みならいノート

数学Ⅱ 2027年度版

不等式の表す領域

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅱ (2) 図形と方程式 ア (エ)「簡単な場合について,不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表したりすること。」。

0. どういうまとまりか

、 の不等式を満たす点 全体の集合を、その不等式の表す領域といいます。
等号にした方程式のグラフ(直線や円)が境界線になり、領域はその片側です。

不等式 表す領域
直線 の上側
直線 の下側
直線 の右側
円 の内部
円 の外部

分かれ目は次の 3 つ。

1. 直線を境界線とする領域

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(2)-ア-(エ)

について解いた形にすると、上側か下側かがすぐ読めます。 上の点より 座標が大きい点が上側です。

不等式 の表す領域は? また、 は?

は直線 の上側、 は下側。どちらも境界線を含まない

同じ で比べて、直線上の点より 座標が大きい点の集まりが上側。

不等式 の表す領域は?

直線 の右側(境界線を含まない)

を含まない不等式なので、 軸に平行な直線 が境界線になる。 なら左側。

不等式 と の表す領域の違いは?

は境界線 を含み、 は含まない

図示するときは「境界線を含む」「境界線を含まない」を書き添える。

のように について解いていない不等式の領域は、どう判断するか?

について解く( の係数が負なら不等号の向きが変わる)か、境界線上にない点(原点など)を代入して成り立つ側を選ぶ

は で、直線の下側。原点を代入すると で成り立つので、原点を含む側と確かめられる。

2. 円を境界線とする領域

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(2)-ア-(エ)

円 の左辺は、点 と中心の距離の 2 乗です。それが より小さいか大きいかで、内部か外部かが決まります。

不等式 の表す領域は? また、 は?

なら円 の内部、 なら外部。どちらも境界線を含まない

左辺は中心との距離の 2 乗。中心からの距離が より近い点の集まりが内部。

の表す領域は?

円 の外部(境界線を含まない)

平方完成して に直す。一般形のままでは内部か外部か読みにくい。

3. 連立不等式と積の形の不等式

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(2)-ア-(エ)

いくつかの条件を同時に満たす点は、それぞれの領域の重なりにあります。

連立不等式の表す領域は?

それぞれの不等式の表す領域の共通部分

境界線の交点は、境界線を含むかどうかで含む・含まないが決まる。一方でも含まない境界線上にあれば含まない。

不等式 (、 は 、 の式)の表す領域はどう求めるか?

「 かつ 」の領域と「 かつ 」の領域を合わせる

なら「 かつ 」と「 かつ 」。2 本の境界線で分けられた 4 つの部分の、向かい合う 2 つになる。

図示された領域を不等式で表すには、どうするか?

境界線の方程式を求め、領域がその上側・下側(内部・外部)のどちらかを見て不等号を決める。境界線を含むなら等号をつける

境界線が複数あれば、それぞれの不等式を連立する。

4. 領域での最大・最小

根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(2)-ア-(エ)

点 が領域内を動くときの などの値の範囲は、 とおいた直線を動かして考えます。

点 が領域 内を動くとき、 の最大値・最小値はどう求めるか?

とおくと傾きが一定の直線になる。この直線が と共有点をもつように動かし、(切片に関係する値)が最大・最小になる位置を見る

が多角形なら、最大・最小は頂点でとる。どの頂点かは、直線の傾きと境界線の傾きを比べて決める。

点 が円の周および内部を動くとき、 の最大値・最小値をとるのはどんな位置か?

直線 が円に接するとき

中心と直線の距離が半径に等しいという式から を求める。

練習問題

問 1 3 点 、、 のうち、連立不等式 、 の表す領域に含まれる点をすべて選べ。

だけ

方針 点が領域に含まれるかどうかは、座標を不等式に代入して成り立つかを見ればよい。連立不等式なので、2 つとも成り立つ点だけが含まれる。不等号に等号が無いので、境界線上の点は含まれない。

  1. を調べる。 の値は で、 は成り立つ。 の値は で、 も成り立つ。含まれる。
  2. を調べる。 の値は で、 は成り立たない。含まれない。
  3. を調べる。 の値は で、 座標の と等しい。 は成り立たないので、含まれない。
  4. よって、含まれるのは だけ。

ここで間違えやすい  は直線 の上にある。 は境界線を含まないので、境界線上の点は含まれない(この点は の値が で、円の外部でもある)。

問 2 不等式 の表す領域を言葉で説明せよ。

直線 の下側かつ直線 の下側の部分と、直線 の上側かつ直線 の上側の部分。境界線は含まない

方針 積 が負になるのは、 と の符号が異なるとき。「 かつ 」と「 かつ 」の 2 つの場合に分け、それぞれを について解いて、直線の上側か下側かを読む。

  1. 、 とおく。
  2. は 。 を右辺に移して 、すなわち (直線 の下側)。 なら (上側)
  3. は 。 と を右辺に移して (直線 の下側)。 なら (上側)
  4. 「 かつ 」は「 かつ 」。2 直線の両方の下側の部分。
  5. 「 かつ 」は「 かつ 」。2 直線の両方の上側の部分。
  6. この 2 つを合わせた部分が求める領域。不等号に等号が無いので、境界線は含まない。

