みならいノート

数学Ⅲ 2027年度版

漸化式と極限

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅲ (1) 極限 ア (ア)「数列の極限について理解し,数列{}の極限などを基に簡単な数列の極限を求めること。」。このノートは、漸化式で定められた数列の極限を、一般項を求める方法と、不等式ではさむ方法の 2 通りで扱います。

0. どういうまとまりか

漸化式で定められた数列の極限は、一般項が求められるなら、一般項を出してから の極限に持ち込みます。
一般項が求められないときは、極限値の見当をつけて とし、 が 0 に収束することを不等式で示します。どちらも、最後は数列の極限の基本である の収束・発散に帰着します。

漸化式の形 進め方
を引いて等比数列にし、一般項を求める
分数の形 問題の誘導( のおき方)に従い、 の極限から に戻す
一般項が求められない形 ()を作り、はさみうちの原理

分かれ目は次の 3 つ。

1. の一般項と極限

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(ア)

数学Bで学ぶ漸化式の解き方を使います。初項 、公比 の等比数列の一般項は です。

漸化式 ()を等比数列の形に直すには?

を満たす を求め、漸化式から辺々引いて とする

数列 が、初項 、公比 の等比数列になる。

漸化式 ()で定められる数列の一般項は?( の解を とする)

の を移項した形。。

で のとき、 は?

のとき が 0 に収束するので、 の項が消える。初項 が何であっても同じ に収束する。

で のとき、数列 が収束するための の条件は?()

のときは正または負の無限大に発散し、 のときは振動する。 のときだけは、 によらずすべての項が になる。

2. 極限値の候補

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(ア)

一般項が求められない漸化式でも、収束すると仮定すれば、極限値が満たす式が作れます。

数列 が に収束するとき、 は?

は の番号を 1 つずらしただけの数列なので、同じ値に収束する。

漸化式 で定められる数列が に収束すると仮定すると、 が満たす式は?

漸化式の両辺で とすると、左辺の も右辺の も に収束する。 なら というように、ほかの形の漸化式でも同じ考え方で候補が出る。

漸化式の と を に置きかえた式を解いて が出たら、数列 は に収束するといえるか?

いえない。 は「収束するとしたらこの値」という候補で、収束することは別に示す必要がある

、 では から が出るが、項は で正の無限大に発散する。

3. 不等式で収束を示す

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(ア)

極限値の候補 と との差が、1 回ごとに一定の割合以下に縮むことを示せば、はさみうちの原理で収束がいえます。

正の定数 について、すべての で が成り立つとき、 を を使って上からおさえると?

不等式をくり返し使う。 と 回使うと に届く。

()から、 をどう示すか?

で、 から右辺は 0 に収束する。はさみうちの原理から が 0 に収束するので、

左側の「」を書き落とさない。両側からはさんで初めて、はさみうちの原理が使える。

すべての で が成り立てば、数列 は に収束するといえるか?

いえない。 によらない定数 ()で とおさえる必要がある

、 とすると、 は減り続けるが、極限値は 1 で 0 ではない。差が縮むだけでは足りない。

のとき、 を を使って表すには、どう変形するか?

分子を有理化する。

分子は 。分母が 2 より大きいことから、 が出る。

4. 分数の形の漸化式

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(1)-ア-(ア)

の形は、そのままでは等比数列になりません。入試では置きかえ方が問題文に示されます。

分数の形の漸化式 で定められる数列の極限は、ふつうどう進めるか?

問題の誘導に従って や などとおき、 の漸化式に直して一般項を求め、 を で表し直して極限をとる

、 は、 の解。置きかえると、 は等比数列や等差数列など、一般項が求められる形になる。

で のとき、 はどう求めるか?

分母と分子を で割って とし、 が 0 に収束することを使う。極限値は 2

の不定形なので、そのまま極限をとれない。 の分数式と同じ扱い。

練習問題

問 1 、 で定められる数列 の一般項と、極限 を求めよ。

、

方針  の形なので、 を満たす を引いて等比数列に直す。一般項が出れば、 が 0 に収束することから極限が分かる。

  1. を解く。 から、
  2. 漸化式から を辺々引いて、
  3. 数列 は、初項 、公比 の等比数列。よって
  4. 6 を移項して、
  5. なので、 は 0 に収束する。よって

問 2 、 で定められる数列 の極限を調べよ。

正の無限大に発散する()

方針  の形なので、 を満たす を引いて一般項を求める。公比が 3 で 1 より大きいので、収束するかどうかは一般項を見て決める。

  1. を解く。 から、
  2. 漸化式から を辺々引いて、
  3. 数列 は、初項 、公比 3 の等比数列。よって
  4. 1 を移項して、
  5. なので は正の無限大に発散する。よって も正の無限大に発散する

ここで間違えやすい 手順 1 で出た を極限値と答えない。項は と増えていく。 が極限値になるのは、公比の絶対値が 1 より小さいとき。

問 3 、 で定められる数列 について、 とおく。(1) を で表せ。(2) を求めよ。

(1)  (2)

方針  の分子 と分母 を、漸化式を使ってそれぞれ の式に直す。すると が等比数列になるので一般項が出る。最後に を で表し直して極限をとる。 の分母 が 0 にならないことは、はじめに確かめておく。

  1. の分母を計算する。
  2. で、 ならば手順 1 の右辺は分母も分子も正なので 。よって、すべての で で、 の分母 は 0 にならない
  3. の分子を計算する。
  4. 割り算する。((1) の答え)
  5. 初項は 。数列 は初項 2、公比 の等比数列なので、
  6. を で表す。 を展開して を左辺に集めると、
  7. なので は 0 でない。両辺を割って、
  8. なので、。このままでは不定形なので、分母と分子を で割って
  9. は 0 に収束するので、

問 4 、 で定められる数列 について、(1) を示せ。(2) を求めよ。

(1) 下の手順 1〜4 のとおり (2)

方針 一般項が求められない形。収束すると仮定すれば から が候補になるので、 と 2 との差が 1 回ごとに半分以下になることを示し、はさみうちの原理で収束をいう。 は根号を含む差なので、有理化して を取り出す。

  1. で、 ならば 。よって、すべての で
  2. 分子を有理化する。
  3. なので、分母は 。よって
  4. 手順 2 の両辺の絶対値をとると、((1) が示せた)
  5. (1) の不等式をくり返し使うと、
  6. なので は 1。よって
  7. は 0 に収束するので、はさみうちの原理から は 0 に収束する。よって

ここで間違えやすい 「 を解いて 、よって極限値は 2」で終わらせない。それは収束すると仮定したときの候補で、手順 5〜7 のはさみうちが収束の証明になる。

問 5 、 で定められる数列 について、(1) を示せ。(2) を求めよ。

(1) 下の手順 1〜5 のとおり (2)

方針 収束すると仮定すれば 、つまり から、正の が候補になる。 を通分して をくくり出し、残った係数の絶対値が 1 より小さい定数でおさえられることを示す。

  1. で、 ならば 。よって、すべての で
  2. 通分する。
  3. なので、分子は とくくれる。よって
  4. 両辺の絶対値をとる。 なので、
  5. から なので、。よって ((1) が示せた)
  6. (1) の不等式をくり返し使うと、
  7. は約 0.41 で、。よって は 0 に収束する
  8. はさみうちの原理から は 0 に収束するので、

このノートの 13 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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