みならいノート

数学Ⅲ 2027年度版

関数の極限

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅲ (1) 極限 ア (オ)「関数の値の極限について理解すること。」。このノートは、 が有限の値 に近づくときの極限値と、そのまま代入できない の形の解き方を扱います。

0. どういうまとまりか

関数 で、 が に近づくとき が一定の値 に近づくなら、その を極限値といいます。
見ているのは「 の近くでの値の動き」で、 そのものでの値ではありません。だから が定義されていなくても極限は考えられます。
多項式や、分母が 0 にならない分数式は を代入すれば極限値が出ます。困るのは、代入すると分母も分子も 0 になる形です。

代入したときの形 すること
分母が 0 にならない そのまま代入する
で、分数式 因数分解して、0 になる因数 を約分する
で、根号を含む 有理化して、0 になる因数を約分する
極限値が与えられていて、係数を求める 分母が 0 に近づくなら分子も 0 に近づく、を使う

分かれ目は次の 3 つ。

1. 極限値の意味

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(オ)

「近づく」は「等しくなる」ではありません。 は と異なる値をとり続けます。

とは、どういう意味か?

が と異なる値をとりながら に限りなく近づくとき、近づき方によらず、 の値が一定の値 に限りなく近づくこと

を、 のときの の極限値という。「 のとき 」とも書く。

を考えるとき、 が定義されている必要はあるか?

ない。 は と異なる値をとりながら近づくので、 での値は使わない

は で定義されないが、 では なので、。

が定義されているとき、 は必ず に等しいか?

等しいとは限らない

のとき 、 と定めた関数では、 だが 。等しくなるのは、関数が で連続なとき。

2. 極限値の性質

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(オ)

数列の極限と同じ性質が成り立ちます。どれも「2 つの極限値がともに存在する」ことが前提です。

、 のとき、定数倍・和・差の極限値は?( は定数)

、、

、 が有限の値として存在するときに使える。

、 のとき、積と商の極限値は?

、(商は のとき)

のときは商の性質が使えない。 でもあれば の不定形になる。

多項式 の極限値 は、どう求めるか?

を代入する。

分数式も、分母が で 0 にならなければ代入で求まる。

3. 不定形

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(オ)

分母も分子も 0 に近づくのは、どちらも という「0 になる因数」をもっているからです。それを取り出して約分します。

の不定形とは何か?

分母と分子がともに 0 に近づく形。そのままでは極限が決まらず、式を変形して調べる必要がある

でも「極限なし」でもない。式によって極限はさまざま。

分数式の極限が の形になったら、どうするか?

分母と分子を因数分解し、共通の因数 を約分してから代入する

では なので、 は 0 でなく、約分してよい。

根号を含む式の極限が の形になったら、どうするか?

根号を含むほうを有理化して、0 になる因数を約分する

には を分母と分子にかける。。

4. 極限値から係数を決める

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(オ)

「極限値が 3 である」のように極限値が与えられ、式の中の定数を求める問題です。分母が 0 に近づくのに極限値が存在するなら、分子も 0 に近づくしかありません。

( は有限の値)で、 のとき、 の値は?

0

と書けるので、積の極限値の性質から となる。

「分母が 0 に近づくなら分子も 0 に近づく」から係数の関係を出したあと、何をするか?

その関係を式に入れて実際に極限を計算し、与えられた極限値になるように係数を決めて、確かめる

分子が 0 に近づくことは、極限値が存在するための必要条件にすぎない。それだけでは極限値がいくつになるかは決まらない。

【発展】ロピタルの定理(範囲外の扱い)

教科書の範囲外。、 が の近くで微分可能で、、、 の近く()で であり、
が存在するならば、次が成り立つ。

は導関数(数学Ⅲの微分法で学ぶ)。たとえば は、分子の導関数が 、分母の導関数が 1 なので、 を代入して と出る(下の問 3 と同じ値)。

高校の教科書では扱わない定理で、記述式の答案では使えないことが多い。答案は因数分解や有理化で書き、ロピタルの定理は検算の道具に留める。
条件( の形であること、導関数の比の極限が存在すること)を確かめずに使うと、誤った値が出る。

練習問題

問 1 極限値 を求めよ。

5

方針  を代入すると分母も分子も 0 になる( の不定形)。分子は で 0 になるのだから を因数にもつ。因数分解して約分する。

  1. 分子を因数分解する。
  2. では なので、 で約分できる。
  3. 代入する。

問 2 極限値 を求めよ。

方針  を代入すると の不定形。分母も分子も で 0 になるので、どちらも を因数にもつ。両方を因数分解して約分する。

  1. 分子を因数分解する。
  2. 分母を因数分解する。
  3. なので で約分する。
  4. を代入する。分子は 、分母は
  5. よって極限値は

問 3 極限値 を求めよ。

方針  を代入すると の不定形。根号があって因数分解できないので、分子を有理化して を作り、約分する。

  1. 分母と分子に をかける。分子は
  2. 式は になる
  3. なので で約分する。
  4. を代入する。 なので、分母は
  5. よって極限値は

問 4 極限値 を求めよ。

方針  を代入すると の不定形。分母にも分子にも根号があるので、両方を有理化する。分子からも分母からも が出て、約分できる。

  1. 分母と分子に をかける
  2. 分子は
  3. 分母は
  4. なので で約分する。
  5. を代入する。分子は 、分母は
  6. よって極限値は

問 5 等式 が成り立つように、定数 、 の値を定めよ。

、

方針  で分母は 0 に近づく。それでも極限値が存在するのだから、分子も 0 に近づかなければならない。これで を で表し、約分してから極限値が 3 になるように を決める。

  1. なので、極限値が存在するには が必要
  2. 多項式なので代入して、。よって
  3. 分子に代入する。
  4. なので約分する。
  5. のとき、 は に近づく
  6. これが 3 に等しいので 。よって
  7. に代入して、
  8. 確かめる。、 のとき、式は で、 のとき確かに 3 に近づく

問 6 等式 が成り立つように、定数 、 の値を定めよ。

、

方針  で分母は 0 に近づくので、極限値が存在するには分子も 0 に近づくことが必要。これで を で表すと、分子が の形になるので、有理化して約分する。

  1. なので、 が必要
  2. のとき なので、。よって
  3. 分子に代入する。
  4. 分母と分子に をかける。分子は
  5. 式は になり、 なので約分して
  6. のとき分母は に近づくので、極限値は
  7. これが 1 に等しいので 。よって
  8. に代入して、
  9. 確かめる。、 のとき、手順 5 の式は で、 のとき確かに 1 に近づく

このノートの 11 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 合成関数
片側からの極限と無限大 次

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