みならいノート

宅建 2027年度版

不動産鑑定評価基準

みならいノートで覚える(無料)

このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

根拠は鑑定評価法 3 条(不動産鑑定士の業務)、および国土交通省が定める
不動産鑑定評価基準(告示。条番号を持たないため、verify:pack の条文突合では
「条を読み取れない」として要確認に並ぶ。内容の確認は人が基準本文に当たること)。
2026-08-01 に基準本文と突合済み。

0. どういう制度か

鑑定評価は「その不動産はいくらか」を専門家が判定する行為である。
判断が人によってばらつかないよう、求める価格の種類と求め方(手法)が
あらかじめ決められている。

価格の種類は 4 つ。

種類 どんな価格か
正常価格 市場性を有する不動産について、合理的な市場で成立するであろう価格(原則)
限定価格 市場が限定される場合の価格(隣接地の併合、借地権者による底地の買取りなど)
特定価格 法令等による社会的要請を背景とする、正常価格の前提を満たさない価格
特殊価格 市場性を有しない不動産(文化財等)の、保存等を前提とした価格

手法は 3 つで、それぞれ「いくらで作れるか」「いくらで売れているか」「いくら稼ぐか」に対応する。

手法 求める価格 考え方
原価法 積算価格 同じものを今作るといくらか(再調達原価 − 減価修正)
取引事例比較法 比準価格 似た取引はいくらだったか
収益還元法 収益価格 その不動産が生む収益はいくらか

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 価格の種類

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第 5 章第 3 節

正常価格とは?

市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で
合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格

鑑定評価によって求める価格は、原則としてこの正常価格である。

限定価格が求められるのはどんな場合?

市場性を有する不動産について、取得する者が限定されることで、
市場価値と乖離することにより市場が相対的に限定される場合の価格。

例:借地権者が底地を併合する場合、隣接不動産を併合する場合、
経済合理性に反する分割をする場合。

特定価格と特殊価格の違いは?

  • 特定価格 … 市場性はあるが、法令等による社会的要請から
    正常価格の前提を満たさない場合の価格(証券化対象不動産の評価など)
  • 特殊価格 … 市場性を有しない不動産(文化財等)について、
    その保存等を前提とした価格

2. 価格形成要因と地域分析

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第 3 章・第 6 章

不動産の価格を形成する要因は、どう分類される?

  • 一般的要因 … 一般経済社会における不動産のあり方と価格水準に影響を与える要因
  • 地域要因 … その地域の特性を形成し、地域の価格水準に影響を与える要因
  • 個別的要因 … 不動産に個別性を生じさせ、その価格を個別的に形成する要因

「同一需給圏」とは?

一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について
相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域

近隣地域を含んで、より広い地域を指す。

「最有効使用の原則」とは?

不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用
(最有効使用)を前提として把握される価格を標準として形成される、という原則。

現実の使用方法が最有効使用でない場合もあるため、
現況の用途をそのまま前提にはしない。

3. 鑑定評価の 3 手法

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第 7 章第 1 節

鑑定評価の 3 手法は、どのように使う?

地域分析・個別分析により把握した対象不動産に係る市場の特性等を適切に反映した
複数の鑑定評価の手法を適用すべき
(原則として併用する)

複数の手法の適用が困難な場合でも、
他の手法の考え方をできるだけ参酌するよう努める。

原価法はどんな不動産に適用できる?

再調達原価が把握できる場合に適用する。

建物および建物とその敷地に有効。
土地でも、造成地・埋立地のように再調達原価を適切に求められる場合には適用できる。
既成市街地の宅地には適用しにくい。

原価法における「減価修正」の方法は?

  • 耐用年数に基づく方法(定額法・定率法等)
  • 観察減価法(対象不動産を実際に観察して減価額を求める)

これらを併用するのが原則。
減価の要因は、物理的要因・機能的要因・経済的要因の 3 つ。

取引事例比較法で、取引事例として採用できないものは?

投機的取引であると認められる事例

また、事例は近隣地域または同一需給圏内の類似地域等に存する不動産から選ぶ。
特殊な事情が含まれる事例は事情補正をし、
時点が異なる事例は時点修正をして用いる。

収益還元法は、自用の住宅にも適用できる?

適用できる(賃貸を想定することにより適用する)

収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の
一般的に市場性を有しない不動産以外のものには基本的にすべて適用すべき
とされる。

収益還元法の 2 つの方法は?

  • 直接還元法 … 一期間の純収益を還元利回りで還元する
  • DCF 法(Discounted Cash Flow 法) … 連続する複数期間の純収益と
    復帰価格を、割引率で現在価値に割り引いて合計する

証券化対象不動産の評価では DCF 法の適用が原則とされる。

4. 試算価格の調整

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第 8 章第 6 節

3 つの手法で求めた試算価格が食い違ったら、どうする?

各試算価格が十分な調査に基づく資料に依拠しているか、
手法の適用の適切さ、各手法の説得力の違いなどを再吟味して、
説得力に応じた重み付けをして最終的な鑑定評価額を決定する(試算価格の調整)。

単純に平均するのではない。

このノートの 13 問を、暗記カードで復習できます

みならいノートで覚える(無料)

答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 地価公示法
住宅金融支援機構 次

このノートは無償で公開しています。当方は内容の正確性・完全性・最新性を保証しません。学習にあたっては、法令の原文・公式の出題範囲その他の一次資料を必ずご確認ください。試験への合格その他の効果を保証するものでもありません。

本文の転載・再配布はお断りしています(利用規約)。手元に置いて使いたい方は、ストアから Markdown ファイルとして入手できます。