区分求積法
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅲ (3) 積分法 ア (ウ)「定積分を利用して,いろいろな曲線で囲まれた図形の面積や立体の体積及び曲線の長さなどを求めること。」。このノートは、長方形の面積の和の極限を定積分で求める区分求積法を扱います。
0. どういうまとまりか
区間 を 等分し、それぞれの小区間の上に、右端 での高さ の長方形を立てます。
長方形は幅 、高さ なので、面積の和は です。
を大きくすると長方形は細くなり、面積の和は曲線 と 軸の間の面積、つまり定積分 に近づきます。これが区分求積法です
( が負の値をとるときも、式は同じ形で成り立ちます)。
和の記号 は、 を表します(数学Bの内容)。
| 和の形 | 定積分 |
|---|---|
分かれ目は次の 3 つ。
- まず をくくり出す。残りを だけの式に直せなければ、区分求積法は使えない
- 積分区間は、 が動く範囲で決まる。 が 1 から まで動けば は 0 から 2 まで動くので、積分区間は 0 から 2
- は 、 は に置きかわる。 を 2 つくくり出したり、1 つも残さなかったりしない
1. 区分求積法の式
根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(3)-ア-(ウ)
は区間 で連続な関数とします。
区分求積法の式は?( を定積分で表す)
が で連続のとき成り立つ。和の極限を、定積分の計算に置きかえられる。
区分求積法の式 で、 と は、図では何を表すか?
は長方形の幅、 は長方形の高さ。全体は 個の長方形の面積の和
区間 を 等分したときの小区間の幅が 、 番目の小区間の右端が 。
区分求積法で、和を でなく にすると、極限の値は変わるか?
変わらない。どちらも
は、各小区間の左端での高さを使った長方形の和。2 つの和の差は で、 のとき 0 に収束する。
2. 定積分に直す手順
根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(3)-ア-(ウ)
与えられた和は、たいてい の形をしていません。自分でこの形に直します。
和の極限を区分求積法で求めるとき、式をどう変形するか?(手順)
を 1 つくくり出し、残りを だけの式に直す
そのうえで、 を に、 を に、 を に置きかえる。
を、 の形に直すと?
の分母と分子を で割ると、。よって 。
3. 和の範囲と積分区間
根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(3)-ア-(ウ)
和をとる の範囲が 1 から でないときは、 がどこからどこまで動くかを見ます。それが積分区間になります。
は、その積分区間で連続であるとします。
を定積分で表すと?
が 1 から まで動くとき、 は から 2 まで動く。幅 の長方形が 個並び、区間 をおおう。
を定積分で表すと?
が から まで動くとき、 は から 2 まで動く。下端は の動きはじめの極限、上端は動きおわりの極限。
区分求積法で、積分区間の下端と上端は何で決まるか?
が動く範囲。 の最初の値と最後の値を で割り、 としたときの極限が、下端と上端
なら 0 から 1、 なら 0 から 3。
4. よく出る極限
根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(3)-ア-(ウ)
次の 3 つは、直したあとの被積分関数がそれぞれ 、、 になります。
の値は?( の極限)
と直して、。
の値は?
は なので、。 で、 から をひく。
の値は?
分母と分子を で割ると 。 を の置きかえで計算する。
練習問題
問 1 極限 を、区分求積法で求めよ。
方針 分子は の和。 を 1 つくくり出すと、残りは 、つまり の 2 乗になる。
- 和の記号で書く。
- をくくり出す。 なので、
- とすると区分求積法の形なので、極限は
- 積分する。 で、
問 2 極限 を求めよ。
方針 分母と分子を で割って をくくり出すと、残りが の式になる。 は 1 から まで動くので、積分区間は 0 から 1。
- 分母と分子を で割る。
- よって
- とすると区分求積法の形なので、極限は
- 積分する。 で なので、
- 上端は 、下端は 。ひいて で、
問 3 極限 を求めよ。
方針 を と分け、 を和の中に入れると ができる。
- 和の記号で書く。
- を和の中に入れる。 なので、
- とすると区分求積法の形なので、極限は
- の不定積分は 。よって で、
問 4 極限 を求めよ。
方針 式の変形は のときと同じ。違うのは和の範囲で、 が 1 から まで動くので は 0 から 2 まで動く。積分区間が 0 から 2 になる。
- 分母と分子を で割る。
- よって
- が 1 から まで動くとき、 は から 2 まで動く。よって極限は
- 積分する。
- 上端は 、下端は で 0。よって
ここで間違えやすい 積分区間を 0 から 1 のままにして と答えてしまう。項の数が 個あるので、長方形は区間 に並んでいる。
問 5 極限 を求めよ。
方針 根号の中を でくくって を外に出すと、 と の式に分かれる。直したあとの定積分は を含むので、 とおく置換積分法で計算する。
- 根号の中を でくくる。
- なので 。よって
- とすると区分求積法の形なので、極限は
- とおく。 で、 のとき 、 のとき から
| 0 から 1 | |
|---|---|
| 0 から |
- では なので、
- 置きかえる。 は で、 だけが残る
- 積分する。 で、
問 6 極限 を求めよ。
方針 すでに区分求積法の形で、。定積分 は部分積分法で計算する。積分する側の 1 の不定積分を でなく にとると、残りの定積分が約分できて楽になる。
- とすると、極限は
- を微分する側、1 を積分する側にする。 で、1 の不定積分として をとる( を微分すると 1 になる)
- 部分積分法の式にあてはめる。
- かっこの部分を数にする。上端は 、下端は で 0。よって
- 残りの定積分は、約分して で、1
- よって
この結果を使うと、 の極限も求められる。この式の対数をとると問 6 の和になるので、対数の極限が 、つまり で、もとの式の極限は 。