角の二等分線と辺の比
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学A (1) 図形の性質 ア (ア)「三角形に関する基本的な性質について理解すること。」のうち、線分の内分・外分と、角の二等分線と辺の比。
0. どういうまとまりか
三角形の角を 2 等分する直線は、向かいの辺(またはその延長)を、角をはさむ 2 辺の比に分けます。
内角でも外角でも同じ比になり、違うのは分ける点が辺の上にあるか(内分)、延長上にあるか(外分)だけです。
| 内角 A の二等分線 | 外角 A の二等分線 | |
|---|---|---|
| 直線 BC と交わる点 | 辺 BC の上(D) | 辺 BC の延長上(E) |
| 比 | (内分) | (外分) |
| 交わらないとき | ない | のとき(BC と平行) |
分かれ目は次の 3 つ。
- 比は「角をはさむ 2 辺」の比(BC の長さや、向かいの角は関係しない)
- 内分点は線分の上、外分点は延長上。外分点は、比の大きいほうの端の外側にくる
- 外角の二等分線は、 のときだけ BC と平行で、外分点が存在しない
1. 線分の内分と外分
根拠: 学習指導要領 数学A-(1)-ア-(ア)
点 P が線分 AB を「 に分ける」には 2 通りあります。P が線分の上にあるか、線分の延長上にあるかです。
点 P が線分 AB を に内分するとは?
P が線分 AB 上にあって、 であること
、 は正の数。 のとき P は中点。
点 Q が線分 AB を に外分するとは?
Q が線分 AB の延長上にあって、 であること()
だと AQ QB となる延長上の点は存在しないので、外分は のときだけ。
線分 AB を に外分する点は、 のときと のときで、それぞれどこにくるか?
なら B の外側(A から見て B の先)、 なら A の外側
A からの距離のほうが大きい()なら、A から遠い B の側にはみ出す。
2. 内角の二等分線と辺の比
根拠: 学習指導要領 数学A-(1)-ア-(ア)
三角形 ABC の $\angle$A の角の二等分線と辺 BC の交点を D とします。
三角形 ABC で、$\angle$A の角の二等分線と辺 BC の交点を D とするとき、BD と DC の比は?
D は辺 BC を に内分する。角をはさむ 2 辺の比。
内角の二等分線の定理 は、どう示すか?(証明の要点)
C を通り AD に平行な直線を引き、BA の延長との交点を E とする。同位角・錯角から三角形 ACE は AE AC の二等辺三角形。平行線と線分の比で
AC を、BA の延長上に「折り返して」一直線に並べるのが要。
内角の二等分線の定理を、面積の比で示すと?
三角形 ABD と ACD の面積の比は、底辺 BD、DC の比(高さ共通)。一方、D から AB、AC までの距離は等しい(角の二等分線上の点)ので、面積の比は AB と AC の比にもなる
同じ面積の比を 2 通りに表して、。
三角形 ABC で 、、 とする。$\angle$A の二等分線と BC の交点を D とするとき、BD の長さは?
BC を に内分するので、BD は BC の 倍。
3. 外角の二等分線と辺の比
根拠: 学習指導要領 数学A-(1)-ア-(ア)
$\angle$A の外角の二等分線は、辺 BC の延長と交わります。
三角形 ABC で のとき、$\angle$A の外角の二等分線と直線 BC の交点を E とすると、BE と EC の比は?
E は辺 BC を に外分する。比は内角のときと同じで、分け方が外分になる。
外角の二等分線の定理は、どう示すか?(証明の要点)
C を通り AE に平行な直線を引き、辺 AB との交点を F とする。三角形 AFC は AF AC の二等辺三角形。平行線と線分の比で
内角のときと同じく、平行線を引いて AC と同じ長さを AB の上に作る。
の三角形で、$\angle$A の外角の二等分線はどうなるか?
辺 BC と平行になり、直線 BC と交わらない
二等辺三角形の頂角の外角の二等分線は、底角と錯角が等しくなる。外分の比 の点が無いことと合っている。
の三角形で、$\angle$A の外角の二等分線と直線 BC の交点 E は、B と C のどちらの外側にあるか?
