円の方程式
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅱ (2) 図形と方程式 ア (イ)「座標平面上の直線や円を方程式で表すこと。」。
0. どういうまとまりか
円は「中心から等しい距離にある点の集まり」です。中心と点の距離を二点間の距離の式で書いて 2 乗すると、円の方程式になります。
展開した形(一般形)から中心と半径を読むには、 と をそれぞれ平方完成します。
| 形 | 式 | 読めるもの |
|---|---|---|
| 標準形 | 中心 、半径 | |
| 原点が中心 | 中心 、半径 | |
| 一般形 | 平方完成してから中心と半径 |
分かれ目は次の 3 つ。
- 中心と半径が分かる(求めやすい)ときは標準形、通る 3 点が分かるときは一般形で置く
- 一般形は、平方完成した右辺が正のときだけ円を表す(0 なら 1 点、負なら図形を表さない)
- 標準形の右辺は半径の 2 乗。 の半径は 9 ではなく 3
1. 円の方程式の標準形
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(2)-ア-(イ)
中心 からの距離が である点 は、 を満たします。両辺を 2 乗したものが円の方程式です。
中心が 、半径が の円の方程式は?
円上の点 と中心の距離が 、という二点間の距離の式を 2 乗したもの。
中心が原点、半径が の円の方程式は?
標準形で としたもの。
円の方程式 の中心と半径は?
中心 、半径
は なので、中心の 座標は 。右辺は半径の 2 乗なので半径は 。
中心と、円が通る 1 点が分かっているとき、円の方程式はどう求めるか?
中心と通る点の二点間の距離を半径にして、標準形に入れる
実際には半径の 2 乗が分かればよいので、根号を外したまま右辺に入れる。
線分 を直径とする円の方程式は、どう求めるか?
中心は の中点、半径は の長さの半分
中点の式と二点間の距離の式で中心と半径を出し、標準形に入れる。
中心が で 軸に接する円の半径は? また、 軸に接する円の半径は?
軸に接するなら 、 軸に接するなら
接する軸と中心の距離が半径になる。 軸との距離は 座標の絶対値。
2. 円の方程式の一般形
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(2)-ア-(イ)
標準形を展開すると の形になります。逆にこの形から中心と半径を読むには、 の項と の項をそれぞれ平方完成して標準形に戻します。
円の方程式の一般形とは?
と の係数が等しく(1 にそろえる)、 の項が無い。標準形を展開するとこの形になる。
一般形 から中心と半径を読むには、どうするか?
の項と の項をそれぞれ平方完成して、 の形にする
のように、足した分を右辺に移す。
はどんな図形を表すか?
中心 、半径 4 の円
より 。右辺は 。
が円を表すのは、どんなときか?
平方完成した右辺が正のとき、すなわち のとき
右辺が 0 なら 1 点 だけ、負なら満たす点が無い。
通る 3 点が分かっている円の方程式は、どう求めるか?
一般形 に 3 点の座標を代入し、、、 の連立方程式を解く
標準形に代入すると 2 乗の項が残って連立が解きにくい。一般形なら 1 次の連立方程式になる。
練習問題
問 1 中心が で、点 を通る円の方程式を求めよ。
方針 中心が分かっているので、標準形 で置く。足りないのは右辺の だけで、これは中心と通る点 の距離の 2 乗である。半径そのものは要らないので、根号を付けずに 2 乗のまま求める。
- 中心 を標準形に入れる。 なので、
- 中心と点 の 座標の差は 、 座標の差は
- 距離の 2 乗は 。これが
- よって
ここで間違えやすい 中心の 座標が なので、式は になる。符号を逆にしない。
問 2 方程式 はどんな図形を表すか。
中心 、半径 3 の円
方針 一般形のままでは中心も半径も読めない。 の項と の項をそれぞれ平方完成して、標準形 に直す。
- の項を平方完成する。
- の項を平方完成する。
- もとの式に入れる。
- 定数をまとめると 。これを右辺に移して、
- 右辺は半径の 2 乗で、。よって中心 、半径 3 の円。
ここで間違えやすい 右辺の 9 は半径の 2 乗で、半径は 3。また から読む中心の 座標は 。
問 3 2 点 、 を直径の両端とする円の方程式を求めよ。
方針 直径の両端が分かっているので、中心は の中点、半径は の長さの半分になる。中心と半径が出れば、標準形に入れるだけ。
- 中心の 座標は
- 中心の 座標は
- 直径の長さを出す。 座標の差は 、 座標の差は なので、
- 半径は直径の半分で 。半径の 2 乗は
- 中心 を標準形に入れる。 なので、
ここで間違えやすい 10 は直径。右辺に入れるのは半径 5 の 2 乗の 25 で、 ではない。
問 4 3 点 、、 を通る円の方程式を求めよ。また、その中心と半径を求めよ。
。中心 、半径
方針 通る 3 点が分かっていて、中心も半径も分からない。標準形で置くと 2 乗の項が残って連立が解きにくいので、一般形 で置く。3 点を代入すれば、、、 の 1 次の連立方程式になる。中心と半径は、最後に平方完成して読む。
- を代入する。 から、 …①
- を代入する。 から、 …②
- を代入する。 から、 …③
- ②から①を引くと、 と が消える。 から、
- を①に入れて 、すなわち …④
- を③に入れて 、すなわち …⑤
- ⑤から④を引いて から、。④に入れて から、
- よって、円の方程式は
- 平方完成する。、 なので、
- 定数をまとめると 。右辺に移して 。中心 、半径
確かめ: 3 点と中心 の距離の 2 乗は、、、 で、すべて等しい。
ここで間違えやすい 右辺の 5 は半径の 2 乗。半径は 。
問 5 中心が 軸上にあり、2 点 、 を通る円の方程式を求めよ。
方針 中心が 軸上にあるので、中心を とおけば分からない文字は だけになる。円上の点はどれも中心から等しい距離にあるので、「中心から 2 点までの距離が等しい」を 2 乗の形で式にして を求める。
- 中心を とおく。
- 中心と の距離の 2 乗は、
- 中心と の距離の 2 乗は、
- どちらも半径の 2 乗なので等しい。
- 左辺を展開すると 、右辺を展開すると
- 両辺の が消えて 。移項して から、
- 半径の 2 乗は、中心 と の距離の 2 乗で、
- よって
確かめ: もう 1 点 でも で、同じ値になる。
問 6 方程式 が円を表すような定数 の値の範囲を求めよ。また、この円の半径が 2 になる の値を求めよ。
。半径 2 になるのは
方針 一般形は、平方完成して標準形に直したときの右辺が半径の 2 乗になる。円を表すのは、その右辺が正のとき。だから、まず平方完成して右辺を の式で表す。
- の項を平方完成する。
- の項を平方完成する。
- もとの式に入れて、
- 、、 を右辺に移して、
- 円を表すのは右辺が正のとき。 から、
- 半径が 2 のとき、右辺は半径の 2 乗で 。 から、( を満たす)
ここで間違えやすい のときは右辺が 0 で、1 点 だけになり円ではない。等号は入らない。また、半径 2 のとき右辺に置くのは 2 ではなく 4。