みならいノート

数学Ⅰ 2027年度版

鋭角の三角比

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅰ (2) 図形と計量 ア (ア)「鋭角の三角比の意味と相互関係について理解すること」のうち、三角比の意味。

0. どういうまとまりか

直角三角形では、直角でない 1 つの角 の大きさを決めると、三角形の大きさにかかわらず辺の比が決まります(すべて相似になるから)。
この比に名前をつけたのが三角比です。直角の向かいの辺を斜辺、 の向かいの辺を対辺、 をはさむ斜辺でない辺を隣辺とよびます。

名前 記号 どの辺とどの辺の比か
正弦
余弦
正接

分かれ目は次の 3 つ。

1. 三角比の定義

根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(2)-ア-(ア)

の直角三角形 ABC で、 とします。斜辺は AB、 の対辺は BC、隣辺は AC です。

直角三角形で、鋭角 の正弦()とは、どの辺とどの辺の比か?

( の向かいの辺 ÷ 斜辺)

分母は斜辺。対辺を使うのは sin と tan。

直角三角形で、鋭角 の余弦()とは、どの辺とどの辺の比か?

( をはさむ斜辺でない辺 ÷ 斜辺)

sin と同じく分母は斜辺。分子が対辺か隣辺かだけが違う。

直角三角形で、鋭角 の正接()とは、どの辺とどの辺の比か?

3 つの中で tan だけ斜辺を使わない。傾き(縦 ÷ 横)と同じ比。

正弦・余弦・正接の値が、直角三角形の大きさによらず だけで決まるのはなぜか?

鋭角 が等しい直角三角形は、どれも相似になるから

2 つの角(直角と )が等しいので相似。相似な図形では対応する辺の比が等しい。

直角三角形 ABC()で、 から見た対辺と、 から見た対辺は、それぞれどれか?

の対辺は BC、 の対辺は AC

見る角を変えると対辺と隣辺が入れかわる。 は と同じ比になる。

2. 30°・45°・60° の三角比

根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(2)-ア-(ア)

中学で学んだ 2 つの特別な直角三角形( と )の辺の比から、そのまま読み取れます。

、、 の値は?

、、

辺の比 の直角三角形で、30° の対辺が 1、斜辺が 2、隣辺が 。

、、 の値は?

、、

辺の比 の直角二等辺三角形。 と書いても同じ値。

、、 の値は?

、、

30° の三角形を 60° の側から見たもの。sin と cos が 30° のときと入れかわる。

3. 三角比で高さや距離を求める

根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(2)-ア-(ア)

定義の式の分母を払うと、辺の長さを求める式になります。30°・45°・60° 以外の角は、三角比の表(小数第 4 位までの近似値)を使います。

直角三角形で、斜辺 と鋭角 が分かっているとき、 の対辺と隣辺は?

対辺 、隣辺

の分母を払った形。坂を上ったときの高さは 、水平に進んだ距離は 。

直角三角形で、隣辺 と鋭角 が分かっているとき、 の対辺は?

の分母を払った形。水平の距離から高さを出すときに使う。

仰角とは何か? また俯角とは何か?

仰角は、水平の向きから上を見上げた角。俯角は、水平の向きから下を見下ろした角

どちらも水平線から測る(真上や真下から測るのではない)。

木から水平に だけ離れた地点で、木の先端を見上げた仰角が 、目の高さが のとき、木の高さは?

は目の高さから上の部分。目の高さを足し忘れるのが典型的な誤り。

練習問題

問 1  の直角三角形 ABC で、、、 のとき、、、 を求めよ。

、、

方針 三角比は「どの角から見るか」で対辺と隣辺が決まる。先に から見た 3 辺の名前を決め、それから定義の比に長さを入れる。

  1. 斜辺は直角 の向かいの辺なので AB で、長さは 13。
  2. の対辺は、 の向かいにある辺 BC で、長さは 5。隣辺は残りの辺 AC で、長さは 12。
  3. は対辺 ÷ 斜辺なので、
  4. は隣辺 ÷ 斜辺なので、
  5. は対辺 ÷ 隣辺なので、

