みならいノート

数学Ⅲ 2027年度版

立体の体積

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅲ (3) 積分法 ア (ウ)「定積分を利用して,いろいろな曲線で囲まれた図形の面積や立体の体積及び曲線の長さなどを求めること。」。このノートは、断面積を積分して求める立体の体積と、図形を軸のまわりに回転させてできる回転体の体積を扱います。

0. どういうまとまりか

立体を薄く切ると、1 枚の体積はおよそ(断面積)(厚さ)です。これを端から端まで足し合わせたものが体積なので、体積は断面積の定積分になります。
回転体は断面が円になる特別な場合で、断面積が (半径) と書けるだけです。公式はすべて「断面積を積分する」の 1 つから出ます。

立体 体積
軸に垂直な平面で切った断面積が ()
曲線 と 軸の間を、 軸のまわりに回転
2 曲線 、 の間()を、 軸のまわりに回転
曲線 と 軸の間を、 軸のまわりに回転

分かれ目は次の 3 つ。

1. 断面積と体積

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(3)-ア-(ウ)

回転体でない立体でも、切り口の面積が式で書ければ体積が求められます。

とする。 軸に垂直な平面で切ったときの断面積が である立体の、 の部分の体積 は?

厚さ の薄い板の体積 を足し合わせた極限。

回転体でない立体の体積を定積分で求めるとき、最初に決めるものは何か?

座標軸( 軸)をとる向きを決め、それに垂直な平面で切った断面の面積 を の式で表す

断面が三角形・正方形・長方形など、面積の出しやすい形になる向きを選ぶ。あとは を の範囲で積分するだけ。

底面積 、高さ の錐(円錐・角錐)の体積が になることは、定積分でどう導けるか?

頂点を原点とし、頂点から底面に下ろした垂線を 軸にとる。頂点から距離 の断面は底面と相似で、相似比が なので断面積は 。よって

面積の比は相似比の 2 乗。 から が出る。

2. x 軸のまわりの回転体

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(3)-ア-(ウ)

曲線 を 軸のまわりに 1 回転させると、 軸に垂直な断面は半径 の円になります。

とする。曲線 と 軸、2 直線 、 で囲まれた図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積 は?

断面は半径 の円で、断面積が 。

曲線 が 軸の下側()にあるとき、 軸のまわりの回転体の体積の式 は変わるか?

変わらない。断面の円の半径は で、2 乗すれば になる

面積とちがって、符号で区間を分ける必要がない。

区間 で のとき、2 曲線 、 と 2 直線 、 で囲まれた図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積 は?

外側の曲線がつくる回転体から、内側の曲線がつくる回転体をくり抜く。

2 曲線の間の図形を回転させた体積で、 としてはいけないのはなぜか?

断面が、半径 の円から半径 の円をくり抜いた輪の形で、その面積は だから

は、輪の幅を半径とする円の面積を出してしまう。2 乗してからひく。

半径 の球の体積 は、定積分でどう導けるか?

半円 ()を 軸のまわりに 1 回転させる。

。

3. y 軸のまわりの回転体

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(3)-ア-(ウ)

軸のまわりに回転させると、こんどは 軸に垂直な断面が円になります。半径は 軸からの距離 です。

とする。曲線 と 軸、2 直線 、 で囲まれた図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積 は?

断面は半径 の円。積分する変数は で、積分区間も の値の範囲。

曲線 で囲まれた図形を 軸のまわりに回転させた体積を で求めるとき、 はどうするか?

曲線の式から を の式で表す( なら 、 なら から )

の式のまま で積分することはできない。積分区間も の範囲でなく の範囲に直す。

【発展】 軸のまわりの回転体を円筒に分けて求める(範囲外の扱い)

とし、区間 で とする。曲線 と 軸、2 直線 、 で囲まれた図形を 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積は

考え方: 図形を 軸に平行な細い帯(幅 、高さ )に分ける。この帯を 軸のまわりに回すと、半径 、高さ 、厚さ の薄い円筒になり、体積はおよそ 。これを足し合わせる。

例: 曲線 ()と 軸で囲まれた図形を 軸のまわりに回転させると、部分積分で
。
で求めようとすると を の式に直すのが難しいので、この方法が効く。

この公式は教科書の本文には無い。記述式の答案では断りなく使わないほうがよい。検算に使うか、使うなら上の考え方を答案に一言書く。

4. 回転軸をまたぐ図形と媒介変数で表された曲線

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(3)-ア-(ウ)

2 曲線の間の図形を回す公式(外側の 2 乗 内側の 2 乗)は、図形が回転軸の片側にあることを前提にしています。同じ のところで軸の上下両側にまたがる図形は、回すと下側の部分が上側の部分と重なるので、重なりを数えすぎないようにします。

回転させる図形が回転軸( 軸)の両側にまたがっているとき、回転体の体積はどう求めるか?

