三角関数のグラフ
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅱ (4) 三角関数 ア (イ)「三角関数の値の変化やグラフの特徴について理解すること」。
0. どういうまとまりか
角 を弧度法の実数とみると、 などは の関数になり、横軸に をとってグラフがかけます。
動径が 1 回転するともとの位置に戻るので、グラフは同じ形の繰り返しになります。この繰り返しの長さが周期で、三角関数の一番の特徴です。
| 値域 | 実数全体 | ||
| 周期 | |||
| 対称性 | 原点対称(奇関数) | 軸対称(偶関数) | 原点対称(奇関数) |
| での値 | 0 | 1 | 0 |
分かれ目は次の 3 つ。
- の周期は ()。 倍すると周期は 倍に縮む
- は でくくってから平行移動の量を読む。 の移動は
- tan だけ周期が で、 に漸近線がある
1. 、、 のグラフ
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(4)-ア-(イ)
単位円の上の点が回るにつれて、 座標(sin)と 座標(cos)は と の間を行き来し、傾き(tan)はすべての実数をとります。
のグラフ(正弦曲線)の特徴は?
の範囲で波打つ曲線で、周期は 。原点を通り、 で最大値 1、 で最小値
の形が、 ごとに左右へ繰り返される。
のグラフは、 のグラフとどういう関係にあるか?
のグラフを 軸方向に だけ平行移動したもの
だから。 で最大値 1 をとる。
のグラフの周期と漸近線は?
周期は 。直線 ( は整数)が漸近線
なので ごとに繰り返す。 が に近づくと が 0 に近づき、 の絶対値が限りなく大きくなる。
関数 の周期とは何か?
すべての で となる 0 でない定数 のうち、正で最小のもの
は ずらしても同じ値だが、周期というときは最小の を指す。
、、 は、奇関数・偶関数のどちらか?
と は奇関数(グラフが原点対称)、 は偶関数(グラフが 軸対称)
、、 から。
2. 拡大・縮小と平行移動
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(4)-ア-(イ)
の形は、 のグラフを、 軸方向に 倍、 軸方向に 倍し、 軸方向に だけ平行移動したものです。
()のグラフは のグラフをどうしたものか? 値域と周期は?
軸方向に 倍に拡大・縮小したもの。値域は 、周期は のまま
縦に伸ばしても、繰り返しの長さは変わらない。
()のグラフは のグラフをどうしたものか? 周期は?
軸方向に 倍に拡大・縮小したもの。周期は
が 進む間に は しか進まない。 の周期は 。
のグラフは のグラフをどうしたものか?
軸方向に だけ平行移動したもの
二次関数の と同じで、 を におきかえると右へ 動く。
のグラフは、 のグラフを 軸方向にいくら平行移動したものか?
と の係数でくくってから読む。 と答えるのは誤り。
の値域と周期は?
値域は 、周期は
軸方向に 3 倍で値域が決まり、 なので周期は 。
練習問題
問 1 の周期と値域を求めよ。
周期 、値域
方針 は、 のグラフを 軸方向に 倍、 軸方向に 倍したもの。周期は の係数 だけで、値域は前の係数 だけで決まるので、別々に読む。
- の係数は 。 が 進む間に は しか進まないので、周期は
- のとりうる値は、
- 各辺を 2 倍すると なので、値域は
ここで間違えやすい 周期を の としない。 の係数が大きいほど波は細かくなり、周期は短くなる。
問 2 のグラフは、 のグラフをどのように平行移動したものか。また、周期を求めよ。
軸方向に だけ平行移動したもの。周期は
方針 平行移動の量は「 を におきかえた」ときの である。 に係数 2 が付いているので、まず 2 でくくって の形を作ってから読む。周期は の係数から決まる。
- の係数 2 でくくる。
- は のことなので、 の を におきかえた式になっている。
- よって、 軸方向に だけ平行移動したもの(左へ )。
- 周期は の係数が 2 なので、。平行移動しても周期は変わらない。
なお、 でもある。
ここで間違えやすい 式に見えている をそのまま読んで「 の移動」としない。くくる前の数は移動の量ではない。
問 3 の周期を求めよ。また、 のグラフをどのように平行移動したものか。 で最大値をとる も求めよ。
周期 。 軸方向に だけ平行移動したもの。 で最大値 3
方針 の係数 でくくると、平行移動の量が読める。周期は係数 から決まる。最大値をとる は、 の中身が「 が 1 になる角」になるところを探す。
- の係数 でくくる。 なので、
- の を におきかえた式なので、 軸方向に だけ平行移動したもの。
- 周期は の係数が なので、
- の最大値は 1 なので、 の最大値は 。 の中身を とおき、 となる を探す。
- を 2 で割ると 。各辺から を引いて、
- この範囲で となるのは だけ。つまり
- を移項して、
- 両辺を 2 倍して、
ここで間違えやすい 移動の量を、式に見えている と読まない。くくったあとの が移動の量。
問 4 の周期と、漸近線の方程式を求めよ。
周期 。漸近線は直線 ( は整数)
方針 の を におきかえた式なので、 のグラフを平行移動したものと見る。平行移動では周期は変わらず、漸近線はグラフと一緒に動く。
- は、 のグラフを 軸方向に だけ平行移動したもの。
- の係数は 1 のままなので、周期は と同じ
- の漸近線は 。いまは の中身がこの値になるところが漸近線なので、
- を移項して、( は整数)
ここで間違えやすい 漸近線を動かす向きを逆にして としない。グラフが右へ 動けば、漸近線も右へ 動く。
問 5 次の関数は奇関数・偶関数・どちらでもない のどれか。(1) (2) (3)
(1) 奇関数 (2) 偶関数 (3) どちらでもない
方針 奇関数か偶関数かは、 を におきかえた式をもとの式と比べて決める。もとと同じなら偶関数、符号だけが反対なら奇関数。おきかえには 、 を使う。
- (1) を におきかえる。
- これは なので、。奇関数。
- (2) 同じようにおきかえる。
- これは そのものなので、。偶関数。
- (3) おきかえると、
- とも、 とも式の形が違う。本当に一致しないことを、具体的な角 で確かめる。
- 、
- 0 は とも とも等しくないので、奇関数でも偶関数でもない。
ここで間違えやすい 奇関数()と偶関数()を足したものは、ふつうどちらにもならない。一方、(1) のように奇関数と偶関数を掛けたものは奇関数になる。