みならいノート

数学Ⅱ 2027年度版

加法定理

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅱ (4) 三角関数 ア (エ)「三角関数の加法定理や 2 倍角の公式,三角関数の合成について理解すること」。

0. どういうまとまりか

は ではありません。2 つの角の和・差の三角関数を、それぞれの角の三角関数で表す式が加法定理です。
のように知っている角の和に分ければ値が求まり、あとで学ぶ 2 倍角の公式や三角関数の合成も、すべてこの定理から出ます。

和 差
sin
cos
tan

分かれ目は次の 3 つ。

1. sin・cos の加法定理

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(4)-ア-(エ)

単位円の上の 2 点 、 の距離を 2 通りに表すと の式が出て、そこから残りの式が導けます。

sin の加法定理は?

、

sin と cos が交互に並び、真ん中の符号は左辺と同じ。

cos の加法定理は?

、

cos どうし・sin どうしを掛け、真ん中の符号は左辺と逆になる。

cos の差の加法定理 は、どう導くか?

単位円の上の点 P、Q の距離 PQ の 2 乗を、座標の式と、$\angle$POQ に余弦定理を使った式の 2 通りで表して比べる

座標から 、余弦定理から 。

としてよいか?

いけない

たとえば で、左辺は 、右辺は 。和の三角関数は加法定理で開く。

と の値は?

、

として加法定理を使う。 は 。

の値は?

として 。 でもある( の公式)。

加法定理を使って、 を の三角関数で表すと?

で、、。 などの公式も加法定理から出る。

2. tan の加法定理

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(4)-ア-(エ)

に sin・cos の加法定理を入れ、分母・分子を で割ると出ます。

tan の加法定理は?

、

分子の符号は左辺と同じ、分母の符号は左辺と逆。

の値は?

。分母を有理化すると で 。

3. 2 直線のなす角

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(4)-ア-(エ)

直線 と 軸の正の向きとのなす角を とすると、傾き は です。2 直線のなす角は、この角の差なので、tan の加法定理で求まります。

傾き 、 の 2 直線(垂直でない)のなす鋭角を とすると、 は?

、 として を計算し、鋭角をとるため絶対値をつける。

2 直線のなす角を tan の加法定理で求めるとき、 になったらどうなっているか?

2 直線は垂直(なす角は )

は垂直の条件。 は定義されないので、式に入れず垂直と判断する。

練習問題

問 1  と の値を求めよ。

、

方針  や の三角関数の値は覚えていないが、・・ の値は分かっている。そこで 、 と、値の分かる角の和・差に分けて加法定理で開く。

  1. として、cos の和の加法定理で開く。
  2. 、、 を入れると、
  3. それぞれ掛けると なので、
  4. として、sin の差の加法定理で開く。
  5. 、 を入れると、
  6. それぞれ掛けると なので、

確かめ: は第 2 象限の角なので は負、 は第 1 象限の角なので は正。 だから、どちらの符号も合っている。

ここで間違えやすい cos の加法定理は真ん中の符号が左辺と逆になる。 の右辺を足し算にしない。

問 2 、 で、、 のとき、 と の値を求めよ。

、

方針 加法定理の右辺には 、、、 の 4 つが要る。分かっているのは と だけなので、足りない と を先に相互関係で求める(符号は象限で決める)。そのあと加法定理に入れる。

  1. を求める。 で、 なので、
  2. から は第 2 象限の角で、。よって
  3. を求める。 で、 なので、
  4. から は第 1 象限の角で、。よって
  5. sin の和の加法定理 に入れる。、
  6. 足して、
  7. cos の差の加法定理 に入れる。、
  8. 足して、

ここで間違えやすい  を正の にしない。 は第 2 象限の角なので負。ここを誤ると 2 つの答えが両方ずれる。

問 3 2 直線 、 のなす鋭角 を求めよ。

方針 直線の傾きは、その直線が 軸の正の向きとなす角の である。2 直線のなす角は、この 2 つの角の差なので、tan の差の加法定理で求まる。

  1. 2 直線が 軸の正の向きとなす角を 、 とする。傾きから、、
  2. tan の差の加法定理 に入れる。分子は 、分母は
  3. よって
  4. 求めるのは鋭角なので、絶対値をとって
  5. で となるのは、

ここで間違えやすい 3 の から と答えない。2 直線が交わってできる角は鋭角と鈍角の 2 種類あり、 は鈍角のほう。鋭角はその残りの で、絶対値をとるのはこのため。

問 4 、 はともに鋭角で、、 である。 を求めよ。

方針  や そのものは求められない( が 2 や 3 になる角は、きれいな値にならない)。しかし なら加法定理で計算できる。その値と、 のとりうる範囲から、角を 1 つに決める。

  1. tan の和の加法定理 に入れる。分子は 、分母は
  2. よって
  3. の範囲を求める。、 を辺ごとに足して、
  4. この範囲で が になるのは、 だけ。

ここで間違えやすい  が になる角は や など限りなくある。3 の範囲を求めずに答えると、1 つに決まらない。

問 5 原点を通り、直線 と の角をなす直線の傾きを求めよ。

と

方針 傾きは「 軸の正の向きとなす角の 」である。直線 が 軸となす角を とすると、求める直線は、そこから だけ回した方向を向く。回す向きは 2 通りあるので、 と を加法定理で計算する。

  1. 直線 と 軸の正の向きとのなす角を とすると、傾きが 2 なので
  2. 求める直線が 軸の正の向きとなす角は、(反時計回りに回したもの)か、(時計回りに回したもの)。
  3. 1 本め。 なので、tan の和の加法定理から
  4. 分子は 3、分母は なので、傾きは
  5. 2 本め。tan の差の加法定理から
  6. 分子は 1、分母は 3 なので、傾きは

確かめ: 2 本の傾きの積は で、2 本は垂直。 の両側に ずつ開いた直線どうしなので、なす角が になるのと合っている。

ここで間違えやすい 片側の 1 本だけを答えない。「 の角をなす直線」は、もとの直線の両側に 1 本ずつある。

このノートの 11 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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