地価公示法
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は地価公示法 1 条(目的)、2 条(標準地の価格の判定等)、3 条(標準地の選定)、
4 条(鑑定評価の基準)、6 条(公示事項)、7 条(書面の送付・閲覧)、
8 条(不動産鑑定士の土地の鑑定評価の準則)、9 条(公共事業用地の取得価格の算定の準則)、
10 条(収用する土地に対する補償金の額の算定)、11 条(規準)。
2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。
0. どういう制度か
土地には定価がない。取引ごとに事情が違うので、放っておくと何が適正な値段か誰にも分からない。
そこで国が代表的な土地を選び、毎年同じ日の価格を公表して、物差しを一本作る制度である。
物差しの使われ方には強弱がある。
| 誰が使うか | 効力 |
|---|---|
| 不動産鑑定士が公示区域内の土地を鑑定評価するとき | 規準としなければならない |
| 公共事業の用地を取得するとき | 規準としなければならない |
| 収用する土地の補償金を算定するとき | 公示価格を規準として算定する |
| 一般の土地取引をする者 | 指標として取引を行うよう努めなければならない(努力義務) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 一般の取引では努力義務にとどまる(公示価格で取引する義務はない)
- 標準地の価格は、建物や借地権が「存しない」ものとして判定する
- 鑑定評価を求めるのは 2 人以上の不動産鑑定士
1. 標準地の選定と価格の判定
根拠: 地価公示法 2 条 1 項・2 項、3 条、4 条
「代表的な土地」を選ぶのだから、特殊な土地を選んでは物差しにならない。
だから通常と認められる一団の土地が選ばれる。
標準地の価格は誰が、いつ時点のものを判定する?
土地鑑定委員会が、毎年 1 回、
1 月 1 日時点の 1 平方メートル当たりの正常な価格を判定する
判定した価格は官報で公示される(例年 3 月)。
標準地はどこから選ばれる?
公示区域(都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれる区域。
ただし規制区域を除く)内から選ばれる
自然的・社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、
土地の利用状況・環境等が通常と認められる一団の土地について選定する。
「正常な価格」とは?
土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において
通常成立すると認められる価格(2 条 2 項)
その土地に建物がある場合や、地上権その他の権利が存する場合には、
これらが存しないものとして通常成立すると認められる価格をいう。
標準地の価格を判定するとき、土地鑑定委員会は何を求める?
2 人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求める(2 条 1 項)
鑑定士は、①近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、
②近傍類地の地代等から算定される推定の価格、
③同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案して評価する(4 条)。
2. 公示の内容
根拠: 地価公示法 6 条、7 条 1 項・2 項
官報で公示される事項は?
- 標準地の所在の郡・市・区・町村・字および地番
- 標準地の単位面積当たりの価格および価格判定の基準日
- 標準地の地積および形状
- 標準地およびその周辺の土地の利用の現況
その他、土地鑑定委員会が必要と認める事項。
公示された内容は、どこで見られる?
土地鑑定委員会が、関係市町村の長に対して書面と図面を送付し、
市町村長がこれを公衆の縦覧に供する(7 条)
3. 公示価格の効力
根拠: 地価公示法 1 条の 2、8 条、9 条、10 条
一般の土地取引をする者に、公示価格はどう働く?
取引価格の指標として取引を行うよう努めなければならない(1 条の 2)
努力義務であり、公示価格で取引する義務はない。
不動産鑑定士が公示区域内の土地を鑑定評価するときは?
公示価格を規準としなければならない(8 条)
対象は、正常な価格を求めるとき、公共事業用地の取得価格を算定するとき、
または担保のための評価をするとき。
「公示価格を規準とする」とは、どういう意味?
対象土地の価格を、類似する利用価値を有すると認められる 1 または 2 以上の標準地との
位置・地積・環境等の相違を総合的に比較して求めること(11 条)
単に公示価格をそのまま用いることではない。
土地を収用する場合の補償金の額は?
近傍類地の取引価格等を考慮して算定した相当な価格に、
権利取得裁決の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額。
この「相当な価格」は、公示価格を規準として算定する(10 条)。