みならいノート

数学A 2027年度版

確率の意味と基本性質

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学A (2) 場合の数と確率 ア (ウ)「確率の意味や基本的な法則についての理解を深め,それらを用いて事象の確率や期待値を求めること」のうち、確率の意味と基本性質。

0. どういうまとまりか

確率は「起こりやすさ」を 0 から 1 までの数で表したものです。
数学Aでは、結果の起こりやすさがどれも同じ(同様に確からしい)ときに、場合の数の比として確率を決めます。

言葉 意味 さいころを 1 回投げる例
試行 同じ条件で繰り返せて、結果が偶然で決まる実験や観察 さいころを投げること
事象 試行の結果として起こることがら(全体の集合の部分集合) 偶数の目が出る
全事象 起こり得る結果全体
根元事象 1 つの結果だけからなる事象 、 など
空事象 決して起こらない事象 7 の目が出る

分かれ目は次の 3 つ。

1. 試行と事象

根拠: 学習指導要領 数学A-(2)-ア-(ウ)

確率を考えるときは、まず「何をする試行か」と「起こり得る結果全体(全事象)」をはっきりさせます。事象は、全事象の部分集合として表せます。

確率で「試行」と「事象」は、それぞれ何を指すか?

試行: 同じ条件のもとで繰り返すことができ、結果が偶然によって決まる実験や観察。事象: 試行の結果として起こることがら

さいころを投げるのが試行で、「偶数の目が出る」が事象。事象は全事象の部分集合で表す。

全事象・根元事象・空事象とは何か?

全事象: 起こり得る結果全体()。根元事象: ただ 1 つの結果からなる事象。空事象: 決して起こらない事象()

全事象は必ず起こる事象でもある。空事象は要素をもたない集合にあたる。

2. 確率の定義

根拠: 学習指導要領 数学A-(2)-ア-(ウ)

全事象 の根元事象がどれも同じ程度に起こると考えられるとき、それらは同様に確からしいといいます。このときだけ、確率を「数えて割る」ことで決められます。

「根元事象が同様に確からしい」とは、どういうことか?

どの根元事象も、起こることが同じ程度に期待できること

正しく作られたさいころなら、1〜6 のどの目も同じ程度に出ると考えられる。この前提があって初めて、場合の数の比が確率になる。

全事象 の根元事象が同様に確からしいとき、事象 の確率 の定義は?

( の起こる場合の数 ÷ 起こり得るすべての場合の数)

は事象 に含まれる根元事象の個数。

「さいころ 2 個を投げたとき、目の和は 2〜12 の 11 通りだから、和が 7 になる確率は 」はどこが誤りか?

目の和の 11 通りは同様に確からしくない

和が 2 になるのは 1 通りだけだが、和が 7 になるのは 6 通りある。同様に確からしいのは 通りの目の出方のほうで、正しくは 。

3. 区別して数える理由

根拠: 学習指導要領 数学A-(2)-ア-(ウ)

同じ形のさいころ 2 個や、同じ色の玉は、見た目では区別がつきません。それでも確率では、色を塗ったり番号をつけたりして区別して数えます。

同じ形のさいころ 2 個を同時に投げるとき、確率を求めるには目の出方を何通りとして数えるか? その理由は?

2 個を区別して 通り。区別した 36 通りなら同様に確からしいから

区別しないで「1 と 2」「1 と 1」をそれぞれ 1 通りと数えると、「1 と 2」は(1 個目が 1、2 個目が 2)と(1 個目が 2、2 個目が 1)の 2 通りぶん起こるので、起こりやすさがそろわない。

硬貨 2 枚を投げて「表 1 枚・裏 1 枚」になる確率は か か?

2 枚を区別すると(表・表)(表・裏)(裏・表)(裏・裏)の 4 通りで、同様に確からしい。「表 1 枚・裏 1 枚」はそのうち 2 通り。「2 枚表・1 枚ずつ・2 枚裏」の 3 通りは同様に確からしくない。

赤玉 3 個と白玉 2 個の入った袋から 2 個を同時に取り出す確率では、同じ色の玉をどう扱うか?

すべての玉を区別し(赤 1・赤 2・赤 3・白 1・白 2 など)、5 個から 2 個を選ぶ組合せで数える

分母も分子も「区別した玉の選び方」でそろえる。分母だけ区別して分子を区別しない、といった混ぜ方をしない。

4. 確率の基本性質

根拠: 学習指導要領 数学A-(2)-ア-(ウ)

は 0 以上 以下なので、確率は 0 と 1 の間に入ります。

どんな事象 についても成り立つ、確率の値の範囲は? また、全事象と空事象の確率は?

。、

の各辺を で割ると出る。

5. 論理的な確率と頻度確率

根拠: 学習指導要領 数学A-(2)-ア-(ウ)

学習指導要領の内容の取扱いは、確率について論理的な確率と頻度確率の両方を扱うよう定めています。場合の数から決める確率と、実際に繰り返して観察した割合から決める確率です。

「論理的な確率」と「頻度確率」の違いは?