軸の下側にある部分を 軸について上側に折り返し、もとの上側の部分と合わせた図形を回転させる

各 で、 軸から遠いほうの境界が外側の半径になる。折り返した曲線ともとの曲線の交点で、区間を分ける。

媒介変数 で表された曲線 、 と 軸の間の図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積 は?( が から まで動くとき が から まで増加する)

面積のときと同じく、 を に置きかえ、積分区間を の値に直す。媒介変数表示は、座標 を 1 つの変数 の関数で表す表し方(数学Cの内容)。

サイクロイド 、(、)と 軸で囲まれた図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積は?

で、この定積分の値が 。

練習問題

問 1 曲線 と 軸、直線 で囲まれた図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積を求めよ。

方針  軸のまわりの回転体なので、断面は半径 の円。断面積 を、図形のある で積分する。

  1. 曲線 は原点で 軸と交わるので、図形は の範囲にある
  2. 体積は
  3. なので、
  4. よって

問 2 放物線 と曲線 で囲まれた図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積を求めよ。

方針 2 曲線の間の図形を回すので、断面は輪の形になる。共有点を求めて区間を決め、どちらが外側( 軸から遠い側)かを調べて、 を計算する。

  1. 共有点を求める。 の両辺を 2 乗して
  2. から
  3. のとき、、 なので、 では 。外側が 、内側が
  4. 体積は
  5. なので、

ここで間違えやすい  としない(計算すると になり、正しい値より小さい)。2 乗してからひく。

問 3 曲線 と 軸、 軸、直線 で囲まれた図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積を求めよ。

方針  軸のまわりの回転体なので、 軸に垂直な断面が円になる。半径は 軸から曲線までの距離 なので、 を の式で表し、 を で積分する。

  1. を について解くと
  2. 図形は、 の範囲で、 軸と曲線 の間にある
  3. なので、体積は
  4. での値は 、 での値は
  5. よって

問 4 底面が半径 1 の円である立体がある。底面の 1 つの直径 AB に垂直な平面で切ると、切り口はいつも、底面の円の弦を 1 辺とする正三角形になる。この立体の体積を求めよ。

方針 回転体ではないので、断面積を積分する。直径 AB を 軸にとり、円の中心を原点とすると、 軸に垂直な切り口が正三角形になる。その 1 辺(弦の長さ)を で表して断面積 を作る。

  1. 底面の円を とし、AB を 軸上の にとる
  2. 座標 で AB に垂直な弦の両端は なので、弦の長さは
  3. 1 辺が の正三角形の面積は
  4. を入れると、
  5. 体積は
  6. は偶関数なので、
  7. なので、

問 5 放物線 と直線 で囲まれた図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積を求めよ。

方針 図形が 軸をまたぐので、 軸の下側の部分を上側に折り返してから回す。各 で 軸から遠いほうが外側の半径になるので、折り返した放物線 と直線 の上下を調べて区間を分ける。

  1. 共有点を求める。 から 、 で 。 のとき直線の 座標は 1、放物線の 座標は なので、この間では直線が上、放物線が下
  2. 放物線は で 軸の下側、 で上側にある。直線は で 軸の上側()
  3. では図形が 軸をまたぐ。放物線を折り返すと
  4. 折り返した放物線と直線を比べる。 なので、 では折り返した放物線が上、 では直線が上
  5. の部分。図形は 軸に届いているので断面は半径 の円。
  6. の部分。断面は半径 の円。
  7. の部分。図形は 軸の上側だけにあり、断面は外側の半径 、内側の半径 の輪。
  8. 手順 7 と 8 の差は
  9. 3 つの部分を足す。
  10. よって

ここで間違えやすい 全区間で としない。 では図形が 軸に届いているので、くり抜く部分は無い。

問 6 アステロイド 、()で囲まれた図形を、 軸のまわりに 1 回転させてできる回転体の体積を求めよ。

方針 曲線は 軸についても 軸についても対称なので、、 の部分()を回転させた体積を 2 倍する。 の を に置きかえて の積分に直す。

  1. を に変えると の符号だけが、 に変えると の符号だけが変わるので、曲線は 軸、 軸について対称
  2. の部分は 、 にあり、 に 、 に が対応する
  3. の部分の回転体の体積は で、全体はその 2 倍なので、
  4. なので、
  5. 負の符号で上端と下端を入れかえると、
  6. とおく。 で、 が 0 から まで動くとき は 1 から 0 まで動く
  7. なので、
  8. 展開する。
  9. 積分すると
  10. よって

ここで間違えやすい  の積分区間を 0 から のまま書かない。 が 0 から 1 まで増えるとき、 は から 0 へ減る。向きを逆にすると符号が反対になり、体積が負になる。

このノートの 13 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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