ここで間違えやすい  から見ると対辺と隣辺が入れかわる(対辺が AC、隣辺が BC)。「 の近くにある辺」を対辺にしないこと。対辺は角の向かいの辺。

問 2 長さ 8 m の坂道を、水平面に対して の傾きで上りきった。高さは何 m 上がったか。また、水平方向には何 m 進んだか。

高さ 4 m、水平方向 m

方針 坂道を斜辺とする直角三角形をかく。分かっているのは斜辺(8 m)と角()なので、分母が斜辺の sin と cos を使う。高さは の対辺だから sin、水平方向の距離は隣辺だから cos。

  1. 坂道を斜辺、上がった高さを縦の辺、水平に進んだ距離を横の辺とする直角三角形を考える。 の角から見て、高さが対辺、水平方向の距離が隣辺になる。
  2. なので、分母を払って、高さは
  3. を入れて、。高さは 4 m。
  4. なので、分母を払って、水平方向の距離は
  5. を入れて、。水平方向は m。

問 3 塔から水平に 20 m 離れた地点で、塔の先端を見上げた仰角は だった。目の高さを 1.5 m として、塔の高さを求めよ。

m(約 13.0 m)

方針 分かっているのは水平の距離(20 m)と仰角()で、求めたいのは高さ。水平の距離は隣辺、高さは対辺にあたるので、斜辺を使わない tan を選ぶ。ただし仰角は目の位置から測るので、tan で出るのは「目の高さから上の部分」だけである。

  1. 目の位置、塔の中で目と同じ高さの点、塔の先端の 3 点で直角三角形を作る。 の角から見て、隣辺が 20 m、対辺が「目の高さから先端まで」になる。
  2. なので、分母を払って、対辺は
  3. を入れて、
  4. 分母と分子に を掛けて有理化すると、
  5. これに目の高さ 1.5 m を足して、塔の高さは m。
  6. およその値は、 として 。 なので、約 13.0 m。

ここで間違えやすい 目の高さ 1.5 m を足し忘れる。tan で出した長さは、地面からではなく目の高さからの長さである。

問 4 ビルから水平に 50 m 離れた地点で、ビルの屋上を見上げた仰角は だった。 を 0.7002 として、目の高さから屋上までの高さを小数第 1 位まで求めよ。

約 35.0 m

方針 分かっているのは水平の距離(50 m)と仰角()で、求めたいのは高さ。隣辺から対辺を出すので tan を使う。 は特別な角ではないので、与えられた近似値を掛ける。

  1. 目の位置、ビルの中で目と同じ高さの点、屋上の 3 点で直角三角形を作る。 の角から見て、隣辺が 50 m、対辺が求める高さ。
  2. なので、分母を払って、高さは
  3. を 0.7002 として、
  4. 小数第 1 位まで求めるので、小数第 2 位の 1 を四捨五入して、約 35.0 m。

ここで間違えやすい この問題は「目の高さから屋上まで」を聞いているので、目の高さは足さない。何の長さを聞かれているかを問題文で確かめる。

問 5 高さ 30 m のがけの上から、海上の船を見下ろした俯角が だった。がけの下から船までの水平の距離を求めよ(目の高さは考えない)。

30 m

方針 がけの上の点、がけの下の点、船の 3 点で直角三角形を作る。分かっているのは高さ(30 m)で、求めたいのは水平の距離。縦の辺と横の辺の比なので tan を使う。俯角は水平の向きから測る角なので、まず三角形のどの角が になるかを決める。

  1. がけの上の点を P、がけの下の点を Q、船の位置を S とする。、 で、求めるのは QS。
  2. 俯角 は、P を通る水平な線と PS のなす角。この水平な線と QS は平行なので、錯角が等しく、
  3. から見ると、対辺が PQ、隣辺が QS なので、
  4. QS について解くと、
  5. なので、。水平の距離は 30 m。

(確かめ)、 の三角形は直角二等辺三角形なので、高さ PQ と水平の距離 QS は等しい。

ここで間違えやすい 俯角を、がけ(縦の線 PQ)と PS のなす角にとってしまう。俯角も仰角も水平の向きから測る。 ではたまたま同じ答えになるが、ほかの角では違う値になる。

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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