みならいノート

数学Ⅲ 2027年度版

グラフの概形

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅲ (2) 微分法 ア (エ)「導関数を用いて,いろいろな曲線の接線の方程式を求めたり,いろいろな関数の値の増減,極大・極小,グラフの凹凸などを調べグラフの概形をかいたりすること。」。このノートは、増減・凹凸・漸近線を 1 枚の表にまとめて、分数関数や指数関数・対数関数のグラフをかく手順を扱います。

0. どういうまとまりか

数学Ⅱでは増減表だけでグラフをかきました。数学Ⅲで扱う関数は、定義されない点があったり、遠くで直線に近づいたりするので、増減に加えて凹凸と漸近線まで調べてからかきます。
調べる項目は決まっているので、上から順に埋めていけばグラフの形が決まります。

調べる項目 何で調べるか
定義域 分母が 0 にならない、根号の中が 0 以上、 の真数が正
対称性と周期 を と比べる。三角関数は周期
増減と極値 の符号
凹凸と変曲点 の符号
漸近線 定義域の端と での極限
座標軸との共有点 の解と

分かれ目は次の 3 つ。

1. 調べる項目と対称性

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(2)-ア-(エ)

グラフをかく前に、調べる項目を決めておきます。対称性や周期があれば、調べる範囲が半分や 1 周期分で済みます。

グラフの概形をかくときに調べる項目を 6 つ挙げると?

定義域、対称性と周期、増減と極値、凹凸と変曲点、漸近線、座標軸との共有点

増減は の符号、凹凸は の符号、漸近線は極限で調べる。

偶関数、奇関数のグラフは、それぞれ何について対称か?

偶関数()のグラフは 軸について対称、奇関数()のグラフは原点について対称

対称なら の範囲だけ調べて、残りは折り返す(偶関数)か、原点のまわりに半回転させる(奇関数)。

増減と凹凸を 1 つの表にまとめるとき、表の の行に区切りとして並べる値は?

となる 、 となる 、定義されない

行は 、、、。 には増減(↗・↘)と凹凸(上に凸・下に凸)の両方を書くので、このノートでは「増減」の行と「凹凸」の行に分けて書く。

2. 漸近線の求め方

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(2)-ア-(エ)

曲線が遠くで限りなく近づいていく直線が漸近線です。 軸に垂直なもの、 軸に平行なもの、斜めのものの 3 種類があり、どれも極限で求めます。

曲線の漸近線とは何か?

曲線上の点が原点から限りなく遠ざかるとき、曲線が限りなく近づいていく直線

曲線は漸近線に近づくだけで、漸近線と交わることもある( は漸近線の 軸と原点で交わる)。

直線 が曲線 の漸近線になるのは、どんなときか?

、 の少なくとも一方が または になるとき

分数関数なら分母が 0 になる 、 を含む関数なら真数が 0 に近づく が候補になる。

直線 が曲線 の漸近線になるのは、どんなときか?

または となるとき

片方の側だけで成り立つこともあるので、 と を別々に調べる。

軸に垂直でない漸近線 の 、 は、どんな極限で求めるか?( の側)

、

2 つの極限がともに有限の値になるとき、直線 が漸近線。 の側も同じ式で別に調べる。 のときが 軸に平行な漸近線。

分数関数 の漸近線は?

直線 と直線

分子を分母で割ると 。 で なので に近づき、 で発散するので も漸近線。

3. グラフをかくために知っておく極限

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(2)-ア-(エ)

指数関数・対数関数と の積や商は、 での極限がすぐには分かりません。次の 2 つは、入試では問題文で与えられるのが普通ですが、知っておくとグラフがかけます。

の値は?

0

は よりずっと速く大きくなる。入試では問題文で与えられるのが普通で、知っておくとグラフがかける。 の漸近線はこれで決まる。

の値は?

0

は よりずっとゆっくり大きくなる。入試では問題文で与えられるのが普通で、知っておくとグラフがかける。 の漸近線はこれで決まる。

4. 代表的な曲線

根拠: 学習指導要領 数学Ⅲ-(2)-ア-(エ)

よく出る曲線は、漸近線と対称性を先に覚えておくと、増減表を作ったあとの確かめになります。

曲線 の漸近線は?

直線 ( 軸)と直線

で 、 で 。また ()。奇関数なので、グラフは原点について対称。

曲線 の漸近線は?

直線 ( 軸)。ただし近づくのは の側だけ

。 では となり、漸近線は無い。

曲線 は何について対称で、漸近線は何か?

