集合
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅰ (1) 数と式 ア (イ)「集合と命題に関する基本的な概念を理解すること」。
0. どういうまとまりか
「10 以下の偶数」のように、範囲がはっきり決まったものの集まりを集合といいます。
集合の言葉と記号は、次の「命題と条件」で必要条件・十分条件を考えるときの道具になります。
| 記号 | 読み・意味 | 例(、) |
|---|---|---|
| は の要素 | ||
| は の部分集合 | ||
| 共通部分(両方に属する) | ||
| 和集合(少なくとも一方に属する) | ||
| 補集合(全体集合のうち に属さない) | 全体が なら | |
| 空集合(要素が 1 つもない) |
分かれ目は次の 3 つ。
- は要素と集合、 は集合と集合( と )
- 補集合は全体集合が決まって初めて決まる
- ド・モルガンの法則では、補集合をとると と が入れかわる
1. 集合と要素
根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(1)-ア-(イ)
「背の高い人の集まり」は、どこからが高いかが決まらないので集合ではありません。
集合をつくっている 1 つ 1 つのものを要素といいます。集合の表し方は 2 通りあります。
集合とは何か? また、要素とは何か?
範囲がはっきりしたものの集まりが集合。集合をつくっている 1 つ 1 つのものが要素
「大きい数の集まり」は範囲が決まらないので集合ではない。
、 は、それぞれどういう意味か?
は集合 の要素である( は に属する)。 は の要素でない
記号 は、左に要素、右に集合を置く。
集合の表し方の 2 通りは? 「12 の正の約数の集合」で書くと?
要素を並べる書き方と、要素の満たす条件を書く書き方
と 。
2. 部分集合と相等
根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(1)-ア-(イ)
集合どうしの関係は「含まれるか」で表します。要素と集合の関係()と、集合と集合の関係()を混ぜないようにします。
( は の部分集合)とは、どういうことか?
のどの要素も の要素になっていること
と が同じ集合のときも といえる。
2 つの集合 が等しい()とは、どういうことか?
かつ であること(要素がすっかり一致する)
と は等しい。並べる順は関係ない。
空集合 とは何か? どんな集合の部分集合か?
要素を 1 つももたない集合。すべての集合の部分集合と考える
。
3. 共通部分・和集合・補集合
根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(1)-ア-(イ)
考える範囲全体を全体集合 と決めておくと、そこから を除いた残りを考えられます。これが補集合です。
図で考えるときは、長方形を 、その中の円を としたベン図を描きます。
共通部分 と和集合 は、それぞれ何か?
は と の両方に属する要素の集合。 は と の少なくとも一方に属する要素の集合
は「かつ」、 は「または」にあたる。
補集合 とは何か?
全体集合 の要素のうち、 に属さないもの全体の集合
全体集合が変われば補集合も変わる。、、。
ド・モルガンの法則で、 と は?
、
全体の補集合をばらすと、 と が入れかわる。
実数の範囲の集合 の補集合は?(全体集合は実数全体)
端の は に入らないので、補集合の側に入る。 とすると がどちらにも入らなくなる。
練習問題
問 1 全体集合を 、、 とする( は の部分集合)。次の集合を、要素を並べて表せ。 (1) (2) (3) (4)
(1) (2) (3) (4)
方針 条件で書かれた集合は、まず要素を並べた形に直す。そのあと「両方に入る」「少なくとも一方に入る」「入らない」を、 の要素で 1 つずつ確かめる。
- 全体集合と を、要素を並べて書く。、、
- (1) と の両方に入る要素を探す。 の のうち にも入るのは だけなので、
- (2) の要素に、 の要素のうちまだ入っていない を加える。
- (3) まず から の要素を除いて、。このうち にも入るのは なので、
- (4) から の要素を除いて、。 と の両方に入るのは なので、
確かめ: (4) はド・モルガンの法則で と同じ。 の要素のうち (2) の答えに入らないものを並べると で、一致する。
ここで間違えやすい (2) で を 2 回書かない。両方に入る要素も、和集合では 1 回だけ書く。
問 2 実数全体を全体集合とし、、 とする。次の集合を求めよ。 (1) (2) (3)
(1) (2) (3)
方針 不等式で表された集合は、数直線に を描いて重ねる。範囲はすぐ読めるので、端の点が入るか()入らないか()を 1 つずつ確かめる。
- 端の点を整理する。 は を含まず を含む。 は を含み を含まない
- (1) 両方に入る範囲は、 から まで。端の は にも にも入り、端の も にも にも入る。よって
- (2) と は から で重なっているので、合わせるとひと続きの範囲になる。左端の は にも にも入らず、右端の も にも にも入らない。よって
- (3) の外側は、 より左と より右の 2 つに分かれる。 は に入らないので補集合に入り、 は に入るので補集合に入らない
- よって
ここで間違えやすい 補集合では、端の等号の有無が入れかわる。 の「」の側は「」に、「」の側は「」になる。
問 3 集合 の部分集合をすべて書け。
の 8 個
方針 部分集合は、 のそれぞれを「入れる・入れない」と選んでできる。落としを防ぐために、要素の個数が 0 個・1 個・2 個・3 個のものを順に書き出す。
- 要素が 0 個のもの。空集合
- 要素が 1 個のもの。
- 要素が 2 個のもの。
- 要素が 3 個のもの。元の集合そのものの
- 個数を数えると、 個
確かめ: 3 つの要素それぞれに「入れる・入れない」の 2 通りがあるので、 個。書き出した個数と一致する。
ここで間違えやすい 空集合と、元の集合そのものも部分集合に入る。この 2 つを落として 6 個としない。
問 4 次の集合を、要素を並べて表せ。 (1) (2)
(1) (2)
方針 かっこの中の条件を満たすものを、残らず探して並べる。(1) は 4 の倍数を小さい順に書き出し、(2) は方程式を解く。
- (1) 4 の倍数を小さい順に作る。、、、、
- 次の は 20 を超えるので、ここまで。よって
- (2) を満たす を探す。、 なので、 と
- 要素を並べて、
ここで間違えやすい (2) は だけでなく も条件を満たす。全体集合の指定がないので、負の数も落とさない。