みならいノート

数学Ⅱ 2027年度版

多項式の除法と分数式

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅱ (1) いろいろな式 ア (イ)「多項式の除法や分数式の四則計算の方法について理解し,簡単な場合について計算をすること。」。

0. どういうまとまりか

多項式どうしも、整数と同じように割り算ができます。整数の「割られる数 = 割る数 × 商 + 余り」にあたるのが で、
余りの大きさの制限が「余りの次数が割る式の次数より低い」に変わります。
分母に文字を含む式(分数式)の計算は、分数の計算と同じ手順で、約分・通分の単位が数から因数に変わるだけです。

計算 整数・分数では 多項式・分数式では
割り算 (余り 割る数) ( の次数 の次数)
約分 分子・分母の公約数で割る 分子・分母を因数分解して共通因数で割る
通分 分母の最小公倍数にそろえる 分母を因数分解して、因数をすべて含む式にそろえる
割り算(分数) 逆数を掛ける 逆数を掛ける

分かれ目は次の 3 つ。

1. 多項式の除法

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(1)-ア-(イ)

多項式の除法は、両方の式を降べきの順に整理し、最高次の項どうしを割って商の項を 1 つずつ決めていきます。

多項式 を多項式 で割ったときの商を 、余りを とすると、どんな関係が成り立つか?

( の次数は の次数より低い。 もある)

のとき、 は で割り切れるという。割り算の結果を確かめるときも、この式に戻せばよい。

多項式の割り算を始める前に、式をどう整えるか?

割られる式・割る式を降べきの順に並べ、割られる式に欠けている次数の項は 0 として位置を空けておく

なら として並べる。位置を空けないと、引き算で次数がずれる。

一次式で割ったときと、二次式で割ったときの余りは、それぞれどんな式か?

一次式で割った余りは定数。二次式で割った余りは一次以下の式( の形)

余りの次数は、割る式の次数より低くなるまで割り進めるから。

を で割った商と余りは?

商 、余り

を立てて引くと 、 を立てて引くと 。一次式になったので終わり。
で確かめられる。

ある多項式 を で割ると、商が 、余りが であった。 は?

に当てはめて、 を展開する。割られる式を求める問題は、割り算をせずにこの式を使う。

2. 分数式とその約分

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(1)-ア-(イ)

の形で、分母 に文字を含む式を分数式といいます。分母が 0 になる文字の値は考えません。

分数式とは?

、 を多項式として の形に表され、分母 に文字を含む式

分母が 0 になる値( なら )は除いて考える。多項式と分数式を合わせて有理式という。

を約分すると?

分子 、分母 と因数分解して、共通因数 で割る。約分できるのは因数どうしだけ。

3. 分数式の四則計算

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(1)-ア-(イ)

掛け算・割り算は分子どうし・分母どうしを掛け(割り算は逆数を掛け)てから約分し、足し算・引き算は分母を因数分解して通分します。

分数式の掛け算と割り算は、どうするか?

掛け算は分子どうし・分母どうしを掛ける。割り算は割る式の分子と分母を入れかえて(逆数にして)掛ける。先に因数分解しておき、最後に約分する

。

分数式の足し算・引き算で、通分の分母はどう決めるか?

各分母を因数分解し、現れた因数をすべて(重なりは 1 回分だけ)含む式にする

。

を 2 つの分数式の差で表すと?

右辺を通分すると に戻る。分数式の和を求めるとき、こう分けると隣どうしが打ち消し合う。

分母や分子に分数式を含む式(繁分数式) を簡単にすると?

分子と分母の両方に を掛けると、中の分数が消える。

練習問題

問 1  を で割った商と余りを求めよ。

商 、余り

方針 多項式の割り算は、最高次の項どうしを割って商の項を 1 つ立て、「割る式 × その項」を引く、をくり返す。残りの次数が割る式(二次)より低くなったら終わりで、それが余り。割られる式に の項がないので、0 で位置を空けておく。

  1. 割られる式を と書き、 の項の位置を空ける。
  2. 最高次の項どうしを割る。 なので、商にまず を立てる。
  3. を引く。
  4. 残りの最高次の項を割る。 なので、商に を立てる。
  5. を引く。
  6. は一次式で、割る式の次数(二次)より低いので、ここで終わり。商は 、余りは
  7. 確かめ: に を足すと に戻る。

ここで間違えやすい 引き算で、引く式の符号を変え忘れること。手順 5 では になる。

問 2 多項式 を で割ると、商が 、余りが である。 を求めよ。

方針 割られる式を求めるので、割り算はしない。「割られる式 = 割る式 × 商 + 余り」()に、分かっている 3 つの式を入れて展開する。

  1. の に 、 に 、 に を入れる。
  2. 積を展開する。
  3. 同類項をまとめて、
  4. 余りを足す。

問 3 次の計算をせよ。(1) を約分 (2)

(1)  (2)

方針 分数式の約分は、分子と分母をそれぞれ因数分解し、共通の因数で割る。(2) の掛け算も、掛ける前に因数分解しておくと、約分できる因数が見える。

  1. (1) 分子は 2 乗の差なので、
  2. 分母は、掛けて 、足して になる 2 数が と 1 なので、
  3. を共通因数 で約分して、
  4. (2) 1 つ目の分数の分子と分母を因数分解する。、
  5. 分子どうし・分母どうしを掛ける。
  6. 分子と分母に共通な と で約分して、

ここで間違えやすい  や の をさらに消すことはできない。約分できるのは因数(掛け算のかたまり)どうしだけで、足し算の項は消せない。

問 4  を計算せよ。

方針 分母が違う足し算なので通分する。分母を因数分解すると で、もう一方の分母 を含んでいる。だから通分の分母は でよい。

  1. 1 つ目の分母を因数分解する。
  2. 2 つ目の分数の分子と分母に を掛けて、分母をそろえる。
  3. 分子どうしを足す。
  4. 分子を整理すると なので、
  5. 共通因数 で約分して、

ここで間違えやすい 通分して足したところで終わりにすること。分子を整理したら、最後に約分できないかを確かめる。

問 5  を計算せよ。

方針 2 つの分母に現れる因数は 、、 の 3 つなので、通分の分母は 。足したあとの分子が因数分解できれば約分する。

  1. 1 つ目の分数には を、2 つ目の分数には を、分子と分母に掛ける。
  2. 分子どうしを足す。
  3. 分子を 2 でくくると なので、
  4. 共通因数 で約分して、

別解: 、 と差に分けると、 と真ん中が打ち消し合う。これを通分して 。

問 6  を簡単にせよ。

方針 分子と分母の中に が入っている(繁分数式)。中の分母 を消したいので、全体の分子と分母の両方に を掛ける。同じものを掛けるので、式の値は変わらない。

  1. 分子に を掛ける。
  2. 分母に を掛ける。
  3. よって、もとの式は
  4. 分子を因数分解して、
  5. 共通因数 で約分して、

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