軸について対称(偶関数)で、漸近線は直線 ( 軸)

で最大値 1 をとり、 で 。常に なので、 軸とは交わらない。

練習問題

問 1 曲線 の漸近線の方程式を求めよ。

直線 と直線

方針 分数関数の漸近線は、分子を分母で割って「整式+分子の次数が低い分数」の形にすると読める。分数の部分は で 0 に近づくので整式の部分が斜めの漸近線になり、分母が 0 になる が 軸に垂直な漸近線になる。

  1. 分子を で割る。
  2. よって
  3. のとき なので、。直線 は漸近線
  4. のとき 、 のとき なので、直線 は漸近線

ここで間違えやすい 割り算をせずに「分母が 0 になる だけ」と答えない。分子の次数が分母より 1 だけ高い分数関数には、斜めの漸近線がある。

問 2 関数 の増減、極値、グラフの凹凸、漸近線を調べよ。

で極大値 、 で極小値 2。 で上に凸、 で下に凸(変曲点は無い)。漸近線は直線 と直線

方針 定義域は 。 の符号で増減を、 の符号で凹凸を調べて 1 つの表にまとめる。漸近線は、定義域の切れ目 と での極限から求める。

  1. 微分する。
  2. となるのは、
  3. もう 1 回微分する。
  4. は で負、 で正。 となる は無い
  5. 極値を求める。 のとき 、 のとき
  6. 表にまとめる( では定義されない)
0 1
0 なし 0
なし
の増減 ↗ ↘ なし ↘ 2 ↗
の凹凸 上に凸 上に凸 上に凸 なし 下に凸 下に凸 下に凸
  1. のとき 、 のとき なので、直線 は漸近線
  2. のとき なので、直線 は漸近線
  3. なので奇関数で、グラフは原点について対称。 軸、 軸とは共有点をもたない

ここで間違えやすい 極大値 が極小値 2 より小さいが、誤りではない。 でグラフが切れているので、極値は左右の枝で別々に比べたものになる。また の前後で凹凸が変わるが、 は定義域に無いので変曲点ではない。

問 3 関数 の増減、極値、グラフの凹凸、変曲点、漸近線を調べよ。ただし、 を用いてよい。

で極大値 (極小値は無い)。 で上に凸、 で下に凸で、変曲点は 。漸近線は直線 ( 軸)

方針 定義域は実数全体。積の導関数で 、 を求め、 なので残りの因数の符号だけを見て表を作る。漸近線は と を別々に調べる。

  1. 微分する。
  2. もう 1 回微分する。
  3. なので、 の符号は の符号、 の符号は の符号と同じ
  4. となるのは 、 となるのは
  5. のとき 、 のとき
  6. 表にまとめる
1 2
0
0
の増減 ↗ ↘ ↘
の凹凸 上に凸 上に凸 上に凸 変曲点 下に凸
  1. のとき なので、直線 は漸近線
  2. のとき、 かつ なので 。こちらの側に漸近線は無い
  3. となるのは だけなので、グラフは原点を通る

ここで間違えやすい 「 軸が漸近線だから でも 軸に近づく」としない。左の側ではグラフは限りなく下がっていく。

問 4 関数 の増減、極値、グラフの凹凸、変曲点、漸近線を調べよ。ただし、 を用いてよい。

で極大値 (極小値は無い)。 で上に凸、 で下に凸で、変曲点は 。漸近線は直線 ( 軸)と直線 ( 軸)

方針 真数は正なので、定義域は 。商の導関数で 、 を求め、分母は正なので分子の符号だけを見て表を作る。漸近線は、定義域の端 と の極限から求める。

  1. 微分する。
  2. もう 1 回微分する。分子は
  3. よって
  4. となるのは から
  5. となるのは から
  6. のとき 、 のとき
  7. 表にまとめる(定義域は )
0
なし 0
なし 0
の増減 なし ↗ ↘ ↘
の凹凸 なし 上に凸 上に凸 上に凸 変曲点 下に凸
  1. のとき、、 なので、積 。直線 は漸近線
  2. のとき なので、直線 は漸近線
  3. となるのは から 。グラフは点 で 軸と交わる

ここで間違えやすい  の極限を、与えられた極限と同じとみて 0 としない。こちらは「負の無限大 × 正の無限大」で と決まる形で、与えられた極限を使うのは の側だけ。

問 5 関数 の増減、極値、グラフの凹凸、変曲点、漸近線を調べよ。

で極大値 1(極小値は無い)。 と で下に凸、 で上に凸で、変曲点は と 。漸近線は直線 ( 軸)

方針 定義域は実数全体。合成関数の導関数で を、積の導関数で を求める。 なので、残りの因数の符号を見て表を作る。偶関数なので、 軸について対称になることを確かめに使う。

  1. 微分する。
  2. もう 1 回微分する。
  3. 因数分解する。
  4. となるのは 。 の符号は の符号と同じで、 で正、 で負
  5. となるのは から 。 の符号は の符号と同じで、 で負、その外側で正
  6. のとき 、 のとき なので
  7. 表にまとめる
0
0
0 0
の増減 ↗ ↗ 1 ↘ ↘
の凹凸 下に凸 変曲点 上に凸 上に凸 上に凸 変曲点 下に凸
  1. のとき なので 。直線 は漸近線
  2. なので偶関数で、グラフは 軸について対称。常に なので 軸とは交わらず、 軸とは点 で交わる

このノートの 13 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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