みならいノート

数学Ⅲ 2027年度版

平均値の定理

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅲ (2) 微分法 ア (エ)「導関数を用いて,いろいろな曲線の接線の方程式を求めたり,いろいろな関数の値の増減,極大・極小,グラフの凹凸などを調べグラフの概形をかいたりすること。」。このノートは、導関数の符号から関数の増減が読める根拠になる平均値の定理と、その不等式への使い方を扱います。

0. どういうまとまりか

区間の両端を結ぶ直線の傾き(平均変化率)と同じ傾きの接線が、区間の途中のどこかで必ず引ける、というのが平均値の定理です。
「どこか」の場所 は分からなくても、 という範囲だけで の大きさが評価でき、それが不等式の証明や、導関数の符号と増減の関係の根拠になります。

項目 中身
前提 が閉区間 で連続、開区間 で微分可能
結論 、 を満たす実数 が存在する
図形的な意味 両端の点を結ぶ直線と平行な接線が、区間の途中で引ける
使いどころ や の形を含む不等式・極限

分かれ目は次の 3 つ。

1. 平均値の定理

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(2)-ア-(エ)

の場合は「、 を満たす が存在する」という形になり、これをロルの定理といいます。平均値の定理は、それを両端の高さが違う場合に広げたものです。

平均値の定理の結論は?( は閉区間 で連続、開区間 で微分可能とする)

、 を満たす実数 が存在する

左辺は区間 での平均変化率、右辺は での微分係数。 は区間の端を含まない。

平均値の定理が成り立つための、関数 についての前提 2 つは?

閉区間 で連続であること、開区間 で微分可能であること

微分可能なら連続なので、 を含む区間で微分可能な関数なら 2 つとも満たす。端点 、 での微分可能性は要らない。

平均値の定理の図形的な意味は?

曲線 上の 2 点 、 を結ぶ直線 AB と平行な接線が、A と B の間の曲線上のどこかで引ける

直線 AB の傾きが 、接線の傾きが 。

平均値の定理を、 とおいて の式に書き直すと?

、 を満たす実数 が存在する

は と の間にあるので、()と表せる。この形は のときも成り立つ。

2. 条件を満たす c を求める

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(2)-ア-(エ)

具体的な関数と区間が与えられれば、 は方程式を解いて求められます。求めた が区間の内部にあることまで確かめます。

関数 と区間 について、平均値の定理の式を満たす の値は、どう求めるか?

平均変化率 を計算し、方程式 を解いて、 を満たす解だけを選ぶ

区間の外に出た解や、端点 、 と一致する解は捨てる。

平均値の定理の式を満たす は、1 つの区間にただ 1 つか?

1 つとは限らない。定理が保証するのは少なくとも 1 つ存在することだけ

、区間 では平均変化率が 0 で、 を満たす は と の 2 つある。

は区間 で連続だが、平均値の定理の式を満たす が存在しない。前提のどこが欠けているか?

で微分可能でないので、「開区間 で微分可能」が満たされない

平均変化率は 0 だが、 は で 、 で 1 で、0 になる点が無い。

3. 不等式の証明への利用

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(2)-ア-(エ)

の場所が分からなくても、 という範囲があれば を上下からはさめます。これが不等式になります。

不等式の証明で、平均値の定理を使うとよいのは、式にどんな形があるときか?

の形、または同じ関数の 2 つの値の差 があるとき

、、 のように、同じ関数に と を入れた差が目印。

平均値の定理で不等式を証明するとき、 の大きさはどうやって評価するか?

と の増減から、 を と ではさむ(または のように、 がどこにあっても成り立つ不等式を使う)

が減少するなら 、増加するなら 。 の値そのものは求めない。

4. 導関数の符号と増減の根拠

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(2)-ア-(エ)

「 なら増加する」は図から明らかに見えますが、証明は平均値の定理によります。区間内の 2 点 について と書けるからです。

「ある区間で常に ならば、 はその区間で増加する」は、平均値の定理からどう示されるか?

区間内の任意の 2 数 について、、 となる があり、、 だから

なら同じ式から となり、減少する。

ある区間で常に ならば、 はその区間でどんな関数か?

定数関数(その区間で一定の値をとる)

区間内の任意の 2 数 について となるので、。

ある区間で常に ならば、 と の関係は?

( は定数)

なので、差 がその区間で定数になる。不定積分に積分定数が付く理由でもある。

練習問題

問 1 関数 と区間 について、平均値の定理の式 、 を満たす の値を求めよ。

方針 左辺の平均変化率は数として計算できる。右辺は に を入れた式なので、 についての方程式になる。解いたあと、 を満たすことを確かめる。

  1. は で連続、 で微分可能なので、定理が使える
  2. 微分する。
  3. 平均変化率を求める。、 なので、
  4. 方程式は
  5. 逆数をとって なので、
  6. 両辺を 2 乗して、
  7. なので、区間の内部にある

問 2 関数 と区間 について、平均値の定理の式を満たす の値を求めよ。

方針 平均変化率を計算し、 と等しいとおいて を求める。 が にあることも確かめる。

  1. は で連続、 で微分可能なので、定理が使える
  2. 微分する。
  3. 、 なので、平均変化率は
  4. 方程式は
  5. よって
  6. は 2.718… なので は 1.718… で、 を満たす

問 3  のとき、不等式 が成り立つことを証明せよ。

に区間 で平均値の定理を使い、 を ではさむ

方針 中央の式は、 の区間 での平均変化率の形をしている。平均値の定理でこれを に置きかえ、 から の範囲を出す。

  1. とおく。 なので、 は で連続、 で微分可能
  2. 平均値の定理から、、 を満たす実数 が存在する
  3. で、正の数は大きいほど逆数が小さいので、
  4. 手順 3 の等式で を置きかえると、

ここで間違えやすい 手順 4 で逆数をとると不等号の向きが逆になる。 から としない。

問 4 すべての実数 、 について、不等式 が成り立つことを証明せよ。

に平均値の定理を使い、 を用いる( のときは両辺が 0)

方針 左辺は同じ関数 の 2 つの値の差なので、平均値の定理で と書ける。 がどこにあっても なので、それで評価する。定理は の形で使うので、 の場合を先に分けておく。

  1. のとき、左辺も右辺も 0 なので、不等式は等号で成り立つ
  2. のとき。 と を入れかえても両辺の値は変わらないので、 としてよい
  3. はすべての実数で微分可能なので、 で連続、 で微分可能。
  4. 平均値の定理から、、 を満たす実数 が存在する
  5. 分母をはらって、
  6. 両辺の絶対値をとると、
  7. なので、
  8. 、 なので、示すべき不等式が得られる

ここで間違えやすい  の場合を落とさない。平均値の定理は の区間に対する定理なので、 のときは使えない。

問 5 極限 を求めよ。ただし、 のとき であることは用いてよい。

1

方針 分子は に と を入れた値の差、分母はその と の差なので、関数 の平均変化率の形になっている。平均値の定理で に置きかえ、 をはさみうちの原理で 0 に近づける。

  1. とおく。 はすべての実数で微分可能で、
  2. のとき なので、区間 で平均値の定理が使える
  3. 、 を満たす実数 が存在する
  4. のとき、 かつ
  5. なので、はさみうちの原理から
  6. は連続なので、 のとき
  7. よって、求める極限は 1

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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