確かめ: 原点を代入すると の値は 1、 の値は で、積は と負になる。原点は 2 直線の両方の下側にあるので、手順 4 の部分に入っている。

ここで間違えやすい  を について解くと で、下側になる( の係数が負だから)。 は の係数が正なので、 が上側。「式が正なら上側」と決めつけず、必ず について解く。

問 3 連立不等式 、、、 の表す領域を とする。点 が 内を動くとき、 の最大値と最小値を求めよ。

、 のとき最大値 5。、 のとき最小値 0

方針  とおくと、傾き 、 切片 の直線になる。この直線を領域 と共有点をもつ範囲で動かし、切片 が最大・最小になる位置を探す。 は多角形なので、最大・最小は頂点でとる。だから、まず の頂点を全部求める。

  1. 境界線は 、、、 の 4 本。 は、 軸の上側、 軸の右側で、2 直線の両方の下側にある部分。
  2. と の交点を求める。2 つ目の式から 。1 つ目の式に代入して、
  3. 展開して 、すなわち から 。 は 。交点は
  4. 軸上()では、2 つの不等式は 、 になる。両方を満たすのは なので、頂点は
  5. 軸上()では、2 つの不等式は 、 になる。両方を満たすのは なので、頂点は
  6. よって は、4 点 、、、 を頂点とする四角形の周および内部。
  7. 各頂点での の値は、順に 、、、
  8. よって、 で最大値 5、 で最小値 0

図で見ると、直線 の傾き は、2 本の境界線の傾き と の間にある。そのため、切片が最大になるのは 2 本の交点 を通るときになる。

ここで間違えやすい 軸との交点 や は、もう一方の不等式を満たさないので の頂点ではない。

問 4 ある工場で製品 A を 1 kg 作るには原料 P が 2 kg と原料 Q が 1 kg、製品 B を 1 kg 作るには原料 P が 1 kg と原料 Q が 3 kg 必要である。使える原料は P が 10 kg、Q が 15 kg までで、利益は製品 A が 1 kg あたり 3 万円、製品 B が 1 kg あたり 4 万円である。利益を最大にするには A、B をそれぞれ何 kg 作ればよいか。

A を 3 kg、B を 4 kg 作るとき、利益は最大の 25 万円

方針 作る量を文字でおくと、原料の制限は連立不等式(領域)になり、利益は 、 の 1 次式になる。あとは「領域内で 1 次式を最大にする」問題で、領域が多角形なので、頂点での値を比べればよい。

  1. A を kg、B を kg 作るとする。量は負にならないので、、
  2. 原料 P は、A に kg、B に kg 使う。10 kg までなので、
  3. 原料 Q は、A に kg、B に kg 使う。15 kg までなので、
  4. 利益は 万円。これを最大にする。
  5. と の交点を求める。1 つ目の式から 。2 つ目の式に代入して、
  6. 展開して 、すなわち から 。 は 。交点は
  7. 軸上()では と から 、 軸上()では と から 。領域は 4 点 、、、 を頂点とする四角形の周および内部。
  8. 各頂点での利益は、順に 0、、、
  9. よって、A を 3 kg、B を 4 kg 作るとき、利益は最大の 25 万円

図で見ると、 の傾き は、境界線の傾き と の間にある。そのため、 が最大になるのは 2 本の交点 を通るときになる。

ここで間違えやすい 一方の製品だけを作る や より、両方を作る交点のほうが利益が大きい。頂点は全部比べる。

問 5 点 が円 の周および内部を動くとき、 の最大値と最小値を求めよ。

、 のとき最大値 2。、 のとき最小値

方針  とおくと、傾き の直線になる。点 は円の周および内部にあるので、この直線が円と共有点をもつような の範囲が、 のとりうる値の範囲である。共有点をもつ条件は、中心と直線の距離が半径以下であること。

  1. とおき、一般形に直して
  2. 円 の中心は 、半径は
  3. 中心 と直線の距離は、、 の係数がどちらも 1 なので 、すなわち
  4. 共有点をもつ条件は 。両辺に を掛けて 、すなわち
  5. 最大値は 2。このとき直線 は円に接する。 を円の式に代入して 。展開して整理すると 、すなわち から 、
  6. 最小値は 。同じように を代入して 。展開して整理すると 、すなわち から 、

ここで間違えやすい 最大・最小をとるのは、直線が円に接するとき(距離が半径に等しいとき)。そのときの 、 の値(接点)も答える。

問 6 3 点 、、 を頂点とする三角形の周および内部を、連立不等式で表せ。

、、

方針 領域を不等式で表すには、境界線の方程式を 1 本ずつ求め、領域がその線のどちら側にあるかで不等号の向きを決める。三角形なので境界線は 3 本。周を含むので、どれにも等号をつける。

  1. 2 点 、 を通る辺は 軸で、。三角形はその上側にあるので、
  2. 2 点 、 を通る辺は 軸で、。三角形はその右側にあるので、
  3. 2 点 、 を通る辺は、 切片が 4、 切片が 2 の直線で、。両辺を 4 倍して
  4. 三角形がこの直線のどちら側にあるかは、残りの頂点である原点で確かめる。原点では の値が 0 で、4 より小さい。原点を含む側(直線の下側)なので、
  5. 3 つを連立して、、、

ここで間違えやすい 「周および内部」なので等号をつける。「内部」だけなら等号はつかない。

このノートの 11 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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