりを引き、3 つの重なりを足し戻す式を使う。重なりは「どちらの倍数でもある数」なので、最小公倍数の倍数として数える。
- 集合に名前をつける。1 から 300 までの整数のうち、2 の倍数の集合を 、3 の倍数の集合を 、5 の倍数の集合を とする。
- それぞれの個数を求める。、、 なので、、、
- は 6 の倍数の集合で、 から
- は 15 の倍数の集合で、 から
- は 10 の倍数の集合で、 から
- は 2、3、5 の最小公倍数 30 の倍数の集合で、 から
- 式に入れる。
ここで間違えやすい 最後の を忘れやすい。30 の倍数は、はじめに 3 回足され、重なりとして 3 回引かれて 0 回になっているので、1 回足し戻す。
問 4 100 から 300 までの整数のうち、7 の倍数は何個あるか。
28 個
方針 割り算の商で数えられるのは「1 から まで」の倍数の個数なので、「1 から 300 まで」の個数から「1 から 99 まで」の個数を引く。100 自身は数える側に残したいので、引くのは 99 までの分である。
- 300 までの 7 の倍数を数える。 なので、42 個
- 99 までの 7 の倍数を数える。 なので、14 個
- 引く。
確かめ:範囲の中でいちばん小さい 7 の倍数は 、いちばん大きいのは 。7 に掛ける数が 15 から 42 までなので、 個。
ここで間違えやすい 引く範囲を「1 から 100 まで」にしない。この問題は 100 が 7 の倍数でないので同じ答えになるが、始まりの数が倍数のとき(たとえば 98 から 300 まで)は 1 つ足りなくなる。
問 5 ある組の生徒 40 人のうち、自転車で通学する生徒は 24 人、電車を使う生徒は 13 人、どちらも使わない生徒は 9 人である。自転車と電車の両方を使う生徒は何人か。
6 人
方針 分かっているのは 、 と「どちらも使わない」人数で、求めるのは重なり 。和集合の式 を、今度は を求める向きに使う。そのために、まず を全体から引いて出す。
- 集合に名前をつける。自転車で通学する生徒の集合を 、電車を使う生徒の集合を とする。、
- 「どちらも使わない」9 人は の外側にいるので、全体から引く。
- 和集合の式を について解くと、
- 数を入れる。
確かめ:自転車だけが 人、電車だけが 人、両方が 6 人、どちらも使わないが 9 人で、 人になる。