接線の方程式
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅱ (5) 微分・積分の考え ア (ア)「微分係数や導関数の意味について理解し,関数の定数倍,和及び差の導関数を求めること。」。
0. どういうまとまりか
曲線 上の点 における接線の傾きは、微分係数 です。
直線は「通る 1 点」と「傾き」で決まるので、接線の問題はすべて接点の 座標を決めることに帰着します。
| 与えられるもの | 接点の決め方 | 立てる式 |
|---|---|---|
| 接点 | そのまま使う | |
| 傾き | を解いて を出す | 接点 で上の式 |
| 曲線外の点(通る点) | 接点を とおき、接線が通る点を代入して の方程式を解く | 求めた ごとに上の式 |
分かれ目は次の 3 つ。
- 「点 A における接線」は A が接点。「点 A を通る接線」は A が接点とは限らない
- 通る点が与えられたら、先に接点を とおいて接線の式を作り、あとから点を代入する
- 法線の傾きは、接線の傾きの 倍の逆数(接線の傾きが 0 なら法線は )
1. 接点が分かっている接線
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(5)-ア-(ア)
微分係数が接線の傾きを表すことを使うと、接点が分かっていれば接線は 1 本の式で書けます。
曲線 上の点 における接線の傾きは?
微分係数
導関数 を求めてから を代入する。
曲線 上の点 における接線の方程式は?
点 を通り傾き の直線 に、接点と微分係数を入れたもの。
放物線 上の点 における接線の方程式は?
なので傾きは 2。 を整理する。
2. 傾きが与えられた接線
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(5)-ア-(ア)
傾きが分かっているときは、微分係数がその傾きに等しくなる点を探します。そこが接点です。
曲線 の接線のうち、傾きが のものはどう求めるか?
接点の 座標を とおき、 を解いて接点を求めてから、接線の式を立てる
の解が 2 つあれば、接線も 2 本ある。
曲線 の接線で、傾きが 9 のものは?
と の 2 本
から 、。接点は と 。三次関数では同じ傾きの接線が 2 本になることがある。
3. 曲線外の点から引く接線
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(5)-ア-(ア)
接線が通る点が分かっていても、その点が接点でなければ、傾き(微分係数)はすぐには分かりません。
そこで接点を文字でおいて接線の式を作り、通る点の条件で接点を決めます。
曲線 の外の点 から引いた接線はどう求めるか?
接点を とおいて接線 を作り、、 を代入して の方程式を解く
点 P は曲線上にないので、P での微分係数を傾きにしてはいけない。
放物線 に、点 から引いた接線は?
と
接点 における接線は 。点を代入して 、 から 。
「曲線上の点 A における接線」と「曲線上の点 A を通る接線」の違いは?
「における」は A が接点で 1 本に決まる。「を通る」は A が接点とは限らず、別の点で接して A を通る接線もある
「を通る」ときは、A が曲線上にあっても接点を とおいて求める。
曲線 上の点 を通る接線は何本あるか?
2 本( と )
接点 における接線 に点を代入して 、 から 。
4. 法線
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(5)-ア-(ア)
接点を通り、接線に垂直な直線を法線といいます。垂直な 2 直線の傾きの積は です。
曲線 上の点 における法線の方程式は?()
法線は、接点を通り接線に垂直な直線。傾きは、微分係数 との積が になる値。
微分係数 のとき、点 における法線は?
直線
接線が 軸に平行()なので、法線は 軸に平行になる。
練習問題
問 1 曲線 上の点 における接線の方程式を求めよ。
方針 「点 における接線」なので、この点が接点。直線は通る 1 点と傾きで決まり、接線の傾きは接点での微分係数なので、 に を代入して傾きを出す。
- 微分する。
- を代入して、接線の傾きを求める。
- 点 を通り傾き 1 の直線なので、
- 整理して、
問 2 放物線 の接線で、傾きが 2 のものの方程式を求めよ。
方針 傾きは分かっているが、接点が分からない。接線の傾きは接点での微分係数なので、接点の 座標を とおき、微分係数が 2 になる を探す。接点が決まれば、あとは「通る 1 点と傾き」で式が書ける。
- 微分する。
- での微分係数が 2 なので、
- を移項して なので、
- 接点の 座標を求める。もとの式に を代入して、。接点は
- 点 を通り傾き 2 の直線なので、
- 右辺を展開して 。 を移項して、
ここで間違えやすい 接点の 座標は、 ではなくもとの放物線の式に代入して求める。
問 3 放物線 に、原点から引いた接線の方程式を求めよ。
と
方針 原点は放物線の上にない( のとき )ので、原点は接点ではない。接点が分からないので とおいて接線の式を先に作り、その接線が原点を通るという条件で を決める。
- 微分する。 なので、接点 での接線の傾きは
- 接線の式を立てる。
- 右辺を展開して、
- を右辺に移項する。 なので、
- 原点を通るので、、 を代入する。
- なので、
- どちらの でも なので、接線は 。 のとき 、 のとき
ここで間違えやすい 原点の を に代入して傾き 0 としてはいけない。微分係数を傾きにできるのは、その点が曲線上の接点であるときだけ。
問 4 曲線 上の点 における法線の方程式を求めよ。
方針 法線は、接点を通り接線に垂直な直線。垂直な 2 直線の傾きの積は なので、まず接線の傾きを微分係数で出し、そこから法線の傾きを決める。
- 微分する。
- を代入して、接線の傾きを求める。
- 法線の傾きを とすると、 なので
- 点 を通り傾き の直線なので、
- 右辺を展開して、
ここで間違えやすい 法線の傾きは、接線の傾きの逆数にするだけでなく符号も変える。 では積が 1 になり、垂直にならない。
問 5 曲線 に、点 から引いた接線の方程式を求めよ。
と
方針 点 は曲線の上にない( のとき )ので、接点ではない。接点を とおいて接線の式を先に作り、その接線が点 を通るという条件で を決める。 が 2 つ出れば接線も 2 本ある。
- 微分する。 なので、接点 での接線の傾きは
- 接線の式を立てる。
- 右辺を展開して、
- を右辺に移項する。 なので、
- 点 を通るので、、 を代入する。
- でくくると なので、
- のとき、傾き も も 0 なので、接線は
- のとき、傾きは 、定数項は なので、接線は
ここで間違えやすい 手順 6 で両辺を で割ると、 の解が消えて ( 軸)を落とす。割らずに、くくって因数分解する。
問 6 放物線 が、点 で直線 に接するとき、定数 、 の値を求めよ。
、
方針 「点 で直線に接する」は、2 つのことを言っている。放物線がその点を通ることと、その点での接線の傾き(微分係数)が直線の傾き 3 に等しいこと。求める文字が 、 の 2 つなので、この 2 つの条件で決まる。
- 放物線が点 を通るので、、 を代入する。
- 1 を移項して、
- 微分する。
- での微分係数が直線の傾き 3 に等しいので、
- 2 を移項して、
- に代入して なので、
確かめ: 放物線は 。 のとき で点 を通り、 は で 。直線 も で となり、同じ点を同じ傾きで通る。