直線の方程式
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅱ (2) 図形と方程式 ア (イ)「座標平面上の直線や円を方程式で表すこと。」。
0. どういうまとまりか
直線は「通る 1 点と傾き」か「通る 2 点」で決まります。これを式にしたものが直線の方程式です。
の形では 軸に平行な直線を表せないので、どんな直線も表せる一般形 も使います。
| 分かっていること | 直線の方程式 |
|---|---|
| 点 と傾き | |
| 2 点 、() | |
| 2 点の 座標が等しい() | |
| 切片 、 切片 (、) |
分かれ目は次の 3 つ。
- 平行は傾きが等しい、垂直は傾きの積が 。一般形なら係数で (平行)、(垂直)
- 点と直線の距離は、直線を一般形 に直してから式に入れる
- 直線に関して対称な点は、「結ぶ線分が直線に垂直」と「中点が直線上」の 2 つの条件で求める
1. 直線の方程式の形
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(2)-ア-(イ)
直線上の点 と通る点 を結ぶと、その傾きはいつも直線の傾き に等しくなります。これを式にしたものが直線の方程式です。
点 を通り、傾きが の直線の方程式は?
直線上の点 と を結ぶ傾き が に等しい、という式の分母を払ったもの。
異なる 2 点 、 を通る直線の方程式は?
なら 、 なら
傾きを 2 点から出して、1 点と傾きの式に入れる。 座標が等しいときは傾きが定義できず、 軸に平行な直線になる。
2 点 、 を通る直線の方程式は?
傾きは 。 を整理する。
直線の方程式の一般形とは? また、 の形より何がよいか?
(、 の少なくとも一方は 0 でない)。 軸に平行な直線( のとき )も表せる
なら と変形でき、傾きは 。
切片が 、 切片が の直線の方程式は?(、)
のとき 、 のとき になることで確かめられる。
2. 2 直線の平行と垂直
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(2)-ア-(イ)
直線の向きは傾きで決まります。2 直線の関係は、傾きどうしを比べて判断します。
2 直線 、 が平行になる条件と、垂直になる条件は?
平行: 。垂直:
かつ なら 2 直線は一致する(一致も平行に含めることがある)。
一般形の 2 直線 、 が平行になる条件と、垂直になる条件は?
平行: 。垂直:
傾きの式に直さずに判定でき、 軸に平行な直線を含む場合もそのまま使える。
点 を通り、直線 に平行な直線と、垂直な直線の方程式は?
平行: 。垂直:
平行な直線は 、 の係数をそのまま使う。垂直な直線は係数を入れかえて一方の符号を変える(垂直の条件 を満たす)。
3. 点と直線の距離
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(2)-ア-(イ)
点から直線へ下ろした垂線の長さを、点と直線の距離といいます。直線を一般形にしておけば、公式 1 つで出せます。
点 と直線 の距離 は?
分子は直線の式の左辺に点の座標を代入した値の絶対値。直線が の形なら、先に に直す。
点 と直線 の距離は?
2
。
直線 に関して点 と対称な点 を求めるときの 2 つの条件は?
直線 が に垂直であること、線分 の中点が 上にあること
とおき、傾きの積が の式と、中点を の式に代入した式を連立する。
【発展】2 直線の交点を通る直線
交わる 2 直線 、 について、 は、 がどんな値でも 2 直線の交点を通る直線を表す。
交点の座標を代入すると、両方のかっこが 0 になるからである。交点を求めずに「交点と別の 1 点を通る直線」を出すときに使う。
練習問題
問 1 2 点 、 を通る直線の方程式を求めよ。
方針 通る 2 点が分かっているので、まず 2 点から傾きを出し、次に「1 点と傾き」の式 に入れる。
- 傾きは、 の増加量を の増加量で割る。
- 点 を通り傾き なので、、すなわち
- 右辺を展開して、
- を移項して、
確かめ: もう 1 点 の 座標を入れると で、たしかに通る。
ここで間違えやすい 傾きの分母は 。負の数を引くので、足し算になる。
問 2 点 を通り、直線 に平行な直線と、垂直な直線の方程式を求めよ。
平行: 。垂直:
方針 一般形 の直線に平行な直線は、、 の係数をそのまま使う。垂直な直線は、係数を入れかえて一方の符号を変える。通る点 は、 を に、 を にかえることで入れる。
- もとの直線の係数は 、
- 平行な直線は の形。 なので、
- 展開して 、整理して
- 垂直な直線は の形なので、
- 両辺に を掛けて、
- 展開して 、整理して
確かめ: 傾きで見ると、もとの直線の傾きは 、垂直な直線の傾きは で、積は になっている。
問 3 点 と直線 の距離を求めよ。
方針 点と直線の距離の公式 を使う。直線がすでに一般形 になっているので、、、 と点の座標をそのまま入れられる。
- 分子の中身は、直線の式の左辺に点 を代入した値。
- その絶対値をとって、分子は 5
- 分母は、、 の係数の 2 乗の和の平方根。
- 距離は 。分母と分子に を掛けて有理化すると、
ここで間違えやすい 代入した値は だが、距離は負にならない。絶対値をとって 5 にする。
問 4 直線 に関して、点 と対称な点 の座標を求めよ。
方針 直線 に関して対称な点は、2 つの条件で決まる。「直線 が に垂直」と「線分 の中点が 上にある」である。 とおくと分からない文字が 2 つなので、この 2 条件から式を 2 本立てて連立する。
- とおく。
- 直線 の傾きは 。 の傾きは 1 で、垂直なら傾きの積が なので、
- 両辺に を掛けて 、すなわち …①
- 線分 の中点は 。これが 上にあるので、
- 両辺を 2 倍して 、すなわち …②
- ①と②の右辺どうしが等しいので、。移項して から、
- ②に入れて、 は 。よって
確かめ: の中点は で、 なので 上にある。直線 の傾きは で、 に垂直。
ここで間違えやすい 手順 5 で両辺を 2 倍するとき、右辺の 1 も 2 倍する。
問 5 2 直線 、 が平行になる の値と、垂直になる の値を求めよ。
平行: 、。垂直:
方針 一般形の 2 直線 、 は、平行なら 、垂直なら 。傾きに直すと、 のとき( の係数が 0 になるとき)を別に調べることになるので、係数のまま判定する。
- 係数を読む。、、、
- 平行の条件 に入れて、
- 展開して、
- 因数分解して から、、
- 2 直線が一致していないか確かめる。 のとき 2 直線は 、。 のとき 、。どちらも別の直線なので、平行である。
- 垂直の条件 に入れて、
- 展開して 、すなわち から、
ここで間違えやすい は「平行または一致」の条件。出てきた を入れて、2 直線が一致していないことを確かめる。
問 6 3 点 、、 を頂点とする三角形の面積を、辺 を底辺とみて、点と直線の距離を使って求めよ。
12
方針 三角形の面積は、底辺と高さを掛けて 2 で割る。底辺を にとると、高さは頂点 から直線 に下ろした垂線の長さ、つまり点 と直線 の距離になる。だから、直線 の方程式(一般形)、 との距離、 の長さの順に出す。
- 直線 の傾きは
- 点 を通るので 、すなわち 。一般形に直して
- 高さは と直線 の距離。
- 底辺は 2 点 、 の距離。
- 面積は ( なので、)
確かめ: を底辺とすれば、高さは の 座標の 4 なので、。同じ値になる。