都市計画
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は都市計画法 5 条(都市計画区域)、5 条の 2(準都市計画区域)、7 条(区域区分)、
8 条(地域地区)、9 条(用途地域の定義)、11 条(都市施設)、12 条(市街地開発事業)、
12 条の 4・12 条の 5(地区計画)、53 条(建築の許可)、58 条の 2(地区計画の届出)、
65 条(事業地内の制限)。2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。
0. どういう制度か
土地は放っておくと、住宅の隣に工場が建ち、道路のない場所に家が並ぶ。
そうならないよう線を引いて、区域ごとに何を建ててよいかを決めるのが都市計画である。
線は外側から順に引かれていく。
都市計画区域(都道府県が指定)
├ 市街化区域 ……… 市街化を図る。用途地域を必ず定める
├ 市街化調整区域 … 市街化を抑制する。原則として用途地域を定めない
└ 非線引き区域 …… 区域区分が定められていない区域
準都市計画区域(都市計画区域外で、放置すると支障がある区域)
区域区分(線引き)は必須ではない。三大都市圏や指定都市の区域では必ず定めるが、
それ以外では定めるかどうかが都道府県の判断に委ねられている。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 都市計画区域は行政区域とは無関係に指定できる(2 以上の都府県にわたるときは国土交通大臣)
- 準都市計画区域には用途地域を定められるが、区域区分は定められない
- 市街化調整区域には原則として用途地域を定めない
1. 都市計画区域と区域区分
根拠: 都市計画法 5 条 1 項・4 項、5 条の 2 第 1 項、7 条 1 項〜3 項
区域を先に決めるのは、規制の網をどこにかけるかを定めるためである。
線引きを一律に義務づけないのは、地方によっては市街化の圧力そのものが無いからである。
都市計画区域は誰が指定する?
都道府県(あらかじめ市町村・都道府県都市計画審議会の意見を聴き、
国土交通大臣に協議して同意を得る)
2 以上の都府県にわたる場合は国土交通大臣が指定する。
都市計画区域は市町村の区域内に限られる?
限られない
必要があれば市町村の区域外にわたって指定できる。
行政区域とは無関係に、一体の都市として整備すべき区域として定める。
市街化区域と市街化調整区域はそれぞれどんな区域?
- 市街化区域 … すでに市街地を形成している区域、および
おおむね 10 年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域 - 市街化調整区域 … 市街化を抑制すべき区域
区域区分(線引き)は必ず定める?
必ずではない(定めることが「できる」)
ただし、三大都市圏の一定の区域と指定都市の区域では
必ず定めなければならない(7 条 1 項ただし書)。
準都市計画区域とは?
都市計画区域外の区域のうち、そのまま放置すれば将来の都市としての整備・開発・保全に
支障が生じるおそれがある区域について、都道府県が指定する区域
区域区分は定められない。用途地域・特別用途地区・特定用途制限地域・
高度地区・景観地区・風致地区・緑地保全地域・伝統的建造物群保存地区は定められる。
2. 地域地区
根拠: 都市計画法 8 条 1 項、9 条、13 条 1 項 7 号
用途地域は何種類ある?
13 種類
住居系 8(第一種低層住居専用・第二種低層住居専用・田園住居・
第一種中高層住居専用・第二種中高層住居専用・第一種住居・第二種住居・準住居)、
商業系 2(近隣商業・商業)、工業系 3(準工業・工業・工業専用)。
市街化区域・市街化調整区域に用途地域はどう定める?
- 市街化区域 … 少なくとも用途地域を定める
- 市街化調整区域 … 原則として用途地域を定めない
特定用途制限地域はどこに定める?
用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)
つまり非線引き区域と準都市計画区域に定められる。
制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める。
高度地区と高度利用地区の違いは?
- 高度地区 … 建築物の高さの最高限度または最低限度を定める
- 高度利用地区 … 容積率の最高限度・最低限度、建蔽率の最高限度、
建築面積の最低限度、壁面の位置を定める
名前は似ているが、高度利用地区は高さの制限ではない。
防火地域・準防火地域はどこに定める?
市街地における火災の危険を防除するために定める地域地区で、
用途地域の内外を問わず定められる(都市計画区域内)
3. 都市施設と市街地開発事業
根拠: 都市計画法 11 条 1 項、13 条 1 項 11 号、12 条 1 項
市街化区域・非線引き区域には、少なくともどの都市施設を定める?
道路・公園・下水道
住居系の用途地域(第一種低層住居専用地域から準住居地域まで)には、
さらに義務教育施設を定める。
都市施設は都市計画区域外に定められる?
定められる
特に必要があるときは、都市計画区域外にも定められる(11 条 1 項)。
市街地開発事業はどこに定める?
市街化区域または非線引き区域内に定める(12 条 1 項)
市街化調整区域には定められない。
土地区画整理事業・新住宅市街地開発事業・市街地再開発事業などが含まれる。
4. 地区計画
根拠: 都市計画法 12 条の 4 第 1 項、12 条の 5 第 1 項、58 条の 2 第 1 項
地区計画は、街区レベルのきめ細かなルールを住民に近いところで決める仕組みである。
だから届出先は市町村長で、内容も「壁面の位置」「垣・柵の構造」まで及ぶ。
地区計画はどこに定められる?
- 用途地域が定められている土地の区域
- 用途地域が定められていない土地の区域のうち、
一定の条件(用途の混在や不良な街区の形成のおそれがあるなど)を満たす区域
市街化調整区域にも定められる。
地区計画の区域内で建築等をするとき、誰に何をする?
行為に着手する日の 30 日前までに、市町村長に届け出る(58 条の 2)
許可ではなく届出。
市町村長は、届出に係る行為が地区計画に適合しないときは勧告できる。
5. 都市計画制限
根拠: 都市計画法 53 条 1 項、54 条、65 条 1 項
計画された道路や公園の予定地に本格的な建物が建つと、事業の実施が難しくなる。
そこで予定の段階から建築を制限するが、後で壊しやすい建物は許される。
都市計画施設の区域・市街地開発事業の施行区域内で建築するには?
都道府県知事等の許可が必要(53 条 1 項)
ただし、階数が 2 以下で地階を有せず、主要構造部が木造・鉄骨造等で
容易に移転・除却できるものは許可しなければならない(54 条 3 号)。
都市計画事業の認可の告示後、事業地内でできなくなることは?
土地の形質の変更・建築物の建築・工作物の建設、
および移動の容易でない物件の設置・堆積には、
都道府県知事等の許可が必要になる(65 条 1 項)
53 条と違い、木造 2 階建てでも許可される保証はない。