論理的な確率: 同様に確からしいことをもとに、場合の数の比で決める。頻度確率: 試行を多数回繰り返したときに、事象の起こった割合(相対度数)が近づく値で決める

教科書によっては数学的確率・統計的確率とも呼ぶ。

画びょうが上向きに落ちる確率のように、同様に確からしいと言えないものは、頻度確率で考える。

さいころを 6 回投げて 1 の目が 1 回も出なかったとき、「1 の目が出る確率は 」は誤りだったことになるか?

ならない

確率 は、投げる回数を多くしていくと 1 の目の出る割合が に近づく、という意味。少ない回数でその割合どおりに起こることは保証しない。

練習問題

問 1 大小 2 個のさいころを投げるとき、出る目の和が 7 になる確率を求めよ。

方針 全事象は、大小 2 個を区別した目の出方にとる(どの出方も同じ程度に起こる)。そのうち和が 7 になる出方を、大きいさいころの目を 1 から順に決めて数え上げる。

  1. 全事象は、大の目 6 通りのそれぞれに小の目 6 通りがあるので、 通り。
  2. 大の目を決めると、和が 7 になる小の目は 1 つに決まる。大、小の順に (1, 6)、(2, 5)、(3, 4)、(4, 3)、(5, 2)、(6, 1) の 6 通り。
  3. 確率は

ここで間違えやすい (1, 6) と (6, 1) は別の出方。2 個を区別せずに「1 と 6、2 と 5、3 と 4 の 3 通り」と数えると、同じ程度に起こる場合の数にならない。

問 2 硬貨 3 枚を同時に投げるとき、ちょうど 2 枚が表になる確率を求めよ。

方針 3 枚を区別して、表裏の出方すべてを全事象にとる(どの出方も同じ程度に起こる)。ちょうど 2 枚が表になる出方は、裏になる 1 枚を決めれば決まるので、その選び方を数える。

  1. 1 枚ごとに表・裏の 2 通りなので、全事象は 通り。
  2. ちょうど 2 枚が表になるのは、裏になる 1 枚の選び方で 通り(表表裏、表裏表、裏表表)。
  3. 確率は

ここで間違えやすい 「表の枚数は 0・1・2・3 枚の 4 通りだから 」としない。この 4 つは同じ程度に起こらない(表が 3 枚は 1 通り、2 枚は 3 通り)。

問 3 大小 2 個のさいころを投げるとき、出る目の差が 2 になる確率を求めよ。

方針 全事象は、大小 2 個を区別した 36 通り。差が 2 になる目の組を小さいほうの目から順に数え上げ、どちらのさいころが大きい目かの入れかえを忘れずに数える。

  1. 全事象は 通り。
  2. 差が 2 になる目の組は、1 と 3、2 と 4、3 と 5、4 と 6 の 4 組。
  3. それぞれ、大きい目が大のさいころに出るか小のさいころに出るかで 2 通りあるので、 通り。大、小の順に (1, 3)、(2, 4)、(3, 5)、(4, 6)、(3, 1)、(4, 2)、(5, 3)、(6, 4)。
  4. 確率は

ここで間違えやすい 「差」は大きい目から小さい目を引いたもの。大のさいころの目のほうが 2 大きい 4 通りだけで止めない。

問 4 1 から 5 までの数字を 1 つずつ書いた 5 枚のカードから、2 枚を同時に取り出す。2 枚とも奇数である確率を求めよ。

方針 「同時に取り出す」ので順番は考えず、5 枚から 2 枚を選ぶ組合せを全事象にとる。2 枚とも奇数になるのは、奇数のカードだけの中から 2 枚を選んだとき。

  1. 全事象は、5 枚から 2 枚を選ぶ 通り。
  2. 奇数のカードは 1、3、5 の 3 枚。
  3. その 3 枚から 2 枚を選ぶのは 通り(1 と 3、1 と 5、3 と 5)。
  4. 確率は

ここで間違えやすい 分母を順列の 通りにするなら、分子も順番を区別して 通りと数える( で同じ)。分母と分子で数え方をそろえる。

問 5 赤玉 4 個と白玉 3 個が入った袋から、2 個を同時に取り出す。2 個が同じ色である確率を求めよ。

方針 同じ色の玉も 1 個ずつ区別して、7 個から 2 個を選ぶ組合せを全事象にとる。「同じ色」は「2 個とも赤」と「2 個とも白」の 2 つの場合に分かれ、同時には起こらないので、場合の数を足す。

  1. 全事象は、7 個から 2 個を選ぶ 通り。
  2. 2 個とも赤は、赤 4 個から 2 個を選んで 通り。
  3. 2 個とも白は、白 3 個から 2 個を選んで 通り。
  4. 同じ色になるのは、合わせて 通り。
  5. 確率は

ここで間違えやすい 「同じ色か違う色かの 2 通りだから 」としない。玉を区別しないと、同じ程度に起こる場合の数にならない。

このノートの 11 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 同じものを含む順列と組分け
排反と余事象 次

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