C の外側(B から見て C の先)
で 。E は B から遠い側、つまり短いほうの辺 AC の端 C の先にある。
練習問題
問 1 三角形 ABC で、、、 とする。$\angle$A の二等分線と辺 BC の交点を D とするとき、BD と DC の長さを求めよ。
、
方針 注目するのは、$\angle$A の二等分線が辺 BC を分ける点 D。角の二等分線は、向かいの辺を「角をはさむ 2 辺の比」に分けるので、まず比 を出し、次に BC の長さ をその比に分ける。
- 角の二等分線と辺の比の定理を三角形 ABC の $\angle$A に当てると、
- 長さを入れて簡単にすると、
- BC を 等分したうちの 3 つ分が BD なので、
- 残りが DC なので、
ここで間違えやすい 比は角をはさむ 2 辺 AB、AC の比で、B の側の BD が AB に、C の側の DC が AC に対応する。 と逆にしない。
問 2 問 1 の三角形で、$\angle$A の外角の二等分線と直線 BC の交点を E とする。BE、CE の長さと、DE の長さを求めよ。
、、
方針 注目するのは、$\angle$A の外角の二等分線が直線 BC と交わる点 E。外角の二等分線は、辺 BC を に外分する。まず E が B と C のどちらの外側にあるかを決め、分からない長さ CE を とおいて比の式を解く。
- 外角の二等分線と辺の比の定理を三角形 ABC に当てると、
- なので、E は B から遠い側、つまり C の外側(B、C、E の順)にある。このとき 。
- とおくと なので、
- 内側どうし・外側どうしを掛けると、
- 展開すると で、。よって
- D は辺 BC 上、E は C の先にあるので、D、C、E の順に並ぶ。問 1 の を使って、
ここで間違えやすい 外分のときも、比の式に入るのは (B から E まで、E から C まで)。 としてしまうと になって誤り。
問 3 数直線上に 2 点 A()、B() がある。線分 AB を に内分する点、 に外分する点、 に外分する点の座標を求めよ。
内分点 、 の外分点 、 の外分点
方針 数直線上の点なので、まず AB の長さを出し、内分は「A からどれだけ進むか」、外分は「どちら側にどれだけはみ出すか」を考える。外分点は、比の大きいほうの端の外側にくる。
- AB の長さは
- 【 の内分点 P】P は線分 AB 上で 。AB を 等分した 3 つ分だけ A から進むので、
- P の座標は
- 【 の外分点 Q】 で なので、Q は B の外側(A、B、Q の順)にある。このとき で、比でいうと にあたる。
- 比の が長さ なので、比の にあたる QB の長さは
- Q は B から右へ 進んだ点で、座標は
- 【 の外分点 R】 で なので、R は A の外側(R、A、B の順)にある。このとき で、比でいうと にあたる。
- 比の が長さ なので、比の にあたる AR の長さは
- R は A から左へ 進んだ点で、座標は
確かめ Q について、、 で、比は 。R について、、 で、比は 。
問 4 三角形 ABC で、、、 とする。$\angle\angle\angle$DAE の大きさと、DE の長さを求めよ。
$\angle$DAE 、
方針 注目するのは、$\angle$A の内角の二等分線 AD と、外角の二等分線 AE。角は「内角と外角の和が 」から求める。長さは、D が BC を に内分し、E が同じ比に外分することから求め、DE を「D から C まで」と「C から E まで」に分けて足す。
- 【$\angle\angle$A の内角を 、外角を とおくと、内角と外角の和は一直線の角なので
- AD は内角を、AE は外角を 2 等分するので、$\angle$DAE
- 手順 1 の両辺を 2 で割ると 。よって $\angle$DAE
- 【DC】角の二等分線と辺の比の定理から、。BC を 等分した 8 つ分が BD、5 つ分が DC なので、、
- 【CE】外角の二等分線と辺の比の定理から、。 なので E は C の外側(B、C、E の順)にあり、。
- とおくと なので、
- 内側どうし・外側どうしを掛けると、
- 展開すると で、 から 。よって
- 【DE】D、C、E の順に並ぶので、
- 通分して足すと、
ここで間違えやすい DE に足すのは DC()で、BD()ではない。D、C、E の並びを確かめてから足す。